昼夜と共に
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雲が緩やかに流れるよく晴れた日の午前10時50分頃ミユは原宿駅前でタクシーを降りた。
人の流れに沿って橋へ向かうと神宮橋と書かれているすぐ横の植木の下の壁に寄りかかりながら携帯をいじるフェイタンが目に入った。
黒いTシャツに黒いズボン、黒いマスクに黒いキャップを被っていた。
ミユは口元が弛むのが自分でも分かった。
『お待たせ』
小走りに歩み寄るとフェイタンは顔を上げ携帯電話をポケットへしまった。
「雰囲気違い過ぎないか?」
『そう?普段からドレス着てるわけじゃないよ』
ミユは笑みを浮かべながら顔にかかる風で流れてきた髪の毛を耳にかけた。
フェイタンの目にはゆったりとした深いVネックのニットにダメージ加工が施されたジーンズのショートパンツ姿のミユが映っていた。
髪はストレートでレースアップサンダルを履いている。
『フェイタンだっていつもと随分違く見えるけど』
そう笑うミユにフェイタンの視線が止まる。
「ラーメンでいいか?」
『うん!』
ミユはフェイタンの左隣に並んだ。
同じ目線の高さに違和感を感じているように感じたミユは
『いつもは13センチヒール履いてるの』
と言った。
フェイタンは視線を下げ足元を見た。
今履いているサンダルの高さはせいぜい2、3センチといったところだった。
フェイタンは何も言わず視線を戻した。
歩いて5分ほどで目当てのラーメン屋へと着いた。
お店に入るとフェイタンはカウンターへと座った。
ミユも隣へ腰を下ろした。
備え付けてあるタブレットをフェイタンは慣れた様子で操作する。
ラーメンを選びチャーハンと餃子のセットを追加するとミユの方へタブレットを向けた。
『おすすめは?』
「醤油と豚骨どちが好きか?』
『んー両方好きだけど』
と悩んでいるとフェイタンはタブレットを指差した。
「豚骨醤油両方いいところ味わえるね」
『じゃ、それにする』
ニコッと笑うとミユはタブレットを押した。
そして2つのコップに水を入れると1つはフェイタンの前に置いた。
『午前中に待ち合わせとは思わなかったよ』
「なぜか?」
『だってフェイタンあんまりお昼のイメージないから』
そして小さく笑うと続けた。
『誘ってくる人だいたい夜だし』
水滴で曇ったグラスの水をミユは一口飲んだ。
そして店内を見渡した。
『フェイタンがこのお店好きなのって味だけじゃないでしょ』
「なぜそう思うか?」
『だってここの店員さん厨房含めてみんなマスクと手袋してるもん。汗も垂れないようにタオル巻いてるし』
ミユは少し自慢げにフェイタンを見た。
『フェイタンって潔癖でしょ。遊びに来てくれた時お酒作るのめっちゃ気使ってるもん』
「気を使う?」
『うん。お酒作るの誰よりも優先させてるし、作ってる最中は絶対話さないし、何より飲み物に蓋つけて出すのフェイタンだけだよ』
「あぁ」
乗せるだけの簡単なものだが確かにいつの頃からか蓋も一緒に出されていたことをフェイタンは思い出した。
「お待たせしました。ラーメン2つとチャーハン餃子セットです」
厨房からカウンターの台へ料理が乗せられた。
ミユは自分の前に置かれた器を両手で持つと自分の前に置いた。
フェイタンも同じように料理を自分で取った。
小皿に餃子のタレを入れるとミユへ声をかける。
「餃子食うか?」
『いいの?じゃあ一個もらうね』
フェイタンが入れたタレにつけるとミユはパクッと一口で口の中に入れた。
『熱っ!!』
ミユは急いで咀嚼し水を飲んだ。
「当たり前ね」
フェイタンは呆れたように笑った。
『熱いけど…美味しい』
「痩せ我慢か」
ハハと笑うとフェイタンも一口で頬張った。
『熱くないの?』
「どこかのお子ちゃまと違てワタシ猫舌違うよ」
むーと頬を膨らませたあとクスッと笑うとミユはレンゲでスープをすくった。
