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泥酔りとるぶらざーず

「あー、一松潰れちゃった。」

6人揃った居間の真ん中には机に突っ伏した一松がいた。

「んもー、だえー?いちまちゅにーしゃんちゅぶしたの。」
「お前も大概だぞトド松。一松連れて寝にいけ。」
「んえーおもいのにー。」
「はあ。じゃあ僕連れて行くよ。一松、起きれる?」
「あー!らめらめぇ、ボクがいくもん!」
「…ごめん十四松、二人についてくれない?」
「あいあーい!」
「いちまちゅにーしゃー、おーきーてー!きゃはは!」

トド松はぐしゃぐしゃと雑に一松を揺さぶった。
最初はびくともしなかった一松だが、
数回大きく揺さぶられた後、
トド松の肩を持って立ち上がった。

「うぅ…ねみぃ…」
「ボクがねにつれてってあげゆからね!しゅっぱーつ!!」

ふたりがかりでもよたよたと歩く二人の後を、
そっと十四松がついて部屋を出た。

「トッティ酔いすぎだなー。」
「一松より酔っ払ってるかもね。」

危なっかしい背中を兄3人で見守りながら、
再び晩酌を再開した。


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どさ。
一松とトド松があらかじめ敷かれていた布団になだれ込む。
一松は何と間違えたのか、
一緒になだれ込んだトド松を背中から抱き締めた。
そして顔をうなじに擦り付けたのだった。

「あったかい…」
「んふふいちまちゅにーしゃんくしゅぐったいよぉ。」

トド松はパタパタと一松を叩いたがびくともしない。
そもそも抱きつかれているトド松も満更ではなさそうだった。
一方、無事に酔っ払いを布団へ送り届けた十四松は、
酔っ払いどもの奇行に小さくため息をつき、
踵を返そうとしていた。

「あぅ、じゅーしまちゅにーしゃ、こっちきてぇ。」

呂律の全く回ってないトド松の声が十四松を引き止めた。

「なあに、トッティ。」
「いっしょにねよー?」
「わ。」

トド松にほとんど体重をかけられるような形で、
ぐいと手を引かれた十四松は、
酔っ払い二人と同じように布団になだれ込んだ。

「んふ、ねるときはめじゅらしーくみあわせでしょ。ふたりともいっつもはしっこだしー。」

トド松と十四松は向き合い、
十四松はトド松の頭をやわやわと撫でた。

「トッティ飲みすぎ。」
「そんなことなーい。」
「あるよ。気持ち悪くない?」
「うん、だいじょーぶ。」
「そか。よしよし。」
「ん…ねこ…ねこちゃ…」
「あは、いちまちゅにーしゃ、ボクのことねこちゃんだとおもってる。」
「トッティかわいいもんね。」
「やったー。」

えへへ、とふにゃふにゃ笑うトド松の頭を、
十四松は自分の胸の中へ収納した。
頭を抱えるようにしてぽんぽんとあやすと、
おやすみ、とその頭に呟いた。
数分後、すうすうと規則正しい寝息が聞こえたので、
十四松は下に降りて晩酌への再参加を検討したが、
あまりにもこの状況から離れがたく思ったため、
自らも目を閉じて朝を待つことにしたのだった。

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「全然降りてこねえなと思ったら十四松も一緒に寝てんじゃん。」
「こんな団子になって。寒かったかな。」

そろそろ自分たちも寝るかと、
二階の自室へ上がってきた兄3人は弟たちの健やかな寝顔をなんとも微笑ましい気持ちで見ていた。
カラ松はそもそも掛けようともされていない布団をそっと3人に掛けた。

「オレたちどこで寝る?」
「おれたちもくっついて寝ちゃうかぁ〜。」
「絶対嫌。僕ソファで寝るから二人は適当に布団で寝て。」
「やだチョロちゃんつめたーい。カラ松はいつまで3人見てんだよ。」
「フッ、喋らないとかわいいなと思ってな。」
「…ハイ寝るよ寝るよ!」

各々が床につき、目を瞑る。
脳内は珍しく同じようなことを考えていたのだった。

(((混ざりてぇ…)))
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