本編【Shinside】
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「こっちに来い」
眼帯を外して、俺はベッドにゆっくりと彼女を押し倒した。
華奢な肩が、緊張して強張っている。
「…怖いか?」
「ううん」
「もっと近くに寄れよ」
「シンさん…」
小さな唇からこぼれた俺の名前は、こんなにも愛おしい。
首筋にキスをする。
ビクッと震えた彼女を見て。
「やっぱりやめとくか?」
気遣うように発した俺の言葉に、彼女はハッキリと答えた。
「ううん。やめないで」
真っ直ぐに俺の瞳を見つめてくる。
「どうした?」
「これからも片目を眼帯で隠すの?」
「そうだな。そっちの方が慣れてるし、それに…俺の素顔を知ってる女は、お前ひとりでいい」
俺の唇は、彼女の額にそっと触れる。
「ありがとう。ずっとお前に礼が言いたかった」
ずっと、伝えたかった言葉が澱みなく溢れ出す。
「お前に出会って知ったんだ。人には愛情とか信頼とか、そういうものが必要だって」
手にしているものの大切さに、気づかせてくれた。
形を確かめるかのように彼女の身体を折れそうなほど強く抱きしめる。
俺が女にこんな台詞を言うのは、コイツが最初で最後だ。
耳元で囁く俺の声は、余裕がないほどにせつなさを帯びていた。
「俺にはお前が必要だ。誰にも渡さない。一生離さない…もう後戻りさせないから、覚悟しろよ?」
「覚悟はとっくにできてるもん」
彼女の手が、俺の頬にそっと添えられた。
「お母さんのお墓の前で約束するよ。シンさんのこと、幸せにしますって。だから安心して天国で見守っててくださいって」
そういって微笑む彼女は、眩いほどに綺麗で―
時折みせる幼さを、微塵も感じさせなかった。
この俺をこんな気持ちにさせるなんて
「ヤバイ…泣きそうだ」
俺は、たまらずに彼女の胸に顔を埋めた。
「今…俺の顔見たら、殴るからな」
それは精一杯の強がりで
嬉し涙を堪えながら―顔をあげられずにいる。
そんな俺を彼女の腕は優しく抱きしめ、背中をぽんぽんと叩いた。
「…っ」
これから抱こうとしている女に、抱きしめられるなんて
カッコ悪すぎる。
ガキじゃねーよ
と、また強がろうとして―
「大好きだよ。シンさん。だいすき」
耳元で囁かれた彼女の優しい宣戦布告に、
俺は全面降伏を選んだ。
…ったく
コイツには、かなわねー
偶然だと思っていた。
ある日突然、ちんちくりんな女が海賊船に紛れ込んできて同じ部屋で暮らすことになった。
面倒くさいガキだと思っていたが、
深く知るほどにたまらなく、いい女で。
いつしか―
恋に落ちた。
今なら信じられる。
全部運命だったのだと。
コイツに出会う為に俺は生まれて、
海賊になったのだと―
「お前が樽に入って海賊船に紛れ込んだマヌケなヤツだったことに感謝する」
「ふふっ。私も、樽に入ってて良かったです」
「もう一度、礼を言っておく。二度と言わないだろうから、よく聞け」
唇が触れ合いそうな距離で瞳をぶつけ、
溢れる感情を洩れなく全て届けられるようにと
俺は言葉をゆっくりと紡いだ。
「お前がこの世に生まれてきたこと。
あの日樽にのせられてシリウスの船に運ばれたこと。
俺の部屋を選んだこと。
最初の夜にキスしたことも。俺と恋に落ちたことも…
全部、これ以上ないくらいの幸せな事だと思ってる。
ありがとうな」
「えっ?!し、シンさんっ?!最初の夜のキスってなにっ?!どういうことで…」
戸惑いを見せる彼女に、それ以上質問を投げかけられないように、
俺は甘く深いキスで唇を塞ぐ。
もう、我慢は終わりだ。
