本編【Shinside】
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翌日。
航海室に向かっていると
食堂からファジーの豪快な笑い声がドアの外まで漏れてきた。
「そりゃーあんた!男をわかってないわ~!」
この会話は…。
「シーッ!ふぁ、ファジーさんっ。声大きいですって!」
慌てた様子のアイツの声が続けて聞こえる。
「シン様だって、ついてるモンはついてンだからさっ」
……
コイツらとりあえず海の藻屑にしとくか。
俺は食堂のドアに手をかけた。
「でもさー、シン様も我慢なんかしなきゃいいのにね」
…ほうっておけ。
「ま、それだけアンタが大事なんだね」
「うん…大事にしてくれてるとは…思います」
フン。
…ったく。
アイツは恥ずかしげもなくベラベラと…
「何だい?ノロケかい!?…そーだね。シン様も怖くて手が出せないのかもね」
「そういうものなんですか?私が子供っぽいからダメなのかなと心配なんですけど」
「そりゃアタイに比べりゃアンタはまだまだガキだけどさ。わかっててシン様はアンタを選んだんだろ」
ファジー…意外と話のわかるヤツなんだな。
「ま、アタイだって一時はシン様と惹かれあった仲だから以心伝心っていうのかい?わかるんだよ」
前言撤回。
一体誰と、誰がだ?
「あっ、落ち込むんじゃないよ?アタイとシン様は惹かれあいながらも結ばれない運命だったんだからさ。ほら、アタイを海の男たちがほっとかないっていうか、アタイは一人に縛られないタイプだからね」
…もはや突っ込む気にもなれん。
「アタイはずっと前からシリウスを知ってるし、シン様みたいな色男のことは穴が開くほど観察しまくってたけどさ。アンタと居る時のシン様はちょっと違うっていうかさ。今までよりずっと近寄りやすいよ」
「えへへ。そうだと嬉しいです」
ファジーの場合は、近寄り難い、安いを問題にもせず付きまとって来ていたが…まあ、そうなんだろうな。
「まっ、以前のクールビューティなシン様もアタイは好物なんだけどさ」
「ふふ。確かに出会った頃はギロッと睨まれるしすぐ銃取り出すし、実は一番近づきにくかったです」
「なら何でアンタはシン様の部屋を選んだんだい?」
「うーん…お告げみたいなものですかね?!あの時、シンさんは『絶対に俺を選ぶな』って顔で睨んでましたけど」
「なのに選んだのかい?アンタけっこうたいしたタマだね」
「一番怖かったけど、だって散々海の藻くずとかサメのエサとか、からかわれたから悔しかったし…」
アイツ…俺が嫌がってるのわかってて選んだのか?
本当にたいした女だ。
「でもシンさんの部屋を選んで良かったです!一番近くにいられたからシンさんの素敵な所を沢山知ることができましたし!あ、でも!きっと違う部屋を選んでいてもシンさんを好きになったと思いますけどね!それはバッチリ自信あります!」
「何だい!結局ノロケかい」
ファジーと●●の楽しそうな笑い声が聞こえる。
『怖くて手を出せない』
そう、俺は
初めて本気で惚れた女をどう扱っていいか戸惑っている。
俺は食堂のドアを開けず、そのまま部屋に引き返した。
嫉妬、執着。
宝にも、自分の命にも、どの女にも。
そんな感情を持ったことなど今まで一度もなかったが…
だが今、彼女を前に次々に芽生える変化に為すすべを見失っている。
やっと手に入れたそれは、まるで繊細な硝子細工のように
――あまりにも綺麗で…眩しく。
思うままに俺の熱情をぶつければ、
たやすく壊してしまうのではないか、と。
触れたくてたまらないのに、触れることを躊躇ってしまう。
あの屈託ない笑顔が俺のそばにあるなら、
俺は何だってするだろう。
もう●●を知ってしまった。
手離すことなど出来ない。失いたくない。
●●は日に日に輝きを増していく。
俺は●●への想いを深めるほどに
無様な男になっていくようだった。
夜
いつもの宴が始まった。
「うめーー!まよねーずって、スゲーうめえ!ナギ兄!なんでもっと早く作ってくれなかったんだよ!」
ハヤテがきゅうりを頬張りながら酒を煽り、団歌を歌っている。
飲むか食うかナギに絡むか、歌うかどれかにしろ。
「シン!スカしてねーで、お前もいい加減歌えよっ」
またそれか。
「フン。こんなくだらねー歌、歌えるか。大体ヨーホーって何だよ」
「そんなこと言って~。シン、実はお前…」
ハヤテが酔った顔で、ニヤニヤと笑い出した。
「オンチかと言いたいんだろ」
「え?なんでオレが言おうとした事わかるんだよ?!超能力か?!スゲー!」
「フン、バカめ」
相手をする気にもなれねーな。
酔うといつも俺に歌を歌えと絡み、拒否すると『オンチ』かと絡む。
もう何度も繰り返してきた遣り取りだ。
呆れて酒を煽いでいると、突然音楽が爆音で流れ出した。
何だ?
