初期短編
就寝前、ほどよい微睡みが自然に来るまでの時間、
トド松はうつ伏せでスマホをいじることが日課だった。
ちょうど真ん中辺りにいるトド松からすると、
両隣から重なって聞こえる複数の寝息は心地よいものだった。
自分以外は全員寝たようだ、ボクも寝よう、としたとき右隣から肩を突かれた。
「トド松、あのさ、この間の動画の続き見よ。」
全員寝たと思っていたトド松は慌てて右を見たが、
そこには目の冴えたおそ松がいただけだった。
「みんな寝たんじゃない?また怒られるよー。」
「静かに見りゃいいでしょ、はやくはやく。」
おそ松が完全に動画を見る用に肩を密着させてきたため、
トド松はしぶしぶ動画アプリを開く。
「えっと、どこまで見たっけ。」
「貸してみ。…あ、これこれ!」
イヤホンを片耳づつ共有し、
動画に集中しだしたそのときだった。
トド松は自分の尻に違和感を感じた。
「おそ松兄さん、まさかなんだけど。」
「なんだよー、集中してんだけど?」
「いやそんなまさかなんだけど、ボクのお尻触ってるでしょ」
「俺が?弟の尻を?まっさか!」
白々しい回答とは裏腹に、おそ松の左手には力が入る。
「痛いって!」
「ちょ、うるさいうるさい。」
声を荒らげてはいけないという前提を注意され、
少しバツが悪くなったトド松はとりあえず黙った。
かといって尻の違和感が無くなったわけではない。
力が抜かれた手が逆に気持ち悪く表面を撫でる。
「カラ松じゃない?」
「そんな訳ないでしょ。どんだけ手長いのカラ松兄さん。」
ニヒヒと笑うおそ松に呆れたトド松は無視をすることにした。
声を荒らげてツッコむのは今の時間では適切でない。
明日、絶対他の兄さんたちに言いふらしてやろう。
そう決意したトド松は依然として尻に違和感を抱えながらも動画に集中したのだった。
トド松はうつ伏せでスマホをいじることが日課だった。
ちょうど真ん中辺りにいるトド松からすると、
両隣から重なって聞こえる複数の寝息は心地よいものだった。
自分以外は全員寝たようだ、ボクも寝よう、としたとき右隣から肩を突かれた。
「トド松、あのさ、この間の動画の続き見よ。」
全員寝たと思っていたトド松は慌てて右を見たが、
そこには目の冴えたおそ松がいただけだった。
「みんな寝たんじゃない?また怒られるよー。」
「静かに見りゃいいでしょ、はやくはやく。」
おそ松が完全に動画を見る用に肩を密着させてきたため、
トド松はしぶしぶ動画アプリを開く。
「えっと、どこまで見たっけ。」
「貸してみ。…あ、これこれ!」
イヤホンを片耳づつ共有し、
動画に集中しだしたそのときだった。
トド松は自分の尻に違和感を感じた。
「おそ松兄さん、まさかなんだけど。」
「なんだよー、集中してんだけど?」
「いやそんなまさかなんだけど、ボクのお尻触ってるでしょ」
「俺が?弟の尻を?まっさか!」
白々しい回答とは裏腹に、おそ松の左手には力が入る。
「痛いって!」
「ちょ、うるさいうるさい。」
声を荒らげてはいけないという前提を注意され、
少しバツが悪くなったトド松はとりあえず黙った。
かといって尻の違和感が無くなったわけではない。
力が抜かれた手が逆に気持ち悪く表面を撫でる。
「カラ松じゃない?」
「そんな訳ないでしょ。どんだけ手長いのカラ松兄さん。」
ニヒヒと笑うおそ松に呆れたトド松は無視をすることにした。
声を荒らげてツッコむのは今の時間では適切でない。
明日、絶対他の兄さんたちに言いふらしてやろう。
そう決意したトド松は依然として尻に違和感を抱えながらも動画に集中したのだった。