ぼくは知ってるよ
てーきあつかなんなのか、
外は天気が悪くって、
ボクは体が重くてなーんにもする気が起きなかった。
こども部屋で大の字になってゴロゴロして、
スマホすらも投げ出して、
天井をじっと見つめていた。
寂しい?うーん、ちょっとそうかも。
すーっとふすまの開く音が聞こえた。
「トッティ!」
「んぅー、十四松兄さん。」
「おつかれですなー?」
「なーんかねー、体おもーい。」
十四松兄さんはボクの頭の横にきて正座をした。
ボクはずりずりと体を引きずって頭を十四松兄さんの膝の上に乗せた。
十四松兄さんの袖越しの手がボクの顔をムニムニと触る。
マッサージー!だってさ。
「十四松兄さーん。」
「あーい。」
「ねー、ボクの好きなとこ100個言って。」
「おっけーい!」
なんちゃって。
十四松兄さんの優しさに甘えに甘えてしまったけど、
こんなの十四松兄さんでも鬱陶しくてうんざりしちゃうよね。
とかなんとか考える前に快諾されてびっくりしちゃった。
「んふ、嘘だよ、うそ、ごめんね十四松兄さん。」
「ぼく言えるよ?トッティの好きなとこ500個。」
「いや100個だから!500!?言えるの!?」
「よゆー!」
ボクはなんだか恥ずかしくなって、
くるっと回って十四松兄さんのお腹に顔を押し付けた。
「まず一個目はこうやって甘えてくるとこ。」
「う。」
「んでおめめが黒目がちでかわいい、鼻が丸くてかわいい、口がちっさくてかわいい、ほっぺが柔らかくてかわいい、」
「んももも、もういいから!」
慌てて起き上がって十四松兄さんの口をふさぐ。
きっと今顔はまっかっか。
「むぐ。」
「ボク褒められ慣れてないの!」
「むぐぐぐ、」
ずっと喋り続けている十四松兄さんの口から手を話した。
「ぷは、元気になった?」
「う、うん…ありがとう十四松兄さん。」
「内面褒め足りてないんだけど大丈夫ー?」
「内面こそ褒められ慣れてないから聞いてられない!」
「いーーーっぱい好きなとこあるのに?」
「ぬぅ…」
そりゃ聞いてみたいけど。
自分が好きじゃないとことか好きでいてくれたりしたらボクちょっと正気でいられないかもしれない。
十四松兄さんのこと真っ直ぐ見れなくなっちゃうかも。
「あ!」
十四松兄さんが勢いよく立ち上がった。
ぱたぱたと短い距離を駆けて押し入れからなにやら紙の束を出してきた。
「これね、トッティの好きなとこのお手紙。」
「なにそれ。」
「トッティの好きなとこぜーんぶ書いてるよ。いつか渡そうと思ってたけど今日だった!」
「こ、こんなに?」
パッと見ただけでも10枚はある。
1枚も開く勇気がでないけど、
なんとなくぎっしり書かれているような、そんな気がする。
「また元気なくなったら読んで!ぼくが読んであげてもいいけど。」
「うぅー、十四松兄さん大好き。」
「え!!!!!ぼくも!!!!ぼくもトッティ大好き!!!!!」
「知ってるぅ…あぅ」
なんか胸のあたりがきゅうっとして、
悲しいような気持ちになっちゃって、
涙がぽろっと出てきた。
そこからは堰を切ったようにぼろぼろと止まらなくなった。
「トッティ!?泣かないで!?!?」
「ひっぐ、なんか、わがんないげどぉ、くるじぐでぇ、」
「苦しい!?トッティ苦しいの!?」
苦しいけど苦しいじゃないような。
泣きすぎて息もしづらくなってきて、
酸素が足んなくて頭もくらくらしてきた。
十四松兄さんの肩のあたりの布を引っ掴む。
そしたら十四松兄さんは背中を優しくとんとんしてくれた。
「だいじょーぶだよー。よしよし。」
「うぐ、うぅ、ひっく、」
「トッティはすっごく頑張ってるから。ぼくよーく知ってるよ。だから大丈夫だよ、ぼくがずっと味方だし。」
とんとん。
さすさす。
とんとん。
優しい十四松兄さんの手が背中を駆け巡る。
ゆっくりゆっくり落ち着いてきたボクは、
一度深く息を吸った。
吐くときにまだしゃっくりが出た。
「ひぅ、」
「あは、ちょっと落ち着いた?」
こくこくと首を縦に振る。
落ち着いてくると、久しぶりにこんなに号泣してしまったことが恥ずかしくなってきた。
目をこするフリをして顔を隠した。
ぽんぽん、と十四松兄さんの手がボクの頭に触れる。
「泣いて疲れたでしょ。お昼寝しよっか。」
午後2時。
窓の外はどんよりと曇っている。
ボクの体は確かにダル重くって、
横になって目を瞑ればすぐに眠れそうだった。
「うん、寝る。」
「お布団敷くね。」
十四松兄さんがわざわざ6人用のお布団を敷いてくれた。
ボクはそろそろと布団の間に挟まって、目を瞑る。
目の周りがぼわぼわする。
脳みその中の血液が揺れてぐちゅっとした。
大きく息を吸って吐いた。
今度はしゃっくりは出ない。
でも泣きすぎた後遺症でちょっとなんか頭が痛い。
「おやすみ。」
十四松兄さんが赤ちゃんをあやすようにボクのお腹をとんとんして、そのあと手を握ってくれた。
大きな安心感に包まれながら、
ボクは眠りに落ちたのだった。
外は天気が悪くって、
