進清十郎夢は同学年同クラスになります。
Mr.Right
空欄の場合は、南ひより になります。
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夏休みも終わり9月になったが、まだ厳しい暑さが続いている。
この夏は大好きな進くんとの素敵な思い出ができたので最高の夏だと言えよう。そして、進くんとの距離がぐっと縮まった気がする。いつか進くんと両想いになれたらいいのに、なんて頭のなかは彼のことばかり。
放課後、図書室へ寄ってから帰宅することにした。多くの書物がありこの静寂な空間が私は気に入っている。ふと外に目を向けるとアメフト部が練習をしている姿が見えたので、私は練習している進くんが見たくて図書室を後にした。
まだ監督は来ていないようだ。桜庭くんと高見さんはパス練をしている。彼らはアメフト部のなかでも長身で、おまけに端正な顔立ちでもあるからファンが多いことでも有名だ。ところで進くんが見当たらないけれど、どこかな……そう思っていたら心の声を読まれたのか、
「進ならランニングに行っているよ。あと10分もすれば帰ってくるからもう少し待っていてね」
誰かと思えば紳士的で温厚、という言葉がよく似合う頭脳プレイヤー・高見さんだ。隣には桜庭くんもいて二人とも私に優しく微笑みかけている。いや、それよりなぜ私が進くんを探していることを知っているのだろうか?まさか声に出ていた?
「南さん、鳩が豆鉄砲を食らったような顔になっているよ」
桜庭くんが堪えきれずに笑いながら言った。続けて隣にいる高見さんが、
「南さん、もしかして僕らが君の一途な恋に気づいていないと思っていた?」
そう言った高見さんは困ったように笑っている。
「あの、私、そんなに分かりやすかったですか?」
恥ずかしくて彼らの顔が見られない私は俯きながら尋ねた。
「いつも進のこと目で追ってるよね。同じクラスだし良くわかるよ」
「進が練習しているところをみている南さんの瞳はキラキラ輝いているしね」
桜庭くんも高見さんも、うんうん、と頷きながら私をみている。決して冷やかしなどではなさそうだし、進くんに恋しているのが気づかれているなら白状しようかな。
「そうです、お察しの通り私は進くんが好きなんです。彼、私の理想の人物なんです。それでアメフト部の練習もよく見ているんです。もしかして、ご迷惑でしたか?」
「それはないよ。だって進も南さんが来ていると嬉しそうだよ、なぁ、桜庭?」
「はい。あいつはあまり感情を顔に出さないけれど、先月くらいからかな?表情が柔らかくなったと思うんだよね、なんでかな?」
高見さんと桜庭さん、もしかして私をからかっている?進くんが好きだなんて口にしなきゃよかったと後悔していると、高見さんが申し訳なさそうに言葉を発した。
「ごめんね、決して冷やかしではないよ。進の表情を豊かにしてくれた子は誰なんだろう、と気になっていたんだ。やはり南さんだったんだね」
「進も絶対に南さんのこと好きだよ、親友の俺が言うんだから間違いないよ」
思いもよらない彼らの言葉に茫然と立ち尽くす私。彼らの目からみて進くんは、もしかすると少しでも私を意識してくれているのかもしれない。真偽のほどはわからないけれど、心が温かくなった。
「南さんの白馬の王子様が帰ってきたよ」
高見さんが目をやる先にはランニングを終えた進くんの姿。白馬の王子様という言葉に耳まで真っ赤になってしまう私。そんな私にかまわずに、桜庭くんはドリンクを進くんに手渡しながら言った。
「進、お疲れ様!南さんが応援にきてくれたぞ!」
「あ、ああ。ありがとう、南」
進くんの頬はランニングの所為なのかほんのり赤く染まっている。
そして、高見さんと桜庭さんはその表情をみて微笑んでいる。
「さて、練習再開としようか。南さん、ゆっくり見ていていいからね」
そう言った高見さんたちはグラウンドへ戻っていった。すると進くんが振り返り私に話しかけた。
「南、ありがとう。また後でな」
彼の柔らかい表情が脳裏に焼き付いて離れない。たった一言、ありがとう、と言ってもらえたそれだけで私の心が満たされる。その後も、残暑の厳しさなんて忘れて、彼が練習している姿をずっと追いかけていた。だって、彼は私のMr. Rightだもの。
