西へ
「一松兄さん、トッティとどこか行かないの?」
バイトの5日間が終わった次の次の日。
十四松が声をかけてきた。
なるほど、続けて何かをしていたときより急に辞めたときのほうが人は気になるものなのか。
「今日は、というかもう行かないよ。」
「今までどこ行ってたのー?」
「猫に餌やったり。」
「む。」
十四松は顎に手を当てて何かを考えている。
まあおそらく、おれが適当にはぐらかしたことに気付いてどう返事すべきか迷っているといったところか。
普段あんまりはぐらかしたりしないしな、おれ。
特に十四松相手になんて、そんな必要なかったし。
「…そっか。」
「うん。」
十四松は色々迷って理解したような返事をした。
そのままふすまを開けて下へ降りていった。
数分後。
「一松兄さーん、トッティに聞いたよー!」
「えっ。」
勢いよくふすまが開く。
さっきの思い詰めたような様子は一切なく、
軽やかに部屋に入ってきた。
その後ろにはトド松もいる。
「猫に餌あげるだけであんな時間かかんないよねって十四松兄さんが聞いてきたんだけど一松兄さん説明不足すぎー。」
「いや、だって。」
「大丈夫だよ、十四松兄さん、今度ボクとジム行くし。そのあとパフェ食べるし。」
「「ねー。」」
「えっ聞いてないんだけど。」
「言ってないもん。」
「「ねー。」」
「一松兄さん、5日間も働けたんだね、すごいね。」
「まあ…。」
「あ、でも十四松兄さん、他の兄さんたちにはあんまり言わないでね。色々面倒くさそうだし。」
「らじゃー!!」
まあとにかく、おれの下手くそなはぐらかしがややこしい事態を招かなくて助かった。
そもそも気付いたのが十四松で良かった。
クソ松とは会話しないとしても他の二人は…考えただけで面倒くさい。
大阪まであと3日。
正確には2日後の夜には出発。
あと2回寝たら出発ってこと?
じゃあ、もう寝ようかな。
バイトの5日間が終わった次の次の日。
十四松が声をかけてきた。
なるほど、続けて何かをしていたときより急に辞めたときのほうが人は気になるものなのか。
「今日は、というかもう行かないよ。」
「今までどこ行ってたのー?」
「猫に餌やったり。」
「む。」
十四松は顎に手を当てて何かを考えている。
まあおそらく、おれが適当にはぐらかしたことに気付いてどう返事すべきか迷っているといったところか。
普段あんまりはぐらかしたりしないしな、おれ。
特に十四松相手になんて、そんな必要なかったし。
「…そっか。」
「うん。」
十四松は色々迷って理解したような返事をした。
そのままふすまを開けて下へ降りていった。
数分後。
「一松兄さーん、トッティに聞いたよー!」
「えっ。」
勢いよくふすまが開く。
さっきの思い詰めたような様子は一切なく、
軽やかに部屋に入ってきた。
その後ろにはトド松もいる。
「猫に餌あげるだけであんな時間かかんないよねって十四松兄さんが聞いてきたんだけど一松兄さん説明不足すぎー。」
「いや、だって。」
「大丈夫だよ、十四松兄さん、今度ボクとジム行くし。そのあとパフェ食べるし。」
「「ねー。」」
「えっ聞いてないんだけど。」
「言ってないもん。」
「「ねー。」」
「一松兄さん、5日間も働けたんだね、すごいね。」
「まあ…。」
「あ、でも十四松兄さん、他の兄さんたちにはあんまり言わないでね。色々面倒くさそうだし。」
「らじゃー!!」
まあとにかく、おれの下手くそなはぐらかしがややこしい事態を招かなくて助かった。
そもそも気付いたのが十四松で良かった。
クソ松とは会話しないとしても他の二人は…考えただけで面倒くさい。
大阪まであと3日。
正確には2日後の夜には出発。
あと2回寝たら出発ってこと?
じゃあ、もう寝ようかな。