ボクは体が重くてなーんにもする気が起きなかった。
こども部屋で大の字になってゴロゴロして、
スマホすらも投げ出して、
天井をじっと見つめていた。
寂しい?うーん、ちょっとそうかも。
すーっとふすまの開く音が聞こえた。
「トッティ!」
「んぅー、十四松兄さん。」
「おつかれですなー?」
「なーんかねー、体おもーい。」
十四松兄さんはボクの頭の横にきて正座をした。
ボクはずりずりと体を引きずって頭を十四松兄さんの膝の上に乗せた。
十四松兄さんの袖越しの手がボクの顔をムニムニと触る。
マッサージー!だってさ。
「十四松兄さーん。」
「あーい。」
「ねー、ボクの好きなとこ100個言って。」
「おっけーい!」
なんちゃって。
十四松兄さんの優しさに甘えに甘えてしまったけど、
こんなの十四松兄さんでも鬱陶しくてうんざりしちゃうよね。
とかなんとか考える前に快諾されてびっくりしちゃった。
「んふ、嘘だよ、うそ、ごめんね十四松兄さん。」
「ぼく言えるよ?トッティの好きなとこ500個。」
「いや100個だから!500!?言えるの!?」
「よゆー!」
ボクはなんだか恥ずかしくなって、
くるっと回って十四松兄さんのお腹に顔を押し付けた。
「まず一個目はこうやって甘えてくるとこ。」
「う。」
「んでおめめが黒目がちでかわいい、鼻が丸くてかわいい、口がちっさくてかわいい、ほっぺが柔らかくてかわいい、」
「んももも、もういいから!」
慌てて起き上がって十四松兄さんの口をふさぐ。
きっと今顔はまっかっか。
「むぐ。」
「ボク褒められ慣れてないの!」
「むぐぐぐ、」
ずっと喋り続けている十四松兄さんの口から手を話した。
「ぷは、元気になった?」
「う、うん…ありがとう十四松兄さん。」
「内面褒め足りてないんだけど大丈夫ー?」
「内面こそ褒められ慣れてないから聞いてられない!」
「いーーーっぱい好きなとこあるのに?」
「ぬぅ…」
そりゃ聞いてみたいけど。
自分が好きじゃないとことか好きでいてくれたりしたらボクちょっと正気でいられないかもしれない。
十四松兄さんのこと真っ直ぐ見れなくなっちゃうかも。
「あ!」
十四松兄さんが勢いよく立ち上がった。
ぱたぱたと短い距離を駆けて押し入れからなにやら紙の束を出してきた。
「これね、トッティの好きなとこのお手紙。」
「なにそれ。」
「トッティの好きなとこぜーんぶ書いてるよ。いつか渡そうと思ってたけど今日だった!」
「こ、こんなに?」
パッと見ただけでも10枚はある。
1枚も開く勇気がでないけど、
なんとなくぎっしり書かれているような、そんな気がする。
「また元気なくなったら読んで!ぼくが読んであげてもいいけど。」
「うぅー、十四松兄さん大好き。」
「え!!!!!ぼくも!!!!ぼくもトッティ大好き!!!!!」
「知ってるぅ…あぅ」
なんか胸のあたりがきゅうっとして、
悲しいような気持ちになっちゃって、
涙がぽろっと出てきた。
そこからは堰を切ったようにぼろぼろと止まらなくなった。
「トッティ!?泣かないで!?!?」
「ひっぐ、なんか、わがんないげどぉ、くるじぐでぇ、」
「苦しい!?トッティ苦しいの!?」
苦しいけど苦しいじゃないような。
泣きすぎて息もしづらくなってきて、
酸素が足んなくて頭もくらくらしてきた。
十四松兄さんの肩のあたりの布を引っ掴む。
そしたら十四松兄さんは背中を優しくとんとんしてくれた。
「だいじょーぶだよー。よしよし。」
「うぐ、うぅ、ひっく、」
「トッティはすっごく頑張ってるから。ぼくよーく知ってるよ。だから大丈夫だよ、ぼくがずっと味方だし。」
とんとん。
さすさす。
とんとん。
優しい十四松兄さんの手が背中を駆け巡る。
ゆっくりゆっくり落ち着いてきたボクは、
一度深く息を吸った。
吐くときにまだしゃっくりが出た。
「ひぅ、」
「あは、ちょっと落ち着いた?」
こくこくと首を縦に振る。
落ち着いてくると、久しぶりにこんなに号泣してしまったことが恥ずかしくなってきた。
目をこするフリをして顔を隠した。
ぽんぽん、と十四松兄さんの手がボクの頭に触れる。
「泣いて疲れたでしょ。お昼寝しよっか。」
午後2時。
窓の外はどんよりと曇っている。
ボクの体は確かにダル重くって、
横になって目を瞑ればすぐに眠れそうだった。
「うん、寝る。」
「お布団敷くね。」
十四松兄さんがわざわざ6人用のお布団を敷いてくれた。
ボクはそろそろと布団の間に挟まって、目を瞑る。
目の周りがぼわぼわする。
脳みその中の血液が揺れてぐちゅっとした。
大きく息を吸って吐いた。
今度はしゃっくりは出ない。
でも泣きすぎた後遺症でちょっとなんか頭が痛い。
「おやすみ。」
十四松兄さんが赤ちゃんをあやすようにボクのお腹をとんとんして、そのあと手を握ってくれた。
大きな安心感に包まれながら、
ボクは眠りに落ちたのだった。
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