昼夜と共に
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待ち合わせをした橋を渡り横断歩道を渡るとすれ違う人の量も格段に増えていく。
歩道に面した店も多くたくさんの人で賑わっていた。
5分ほど歩くと竹下通りの入り口へと2人は来ていた。
そこには待ち合わせをする人、アーチ装飾やモニターに映る自分たちを撮影する人などでごった返しておりその横からは次から次へと吸い込まれるように人が入っていく様子を見てフェイタンは不快な表情を浮かべていた。
「ここ行くのか?」
『そうだよ』
ミユはフェイタンとは真逆の表情で答えた。
「ムリね」
『大丈夫だって。皆んな止まってないでしょ?歩けてる証拠。脇のお店とか入らないから行こ』
「店入らないなら何しにココ行くか?」
『クレープ食べるんだよ』
「は?」
フェイタンは心底意味がわからないと言う表情でミユを見た。
『日本で初めて食べ歩き用の紙クレープを販売した由緒正しい老舗があるんだよ』
「残念、ワタシ甘い食べ物苦手ね」
『大丈夫!甘くないクレープもあるから』
ニコニコと見つめてくるミユにフェイタンは根負けしてしまい大きくため息をつくと重い足を一歩踏み出した。
超絶に不機嫌なオーラを発していたからかフェイタンは人とぶつかる事はなく意外にもスムーズに歩くことが出来た。
道の両脇にはカプセルトイ、洋服、雑貨、カラフルな綿あめなどが売られていてとても賑わっていた。
しばらく歩くと列ができている場所があった。
通り過ぎようとしたところでミユに呼び止められる。
『フェイタン、ここだよ』
振り向くと赤を基調とした外観に赤と白のストライプのオーニングが目に入った。
そして壁には数十種類のクレープがディスプレイされていた。
「並ぶのか?」
『意外とすぐだよ』
なんの躊躇いもなく並ぶその隣にフェイタンはまた大きくため息を吐くと並んだ。
待っている間にはほのかに甘いいい香りが漂っていた。
メニュー表を見ながらミユはフェイタンに問いかける。
『何にする?』
フェイタンは下段にディスプレイされてある数種類のスナッククレープを順に目で追った。
「ツナチーズ」
『美味しいよねツナチーズ』
ニッコニコな笑顔のミユにフェイタンはディスプレイから視線を移した。
「食たことあるか?」
『あるよ、もちろん!』
「甘いものしか食わない思てたね」
フェイタンは本気で驚いたというより少し揶揄うように語尾を和らげた。
『何それ〜確かに甘い方が好きだけどたまに食べたくなるんだよね甘くないクレープ』
ミユはフェイタンが選んだスナッククレープが並んでいるディスプレイに目を向けた。
『てりやきチキンも美味しそうだね。チリペッパーは辛そう』
「辛いの嫌いか?」
『嫌いというか苦手かな。カレーも甘口だし』
「ハハ、やぱりお子ちゃまね」
細められた目をミユは少し不満気に見た。
『ひど〜でも、わさびは食べられるようになったんだよ。わさびが入ったお寿司美味しい』
「なら、夜は寿司食いに行くか?」
『うん!』
ミユは満面の笑みを浮かべた。
「次の方どうぞ」
気がつけば自分たちの番になっていた。
『ツナチーズ1つと、いちごバナナチョコスペシャル1つお願いします』
注文した直後見なくてもフェイタンの表情が分かるような気がしたが実際に振り返ってみると想像した通りの呆れた表情でミユはクスッと笑ってしまった。
クレープを受け取った2人は路地へ少し入ったところで食べ始めた。
高温で焼き上げられたクレープ生地は外はパリッとしているが中はその反面もちっとしていてほのかに甘くスナッククレープにも甘いクレープにも良く合った。
『美味しい!』
苺と生クリームを頬張ったミユを見ながらフェイタンは自分のクレープを少し横から齧った。
『美味しい?』
問いかけてくるミユの口元にはクリームが付いていた。
「フッ、ついてるね」
フェイタンは親指でクリームを拭った。
その行動にミユは顔が赤くなるのが分かった。
『ごめん』
急いでバッグからティッシュを取り出すとフェイタンの指を覆うように拭いた。
「食べるか?」
『いいの?』
赤い顔を上げ聞き返すとフェイタンはミユの方へクレープを差し出した。
『ありがとう』
ミユはニッコリ笑うと自分が食べる部分を指で千切り口の中に入れた。
その行動を見たフェイタンは少し眉間に皺が寄る。
『これも美味しい』
シャキッとしたレタスに程よく温められた濃厚なクリームチーズが溶けマヨネーズと和えてあるツナとよく合った。
フェイタンは少し不満そうにミユを見つめた。
「……?食べる?』
少し戸惑いながら聞くとフェイタンは小さく頷いた。
驚きながらもミユは千切ってあげようかと思ったが自分の手が触れるのもどうかと思いフェイタンの方へクレープを差し出した。
フェイタンは差し出されたクレープにがぶりとかぶりついた。
その行動にミユは驚き目を見開いた。
「やぱり甘すぎるね」
フェイタンはまた自分のクレープを齧った。
ミユはフェイタンの齧った部分を見つめながら間接キスになってしまうなと思いながらも生クリームとバナナを小さく口に含んだ。
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