一人で慣れない道を歩いているからか、ちょっと違和感を感じる。

「青学にあんな子いたっけ？」「わかんなーい」とか、言われている気がするし、めっっっっっちゃ視線を感じる。

（だよねー、私も在校生だったらそうなるな
まあ、今日から青学の生徒だし、気にしない、気にしない）
　
そんなことより、都会の雰囲気にまだ慣れていない。通学路にカフェとかファストフード店があるだけではしゃいでしまう。田舎から旅行に来た人かよ。

あ、そういえば、私のクラス2年7組だったっけ。てか、クラス多くない？前いたところが過疎ってるだけかもしれない。
クラス数、生徒数の多さに圧倒され、感心していると、学校に着いた。校門の前に先生らしき人が立っているので話しかけてみた。

「すみません、私、転校してきた……」
「あー、苗字さんですよね？」
「はい。苗字です。」
「じゃあ、着いてきてください」

ロッカーの準備とか色々あるらしくて、会議室的なところに通された。
「それでは、先生はもう行くので、このパンフレットとか見ててください。」

そう言って先生は出て行った。
これ絶対ヒマなやつだよね？こんな薄いパンフなんかで数十分潰せるわけないじゃん。…読むけどさ…

校則とか色々書かれているパンフレットを読んだ。………が、すぐに読み終わってしまった。

じーーーーーーっと時計と睨めっこしてしばらく経った
そのとき、足音がした。多分数十人の列が通りすぎる音。同時に何か話し声も聞こえる。校長の話長かったとか、眠かったとか。

きっと始業式だろうな。
そんなことを考えていると、ドアをノックされた。先生が来たようだ。

「苗字さん、教室に行きますよ。」
「はい。」

キターーーーーーーーーーーーーーー

やっばいすげえ緊張してきた…

先生の後ろを緊張を悟られないようにしながら教室までついていった。

「では、生徒たちに説明してくるので、少し待っていてください。」

先生が教室で他の生徒たちに説明している。生徒たちは、「えー！？転校生！？」「どんな人だろう？」などと、ワクワクしている様子がうかがえる。

めっちゃ期待されてね？これ。不安と緊張と心配が、私の心の中でブレイクダンスしてる。やっべーーーーーーーーーーー

説明が一段落着いたようで、先生が手招きした。

覚悟を決めて、教室に入った。