俺たちの夜を阻むものなど何もないのだから―
眼帯を外して、俺はベッドにゆっくりと彼女を押し倒した。
華奢な肩が、緊張して強張っている。
「…怖いか?」
「ううん」
「もっと近くに寄れよ」
「シンさん…」
小さな唇からこぼれた俺の名前は、こんなにも愛おしい。
首筋にキスをする。
ビクッと震えた彼女を見て。
「やっぱりやめとくか?」
気遣うように発した俺の言葉に、彼女はハッキリと答えた。
「ううん。やめないで」
真っ直ぐに俺の瞳を見つめてくる。
「どうした?」
「これからも片目を眼帯で隠すの?」
「そうだな。そっちの方が慣れてるし、それに…俺の素顔を知ってる女は、お前ひとりでいい」
俺の唇は、彼女の額にそっと触れる。
「ありがとう。ずっとお前に礼が言いたかった」
ずっと、伝えたかった言葉が澱みなく溢れ出す。
「お前に出会って知ったんだ。人には愛情とか信頼とか、そういうものが必要だって」
手にしているものの大切さに、気づかせてくれた。
形を確かめるかのように彼女の身体を折れそうなほど強く抱きしめる。
俺が女にこんな台詞を言うのは、コイツが最初で最後だ。
耳元で囁く俺の声は、余裕がないほどにせつなさを帯びていた。
「俺にはお前が必要だ。誰にも渡さない。一生離さない…もう後戻りさせないから、覚悟しろよ?」
「覚悟はとっくにできてるもん」
彼女の手が、俺の頬にそっと添えられた。
「お母さんのお墓の前で約束するよ。シンさんのこと、幸せにしますって。だから安心して天国で見守っててくださいって」
そういって微笑む彼女は、眩いほどに綺麗で―
時折みせる幼さを、微塵も感じさせなかった。
この俺をこんな気持ちにさせるなんて
「ヤバイ…泣きそうだ」
俺は、たまらずに彼女の胸に顔を埋めた。
「今…俺の顔見たら、殴るからな」
それは精一杯の強がりで
嬉し涙を堪えながら―顔をあげられずにいる。
そんな俺を彼女の腕は優しく抱きしめ、背中をぽんぽんと叩いた。
「…っ」
これから抱こうとしている女に、抱きしめられるなんて
カッコ悪すぎる。
ガキじゃねーよ
と、また強がろうとして―
「大好きだよ。シンさん。だいすき」
耳元で囁かれた彼女の優しい宣戦布告に、
俺は全面降伏を選んだ。
…ったく
コイツには、かなわねー
偶然だと思っていた。
ある日突然、ちんちくりんな女が海賊船に紛れ込んできて同じ部屋で暮らすことになった。
面倒くさいガキだと思っていたが、
深く知るほどにたまらなく、いい女で。
いつしか―
恋に落ちた。
今なら信じられる。
全部運命だったのだと。
コイツに出会う為に俺は生まれて、
海賊になったのだと―
「お前が樽に入って海賊船に紛れ込んだマヌケなヤツだったことに感謝する」
「ふふっ。私も、樽に入ってて良かったです」
「もう一度、礼を言っておく。二度と言わないだろうから、よく聞け」
唇が触れ合いそうな距離で瞳をぶつけ、
溢れる感情を洩れなく全て届けられるようにと
俺は言葉をゆっくりと紡いだ。
「お前がこの世に生まれてきたこと。
あの日樽にのせられてシリウスの船に運ばれたこと。
俺の部屋を選んだこと。
最初の夜にキスしたことも。俺と恋に落ちたことも…
全部、これ以上ないくらいの幸せな事だと思ってる。
ありがとうな」
「えっ?!し、シンさんっ?!最初の夜のキスってなにっ?!どういうことで…」
戸惑いを見せる彼女に、それ以上質問を投げかけられないように、
俺は甘く深いキスで唇を塞ぐ。
もう、我慢は終わりだ。
俺たちの夜を阻むものなど何もないのだから―
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