本編【Shinside】
ヒロインの名前を変更できます。デフォルトは●●
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「んっ…シンさっ…ん」
切なげな声で俺の名を呼ぶ。
このまま全て奪い尽くしたい―――
が。
「……」
「…シンさん?どうしたの?」
ふと手を止めた俺を、物憂げに彼女が見上げる。
俺は乱れた彼女の衣服を綺麗に整えてから、立ち上がってドアに向かった。
「えっ。シンさん?どこへ…」
ガチャ。
ドアを開けると、ハヤテとトワが倒れこんできた。
「いってえー!シン、急に開けんなって」
ハヤテが地面にぶつけた肩を撫でながら言う。
「…」
無言でトワを睨みつけてやると、怯えた顔で弁解しようとする。
「ぼ、僕は、ハヤテさんを止めようとしたんですけど…」
「トワ!裏切んなっ。お前だってしっかり聞き耳立ててただろっ!」
「だってハヤテさんがドアから離れないし、それに…あんな声が聞こえたら…」
トワが言いかけて言葉に詰まり、みるみる赤くなって俯く。
「へえ…。あんな声、か。どんな声を聞いていたのか、詳しく説明してもらおうか」
俺の言葉にトワがますます顔を赤くし、ハヤテは開き直る。
「ふん!船の上でやらしーことしてるほうがわりーんだよっ!いっつも、規律がとか言ってンのはシンだろー」
言っておくが、ハヤテが言うようなやらしーことは、お前らのせいでまだできていない。
「入れよ」
二人が虚をつかれた顔をした。
ハヤテとトワを部屋の中に残したまま、ドアを閉める。
「そんなに見たいなら、見せてやる」
ベッドに戻り、戸惑った表情の彼女の隣に腰を下ろす。
「へ?し、シンさんっ?!何を言って…?ひゃっ!」
●●を抱き寄せ、耳たぶをそっと噛む。
「あっ…」
ぴちゃりとわざと音を立てて耳を舐めると、●●の肌が一気に粟立つ。
「…っ。ちょ…シン、さんっ…ダメですっ!い、いや…っ」
さっきまで従順だった彼女はハヤテとトワが見ている恥ずかしさからか、必死に抵抗し始めた。
「だから、お前に抵抗する権利はない」
俺の唇は、耳から首筋に、鎖骨へと降りていき…。
「ハ、ハヤテさんっ!僕ダメですっ。無理ですぅ!!もう戻りますからっ」
トワが勢いよく立ちあがって鼻を押さえながら部屋を出ていく。
「おい待てって、トワ!!オレを置いてくなってっ!つーかココに置いてかないでくれーっ!!」
ハヤテも慌てて後を追いかけていった。
「…フン」
最後まで目の前で見る勇気がないなら、最初から覗くな。
ガキ。
二人が出て行った後。
部屋のドアを閉めてから鍵を掛け、まだ火照った●●の体を引き寄せる。
「もしかしてわざと…二人が困って逃げちゃうの解ってて…」
「当り前だ。お前のあんな顔をあれ以上見せてやるわけねーだろ」
「あんな…顔?」
「そういうソソル顔のことだ」
「…っ」
キスをしようと顔を近づけるが、
●●は潤んだ瞳に涙を浮かべ、ガクンとベッド脇にへたり込んだ。
「どうした?力が抜けたのか?」
「だってっ…ほんとにあのままされちゃうのかと思って怖かっ…きんちょうしてて…。ずっといっぱいいっぱいで…あああああ~!!ううわ~~んっ!!!」
●●は子供のように突然泣きじゃくる。
「悪かったな」
思わず頭を撫でる。
無茶をしてしまったようだ。
すぐに目の前から消えてしまうコイツを閉じ込めようと、俺は焦っていた。
このまま、今夜。
こんなに涙を流しているコイツを
無理に抱いてしまっていいのか?
頭を撫でて●●を落着かせていると、徐々に俺自身の昂ぶりもおさまってくる。
少しずつ。
慣らしてやると言ったところだ。
「…今夜は仕置きはやめた」
「えっ。」
俺が体を離すと、安堵の混じった切なげな表情で彼女は驚いた。
「また覗かれたら、うっとおしいからな。お前への仕置きは今度たっぷりしてやる」
「延期、ってことですか?」
「ぶっ。延期って何だよ。残念そーだな」
まだ嗚咽が止まらないのか、喉を震わせながら、●●が答える。
「は、はい。ヒック。わ、わたしはだいじょうぶですから、ヒック…すぐおさまるから…だから…」
「ほら。こーしてやるから落着けよ」
彼女を抱き締めて、横になる。
背中をそっと撫でると大きな息を吐きだして、
●●は安堵したように瞳を閉じた。
「シンさん…ごめんなさい」
「何で謝るんだ?」
「なんとなく…」
鼻をつまんでやる。
「いたたっ」
「フン、おもしれー顔。いいから寝ろよ。眠らねーと海の藻くずにするぞ」
「ふふっ…それ、懐かしいです…」
疲れのせいなのか、緊張が解けて安心したのか。
腕の中の彼女は、嬉しそうに微笑んで、
それからすぐに穏やかな寝息をたてはじめた。
しばらくして――
「うっ…わたしじゃ…まんぞく、できな」
●●が、小さな寝言を呟いた。
何だ、その寝言は。
その寝顔にそっと口づける。
「バカか、お前は。逆だ」
唇に鎖骨、そして胸へと順にキスを落とすと、
身体じゅうに温かいものが流れ込んでくる。
この部屋で、寝ているコイツのファーストキスを奪ったあの日。
たかがキスだと思っていた。
だが今の俺は
