進清十郎夢は同学年同クラスになります。
私の兄は。
空欄の場合は、南ひより になります。
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梅雨も明け、いよいよ暑さも厳しさを増してきた。その暑さのなか、夏の風物詩である風鈴が涼しげな音色を鳴らしている。この風鈴は兄の伊知郎が私好みのデザインだと思って購入してくれたもの。さすがお兄ちゃん、私の好みをよく分かっている。今どき珍しいと言われるくらい兄妹仲は良好で、兄の部活が休みの時は一緒に買い物にも行く。優しくて頼りになるからなのか、兄のファンが多くいるのは嬉しいけれどちょっと複雑に感じてしまう。それでも私にとっては世界で一番大好きな兄には変わりない。
「ひより、そろそろ桜庭と進が来るけれど、一緒に課題やるかい?」
控えめなノックをして部屋に入ってきた兄が私に話しかけた。そうだ、今日は部活がお休みということで、難しい課題に手こずっている桜庭君のために兄が教えるとか言ってたよね。進君は難なくこなせそうだけれど、折角だからということで一緒に来るって言ってた。
「うーん、どうしようかなぁ」
私はお兄ちゃんにいつでも教えてもらえるから、今日は桜庭君にお兄ちゃん独占権を譲ろうかな?
「どちらでもかまわないよ。二人が帰った後に教えてもいいからね。あ、桜庭と進が着いたって!」
そう言うと兄は二人を迎えに玄関へ向かった。とりあえず私も兄の後を追いかけ玄関へ向かうと、目の前には私服姿の進君と桜庭君。
そういえば二人の私服姿って初めてみたかもしれない。二人ともセンスがいいなぁ、と思っていると桜庭君と進君に声をかけられた。
「ひよりちゃん、こんにちは、今日はお世話になります」
これが元アイドルのキラースマイルなのか、キラキラしていて彼のファンクラブがあるのも頷ける。
「ひより、こんにちは。高見さんに聞いてお前が好きだというケーキを買ってきたから後で食べてくれ」
進君もすごく穏やかな表情している、これはなかなか学校では見られない貴重な瞬間かも?進君にお礼を言って(桜庭君もお菓子を用意してくれた)私は彼らのお茶を用意することにした。
暫くして用意したお茶を持って兄の部屋をノックして入ると、早速勉強会が始まっていた。兄が英文法の説明をしていて、それを進君と桜庭くんが真剣に聞いている。
「お持たせで失礼ですが…」
進君と桜庭くんからいただいたお菓子とアイスティーをテーブルに置いた。それと兄が部活の合宿で訪れたドイツ土産の綺麗な色の氷砂糖も。私はこれが大好きでアイスティーには必ず入れている。
「ひより、どうもありがとう。ところで、一緒に課題をやらないか?」
進くんが、ここに座ればいい、と言いながら手招きする。桜庭君も一緒にやろう、と声をかけてくれたので彼らと一緒に課題をこなすことにした。課題を手にして進君の隣に座り兄を見るとニコニコと笑っている。私はこの兄のたまらなく優しい表情が昔から大好き。
難しい問題もいとも簡単に解いてしまう兄のおかげで私たちの課題はさくさく進んだ。
「さて、一息いれようか」
兄の一言で私たちは課題から手を放して休憩することにした。進くんからの御持たせのケーキがとても美味しくて幸せな気分になる。
「ひよりは本当に美味しそうにたべるんだな」
「ひよりちゃんの幸せそうな顔が見られてラッキーかも」
進君と桜庭くんが柔和な笑顔で私に話しかける。私はそんなに顔にでているんだろうかと恥ずかしくなり下を向いた。
「進、桜庭、すごく可愛いだろう?俺の妹は」
兄が口角をあげて誇らしげに言い、私の頭をぽんぽん、と撫で始めた。嬉しいけれど、進君と桜庭君の前だとちょっと恥ずかしいかも……。
「そりゃあ可愛いですよ?だってひよりちゃん、モテますからね」
桜庭くんが、そうだよな、進、と彼に同意を求めると進君も頷いた。その矢先、部屋の空気が変わったと感じたのは私だけではないだろう。なんだろうこの嫌な感じは……。
「ひよりにまだ彼氏は必要ない。俺の大事な妹だから、そう易々と渡せない。たとえそれが進と桜庭であってもな」
トレードマークのメガネをクイっとあげて進君と桜庭君を交互にみる兄に彼らはたじろいでいる。もしかして、これが牽制なのかな……。
夕方になり進君と桜庭君が帰ることになったので、兄と一緒に彼らを見送った。その後、兄の部屋へ戻りグラスなどを片付けていると兄が私の隣に座った。
「進も桜庭も優良物件だと思うんだけれど、俺はまだ妹離れできなくて……ごめんな?」
私の頭にポン、と手を置いて困ったように笑う兄。お兄ちゃんが誰かにとられちゃうかも!なんて思っていたけれど、私を大事に思っていてくれることは確かだと実感した。
「お兄ちゃん、明日は午前練習のみでしょう?午後、お兄ちゃんと一緒にショッピングしたいわ」
満面の笑みで、勿論、と返事をしてくれる兄をみて、私には当分彼氏はいらないわと感じた夏の午後だった。
「ひより、そろそろ桜庭と進が来るけれど、一緒に課題やるかい?」
控えめなノックをして部屋に入ってきた兄が私に話しかけた。そうだ、今日は部活がお休みということで、難しい課題に手こずっている桜庭君のために兄が教えるとか言ってたよね。進君は難なくこなせそうだけれど、折角だからということで一緒に来るって言ってた。
「うーん、どうしようかなぁ」
私はお兄ちゃんにいつでも教えてもらえるから、今日は桜庭君にお兄ちゃん独占権を譲ろうかな?
