今日は学校が休みの日だった。
そういえば、ノートとか用意してなかった気がするから、とりあえず、ショッピングモールに来た。

都会のショッピングモールは、多種多様な専門店があるから、ちょっと、いや、だいぶ楽しい。

あっ、この店、一度入ってみたかったんだよね。入浴剤だけじゃなくスキンケア用品も売ってるから、可愛い人達が利用してるイメージが…

！凄い！ゲーセンが広い…迷子になりそう

おっといけない、本題を忘れるところだった。文房具を買いに来たんだった。　

そして私は、足早に文房具コーナーに向かい、速やかに買い物を済ませた。
その後、店の中を一通り回り、店を出た。

今日は休日だからか、凄い人の数だ。人だかりをかき分けていくのに気を取られているから、当然足元を見ていない。

あっ！やばっ！

ちょっとした段差に躓いて転んでしまった。

どうしよう…めっちゃ恥ずかしい…

とりあえずこの状況から脱するために走って退散することにした。

膝から血が出ていたけど、必死に走った。

痛みより恥ずかしさが勝っていると言っていいくらい痛くない。

誰にも見られてませんように…


なんとか人だかりから脱出できたようだ。
でも、安心するのも束の間、
茂みからはみ出ていた枝に膝をやられた。しかも、さっき転んですりむいたのと同じ方を。

これは流石に痛い。流石に動けない。

もう恥ずかしいとか気にしないから誰か助けて…

そう思いながら顔を上げると、誰かが私の方に向かってくるのが見えた。

「苗字、大丈夫か？」

その声は、海堂君？　

「うん、全然大丈夫じゃないよ。でも助けに来てくれたんだ。」

ちょっと安心した。

それから、近くにあった公園の水道を使って、傷口の血や砂を洗い流した。

「海堂君、なんで私だってわかったの？」

「実は、苗字が転んだときから見てた。そしたら苗字がいきなり走り出したから心配で…」

転んだときから見られてたなんて、思ってもいなかった。

なんかじわじわと恥ずかしくなってきた…

「…まあ、とにかく助けてくれてありがとね。」　　

そういって立ち去ろうとしたとき、

「まだ、血、止まってなさそうだから、こんなんで悪いが、」

と、バンダナを巻いてくれた。

「なんて優しいんだよ〜　この恩は一生忘れないからね！」

それから私は、海堂君の優しさに感謝しながら帰路についた。

「このバンダナ洗って返さないと」

洗濯石鹸を買って帰った。