その『たかがキス』だけにこんなにも満たされている。
こんなふうに女を愛する事が出来る夜もあるのだと、俺は生まれて初めて知った。
切なげな声で俺の名を呼ぶ。
このまま全て奪い尽くしたい―――
が。
「……」
「…シンさん?どうしたの?」
ふと手を止めた俺を、物憂げに彼女が見上げる。
俺は乱れた彼女の衣服を綺麗に整えてから、立ち上がってドアに向かった。
「えっ。シンさん?どこへ…」
ガチャ。
ドアを開けると、ハヤテとトワが倒れこんできた。
「いってえー!シン、急に開けんなって」
ハヤテが地面にぶつけた肩を撫でながら言う。
「…」
無言でトワを睨みつけてやると、怯えた顔で弁解しようとする。
「ぼ、僕は、ハヤテさんを止めようとしたんですけど…」
「トワ!裏切んなっ。お前だってしっかり聞き耳立ててただろっ!」
「だってハヤテさんがドアから離れないし、それに…あんな声が聞こえたら…」
トワが言いかけて言葉に詰まり、みるみる赤くなって俯く。
「へえ…。あんな声、か。どんな声を聞いていたのか、詳しく説明してもらおうか」
俺の言葉にトワがますます顔を赤くし、ハヤテは開き直る。
「ふん!船の上でやらしーことしてるほうがわりーんだよっ!いっつも、規律がとか言ってンのはシンだろー」
言っておくが、ハヤテが言うようなやらしーことは、お前らのせいでまだできていない。
「入れよ」
二人が虚をつかれた顔をした。
ハヤテとトワを部屋の中に残したまま、ドアを閉める。
「そんなに見たいなら、見せてやる」
ベッドに戻り、戸惑った表情の彼女の隣に腰を下ろす。
「へ?し、シンさんっ?!何を言って…?ひゃっ!」
●●を抱き寄せ、耳たぶをそっと噛む。
「あっ…」
ぴちゃりとわざと音を立てて耳を舐めると、●●の肌が一気に粟立つ。
「…っ。ちょ…シン、さんっ…ダメですっ!い、いや…っ」
さっきまで従順だった彼女はハヤテとトワが見ている恥ずかしさからか、必死に抵抗し始めた。
「だから、お前に抵抗する権利はない」
俺の唇は、耳から首筋に、鎖骨へと降りていき…。
「ハ、ハヤテさんっ!僕ダメですっ。無理ですぅ!!もう戻りますからっ」
トワが勢いよく立ちあがって鼻を押さえながら部屋を出ていく。
「おい待てって、トワ!!オレを置いてくなってっ!つーかココに置いてかないでくれーっ!!」
ハヤテも慌てて後を追いかけていった。
「…フン」
最後まで目の前で見る勇気がないなら、最初から覗くな。
ガキ。
二人が出て行った後。
部屋のドアを閉めてから鍵を掛け、まだ火照った●●の体を引き寄せる。
「もしかしてわざと…二人が困って逃げちゃうの解ってて…」
「当り前だ。お前のあんな顔をあれ以上見せてやるわけねーだろ」
「あんな…顔?」
「そういうソソル顔のことだ」
「…っ」
キスをしようと顔を近づけるが、
●●は潤んだ瞳に涙を浮かべ、ガクンとベッド脇にへたり込んだ。
「どうした?力が抜けたのか?」
「だってっ…ほんとにあのままされちゃうのかと思って怖かっ…きんちょうしてて…。ずっといっぱいいっぱいで…あああああ~!!ううわ~~んっ!!!」
●●は子供のように突然泣きじゃくる。
「悪かったな」
思わず頭を撫でる。
無茶をしてしまったようだ。
すぐに目の前から消えてしまうコイツを閉じ込めようと、俺は焦っていた。
このまま、今夜。
こんなに涙を流しているコイツを
無理に抱いてしまっていいのか?
頭を撫でて●●を落着かせていると、徐々に俺自身の昂ぶりもおさまってくる。
少しずつ。
慣らしてやると言ったところだ。
「…今夜は仕置きはやめた」
「えっ。」
俺が体を離すと、安堵の混じった切なげな表情で彼女は驚いた。
「また覗かれたら、うっとおしいからな。お前への仕置きは今度たっぷりしてやる」
「延期、ってことですか?」
「ぶっ。延期って何だよ。残念そーだな」
まだ嗚咽が止まらないのか、喉を震わせながら、●●が答える。
「は、はい。ヒック。わ、わたしはだいじょうぶですから、ヒック…すぐおさまるから…だから…」
「ほら。こーしてやるから落着けよ」
彼女を抱き締めて、横になる。
背中をそっと撫でると大きな息を吐きだして、
●●は安堵したように瞳を閉じた。
「シンさん…ごめんなさい」
「何で謝るんだ?」
「なんとなく…」
鼻をつまんでやる。
「いたたっ」
「フン、おもしれー顔。いいから寝ろよ。眠らねーと海の藻くずにするぞ」
「ふふっ…それ、懐かしいです…」
疲れのせいなのか、緊張が解けて安心したのか。
腕の中の彼女は、嬉しそうに微笑んで、
それからすぐに穏やかな寝息をたてはじめた。
しばらくして――
「うっ…わたしじゃ…まんぞく、できな」
●●が、小さな寝言を呟いた。
何だ、その寝言は。
その寝顔にそっと口づける。
「バカか、お前は。逆だ」
唇に鎖骨、そして胸へと順にキスを落とすと、
身体じゅうに温かいものが流れ込んでくる。
この部屋で、寝ているコイツのファーストキスを奪ったあの日。
たかがキスだと思っていた。
だが今の俺は
その『たかがキス』だけにこんなにも満たされている。
こんなふうに女を愛する事が出来る夜もあるのだと、俺は生まれて初めて知った。