「あんた達っ!今から魅惑のゴージャス姉妹の登場だよーっ!」
ファジーのデカい声が響き、
ファジーがバク転で甲板に登場する。
その後ろから、おそるおそる彼女が出てきた。
アイツ…
何をやってるんだ…
航海室に向かっていると
食堂からファジーの豪快な笑い声がドアの外まで漏れてきた。
「そりゃーあんた!男をわかってないわ~!」
この会話は…。
「シーッ!ふぁ、ファジーさんっ。声大きいですって!」
慌てた様子のアイツの声が続けて聞こえる。
「シン様だって、ついてるモンはついてンだからさっ」
……
コイツらとりあえず海の藻屑にしとくか。
俺は食堂のドアに手をかけた。
「でもさー、シン様も我慢なんかしなきゃいいのにね」
…ほうっておけ。
「ま、それだけアンタが大事なんだね」
「うん…大事にしてくれてるとは…思います」
フン。
…ったく。
アイツは恥ずかしげもなくベラベラと…
「何だい?ノロケかい!?…そーだね。シン様も怖くて手が出せないのかもね」
「そういうものなんですか?私が子供っぽいからダメなのかなと心配なんですけど」
「そりゃアタイに比べりゃアンタはまだまだガキだけどさ。わかっててシン様はアンタを選んだんだろ」
ファジー…意外と話のわかるヤツなんだな。
「ま、アタイだって一時はシン様と惹かれあった仲だから以心伝心っていうのかい?わかるんだよ」
前言撤回。
一体誰と、誰がだ?
「あっ、落ち込むんじゃないよ?アタイとシン様は惹かれあいながらも結ばれない運命だったんだからさ。ほら、アタイを海の男たちがほっとかないっていうか、アタイは一人に縛られないタイプだからね」
…もはや突っ込む気にもなれん。
「アタイはずっと前からシリウスを知ってるし、シン様みたいな色男のことは穴が開くほど観察しまくってたけどさ。アンタと居る時のシン様はちょっと違うっていうかさ。今までよりずっと近寄りやすいよ」
「えへへ。そうだと嬉しいです」
ファジーの場合は、近寄り難い、安いを問題にもせず付きまとって来ていたが…まあ、そうなんだろうな。
「まっ、以前のクールビューティなシン様もアタイは好物なんだけどさ」
「ふふ。確かに出会った頃はギロッと睨まれるしすぐ銃取り出すし、実は一番近づきにくかったです」
「なら何でアンタはシン様の部屋を選んだんだい?」
「うーん…お告げみたいなものですかね?!あの時、シンさんは『絶対に俺を選ぶな』って顔で睨んでましたけど」
「なのに選んだのかい?アンタけっこうたいしたタマだね」
「一番怖かったけど、だって散々海の藻くずとかサメのエサとか、からかわれたから悔しかったし…」
アイツ…俺が嫌がってるのわかってて選んだのか?
本当にたいした女だ。
「でもシンさんの部屋を選んで良かったです!一番近くにいられたからシンさんの素敵な所を沢山知ることができましたし!あ、でも!きっと違う部屋を選んでいてもシンさんを好きになったと思いますけどね!それはバッチリ自信あります!」
「何だい!結局ノロケかい」
ファジーと●●の楽しそうな笑い声が聞こえる。
『怖くて手を出せない』
そう、俺は
初めて本気で惚れた女をどう扱っていいか戸惑っている。
俺は食堂のドアを開けず、そのまま部屋に引き返した。
嫉妬、執着。
宝にも、自分の命にも、どの女にも。
そんな感情を持ったことなど今まで一度もなかったが…
だが今、彼女を前に次々に芽生える変化に為すすべを見失っている。
やっと手に入れたそれは、まるで繊細な硝子細工のように
――あまりにも綺麗で…眩しく。
思うままに俺の熱情をぶつければ、
たやすく壊してしまうのではないか、と。
触れたくてたまらないのに、触れることを躊躇ってしまう。
あの屈託ない笑顔が俺のそばにあるなら、
俺は何だってするだろう。
もう●●を知ってしまった。
手離すことなど出来ない。失いたくない。
●●は日に日に輝きを増していく。
俺は●●への想いを深めるほどに
無様な男になっていくようだった。
夜
いつもの宴が始まった。
「うめーー!まよねーずって、スゲーうめえ!ナギ兄!なんでもっと早く作ってくれなかったんだよ!」
ハヤテがきゅうりを頬張りながら酒を煽り、団歌を歌っている。
飲むか食うかナギに絡むか、歌うかどれかにしろ。
「シン!スカしてねーで、お前もいい加減歌えよっ」
またそれか。
「フン。こんなくだらねー歌、歌えるか。大体ヨーホーって何だよ」
「そんなこと言って~。シン、実はお前…」
ハヤテが酔った顔で、ニヤニヤと笑い出した。
「オンチかと言いたいんだろ」
「え?なんでオレが言おうとした事わかるんだよ?!超能力か?!スゲー!」
「フン、バカめ」
相手をする気にもなれねーな。
酔うといつも俺に歌を歌えと絡み、拒否すると『オンチ』かと絡む。
もう何度も繰り返してきた遣り取りだ。
呆れて酒を煽いでいると、突然音楽が爆音で流れ出した。
何だ?
「あんた達っ!今から魅惑のゴージャス姉妹の登場だよーっ!」
ファジーのデカい声が響き、
ファジーがバク転で甲板に登場する。
その後ろから、おそるおそる彼女が出てきた。
アイツ…
何をやってるんだ…