この夏は大好きな進くんとの素敵な思い出ができたので最高の夏だと言えよう。そして、進くんとの距離がぐっと縮まった気がする。いつか進くんと両想いになれたらいいのに、なんて頭のなかは彼のことばかり。
放課後、図書室へ寄ってから帰宅することにした。多くの書物がありこの静寂な空間が私は気に入っている。ふと外に目を向けるとアメフト部が練習をしている姿が見えたので、私は練習している進くんが見たくて図書室を後にした。
まだ監督は来ていないようだ。桜庭くんと高見さんはパス練をしている。彼らはアメフト部のなかでも長身で、おまけに端正な顔立ちでもあるからファンが多いことでも有名だ。ところで進くんが見当たらないけれど、どこかな……そう思っていたら心の声を読まれたのか、
「進ならランニングに行っているよ。あと10分もすれば帰ってくるからもう少し待っていてね」
誰かと思えば紳士的で温厚、という言葉がよく似合う頭脳プレイヤー・高見さんだ。隣には桜庭くんもいて二人とも私に優しく微笑みかけている。いや、それよりなぜ私が進くんを探していることを知っているのだろうか?まさか声に出ていた?
「南さん、鳩が豆鉄砲を食らったような顔になっているよ」
桜庭くんが堪えきれずに笑いながら言った。続けて隣にいる高見さんが、
「南さん、もしかして僕らが君の一途な恋に気づいていないと思っていた?」
そう言った高見さんは困ったように笑っている。
「あの、私、そんなに分かりやすかったですか?」
恥ずかしくて彼らの顔が見られない私は俯きながら尋ねた。
「いつも進のこと目で追ってるよね。同じクラスだし良くわかるよ」
「進が練習しているところをみている南さんの瞳はキラキラ輝いているしね」
桜庭くんも高見さんも、うんうん、と頷きながら私をみている。決して冷やかしなどではなさそうだし、進くんに恋しているのが気づかれているなら白状しようかな。
「そうです、お察しの通り私は進くんが好きなんです。彼、私の理想の人物なんです。それでアメフト部の練習もよく見ているんです。もしかして、ご迷惑でしたか?」
「それはないよ。だって進も南さんが来ていると嬉しそうだよ、なぁ、桜庭?」
「はい。あいつはあまり感情を顔に出さないけれど、先月くらいからかな?表情が柔らかくなったと思うんだよね、なんでかな?」
高見さんと桜庭さん、もしかして私をからかっている?進くんが好きだなんて口にしなきゃよかったと後悔していると、高見さんが申し訳なさそうに言葉を発した。
「ごめんね、決して冷やかしではないよ。進の表情を豊かにしてくれた子は誰なんだろう、と気になっていたんだ。やはり南さんだったんだね」
「進も絶対に南さんのこと好きだよ、親友の俺が言うんだから間違いないよ」
思いもよらない彼らの言葉に茫然と立ち尽くす私。彼らの目からみて進くんは、もしかすると少しでも私を意識してくれているのかもしれない。真偽のほどはわからないけれど、心が温かくなった。
「南さんの白馬の王子様が帰ってきたよ」
高見さんが目をやる先にはランニングを終えた進くんの姿。白馬の王子様という言葉に耳まで真っ赤になってしまう私。そんな私にかまわずに、桜庭くんはドリンクを進くんに手渡しながら言った。
「進、お疲れ様!南さんが応援にきてくれたぞ!」
「あ、ああ。ありがとう、南」
進くんの頬はランニングの所為なのかほんのり赤く染まっている。
そして、高見さんと桜庭さんはその表情をみて微笑んでいる。
「さて、練習再開としようか。南さん、ゆっくり見ていていいからね」
そう言った高見さんたちはグラウンドへ戻っていった。すると進くんが振り返り私に話しかけた。
「南、ありがとう。また後でな」
彼の柔らかい表情が脳裏に焼き付いて離れない。たった一言、ありがとう、と言ってもらえたそれだけで私の心が満たされる。その後も、残暑の厳しさなんて忘れて、彼が練習している姿をずっと追いかけていた。だって、彼は私のMr. Rightだもの。
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