白いハプニング
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渋滞は思った以上に長引き山道を抜ける頃には辺りはより一層闇が濃くなっていた。
そんな闇の中少し遠くに木々の隙間から控えめな灯りが見えた。
「あれじゃない?」
シャルナークの声にクロロは顔を上げた。
「ようやくだな」
「随分時間かかっちゃったね。3、4時間で着くと思ったんだけどな」
シャルナークは少し不満気な声をあげた。
「渋滞は仕方がない」
「お腹空いたし今日滑るのは無理かもね」
クロロはパタンと読んでいた本を閉じた。
車がゆっくりと停まった先に現れたのは落ち着いた佇まいの本館だった。
「チェックインしてくるね」
「あぁ、頼む」
シャルナークがドアを開けると車内には一気に冷気が入り込んだ。
「寒っ」
シャルナークは首を屈めながら本館へと走って行った。
しばらくして戻って来たシャルナークの手にはカードキーが3つ握られていた。
運転席へ座ると軽く頭の雪を払った。
「案内は断っちゃった。部屋の電話で要件言えば良いみたい」
「そうか」
シャルナークはクロロへ鍵を渡すと後ろへ振り返った。
「みんな起きて。着いたよ」
マチはパチッと目を開きフィンクスは大きく欠伸をしながら伸びた。
ミユはスマホを閉じるとイヤホンを抜いた。
それをフェイタンは視界の片隅で見ていた。
「はい、これ鍵」
シャルナークはマチとフィンクスに鍵を渡した。
「鍵?」
ミユが聞き返すとマチはドアを開け外へ出た。
「寒い!!」
ミユの体が縮こまる。
フェイタンも二列目の座席を倒すと外へ出た。
「おい、ミユも早く外へ出ろ」
フィンクスの声にミユは戸惑いながらドアを開けて外へ出た。
はらはらと絶え間なく雪が降っておりミユは空を見上げた。
「ンーーーッ」
フィンクスは両手を上げ思いっきり伸びをした。
「やっぱ後ろせめぇ。帰りはミユ交換してくれよ」
「いいけど……」
ミユは上の空でポツリと答えた。
「行くよー」
シャルナークの声に視線を移すとみんなすでに歩き始めていた。
ミユは急いで駆け寄るとマチの隣に並んだ。
「はい、これあんたの荷物」
マチは手提げバッグをミユへ渡した。
「何これ」
「着替えとか。適当に入れといたから」
「あ、ありがとう…」
ミユは訳もわからず受け取った。
本館から続く雪を纏った石畳を抜けた先には庭園を囲むように3棟の離れが佇んでいた。
それぞれ独立した造りで専用の露天風呂が備わっている。
「離れって3棟だけ?」
「うん。事実上貸切だね」
マチの問いかけにシャルナークが笑みを浮かべた。
「ミユとマチは奥の部屋使いな。フィンクスとフェイタンはここね」
シャルナークは石燈籠に近い棟を指差した。
「おう」
「食事はオレと団長の部屋に集合ね」
フィンクスは軽く手を上げるとフェイタンと一番手前の棟へと入って行った。
少し歩くとクロロは扉の方へと進んだ。
「オレ達はここだから。じゃ、また後ほど」
「分かった」
二人と別れたマチとミユは一番奥にある棟へと進んだ。
鍵を開け入ってみると外の冷気とは対照的に柔らかな暖かさがふわりと二人を包み込んだ。
「あったかい」
心からの声が漏れた。
間接照明に落とされた室内は淡い光に包まれていた。
深い色の木の温もりを感じさせる落ち着いた色合いで統一されており和の趣を残しながらも洗練されたモダンな空間だった。
正面には低めのソファと小ぶりのテーブルが置かれその奥には壁一面の窓があった。
ガラス越しには綺麗に手入れのされた庭園に次から次へと降り注ぐ雪がライトに照らされとても幻想的で綺麗だった。
「いい部屋だね」
マチは荷物を置くと窓のところまで歩いて行った。
外には休憩できる椅子が二脚と岩で出来た露天風呂があった。
「先にお風呂入ろっか」
マチは振り返りながら言った。
ミユも窓辺に立つと
「うん」
と言った。
「一応シャルに連絡しとくか」
マチはスマホを操作し始めた。
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