「どちらでもかまわないよ。二人が帰った後に教えてもいいからね。あ、桜庭と進が着いたって!」
そう言うと兄は二人を迎えに玄関へ向かった。とりあえず私も兄の後を追いかけ玄関へ向かうと、目の前には私服姿の進君と桜庭君。
そういえば二人の私服姿って初めてみたかもしれない。二人ともセンスがいいなぁ、と思っていると桜庭君と進君に声をかけられた。
「ひよりちゃん、こんにちは、今日はお世話になります」
これが元アイドルのキラースマイルなのか、キラキラしていて彼のファンクラブがあるのも頷ける。
「ひより、こんにちは。高見さんに聞いてお前が好きだというケーキを買ってきたから後で食べてくれ」
進君もすごく穏やかな表情している、これはなかなか学校では見られない貴重な瞬間かも?進君にお礼を言って(桜庭君もお菓子を用意してくれた)私は彼らのお茶を用意することにした。
暫くして用意したお茶を持って兄の部屋をノックして入ると、早速勉強会が始まっていた。兄が英文法の説明をしていて、それを進君と桜庭くんが真剣に聞いている。
「お持たせで失礼ですが…」
進君と桜庭くんからいただいたお菓子とアイスティーをテーブルに置いた。それと兄が部活の合宿で訪れたドイツ土産の綺麗な色の氷砂糖も。私はこれが大好きでアイスティーには必ず入れている。
「ひより、どうもありがとう。ところで、一緒に課題をやらないか?」
進くんが、ここに座ればいい、と言いながら手招きする。桜庭君も一緒にやろう、と声をかけてくれたので彼らと一緒に課題をこなすことにした。課題を手にして進君の隣に座り兄を見るとニコニコと笑っている。私はこの兄のたまらなく優しい表情が昔から大好き。
難しい問題もいとも簡単に解いてしまう兄のおかげで私たちの課題はさくさく進んだ。
「さて、一息いれようか」
兄の一言で私たちは課題から手を放して休憩することにした。進くんからの御持たせのケーキがとても美味しくて幸せな気分になる。
「ひよりは本当に美味しそうにたべるんだな」
「ひよりちゃんの幸せそうな顔が見られてラッキーかも」
進君と桜庭くんが柔和な笑顔で私に話しかける。私はそんなに顔にでているんだろうかと恥ずかしくなり下を向いた。
「進、桜庭、すごく可愛いだろう?俺の妹は」
兄が口角をあげて誇らしげに言い、私の頭をぽんぽん、と撫で始めた。嬉しいけれど、進君と桜庭君の前だとちょっと恥ずかしいかも……。
「そりゃあ可愛いですよ?だってひよりちゃん、モテますからね」
桜庭くんが、そうだよな、進、と彼に同意を求めると進君も頷いた。その矢先、部屋の空気が変わったと感じたのは私だけではないだろう。なんだろうこの嫌な感じは……。
「ひよりにまだ彼氏は必要ない。俺の大事な妹だから、そう易々と渡せない。たとえそれが進と桜庭であってもな」
トレードマークのメガネをクイっとあげて進君と桜庭君を交互にみる兄に彼らはたじろいでいる。もしかして、これが牽制なのかな……。
夕方になり進君と桜庭君が帰ることになったので、兄と一緒に彼らを見送った。その後、兄の部屋へ戻りグラスなどを片付けていると兄が私の隣に座った。
「進も桜庭も優良物件だと思うんだけれど、俺はまだ妹離れできなくて……ごめんな?」
私の頭にポン、と手を置いて困ったように笑う兄。お兄ちゃんが誰かにとられちゃうかも!なんて思っていたけれど、私を大事に思っていてくれることは確かだと実感した。
「お兄ちゃん、明日は午前練習のみでしょう?午後、お兄ちゃんと一緒にショッピングしたいわ」
満面の笑みで、勿論、と返事をしてくれる兄をみて、私には当分彼氏はいらないわと感じた夏の午後だった。
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