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大切な存在【レサト】

そんなこんなをしているとレッドは、落ち着いたのかサトシを抱き締めていた腕をパッと離した。

「ごめんな、サトシ」

レッドはにっこりと笑うと、サトシはほっとしたのか満面の笑顔をレッドに見せた。

「やっと落ち着いた?レッドさん」
「なんとかな。もうそろそろ帰ろうか。母さんが心配するし」
「そうだね。もう暗くなるしね」

サトシはレッドをちらりと盗み見てからレッドの名を呼びかけた。

「レッドさん」
「ん~?」

レッドはサトシの方に振り向くと、サトシがレッドの頬に顔を近付け――軽くキスをした。
サトシの思わぬキスにレッドが身動き一つ取れずにいた時、サトシはレッドの耳元で「レッドさんが兄で良かった」と囁いた。もちろん顔を真っ赤に染めて。

サトシはボールを取り出し「みんな戻れ!」と叫ぶと開閉ボタンから赤い光線が飛び出しポケモン達の身体を包み込むとポケモン達はボールの中に戻って行く。
サトシがポケモン達をボールに戻していく中、ピカチュウだけがボール内に戻らずサトシの肩に飛び乗る。
その流れを呆然と見ていたレッドは慌てて空のボールを取り出しポケモン達をボールに戻した。

「サトシ、またやって?」
「い・や!それからあと数日したらオレ、シンオウに戻るから」

その言葉にレッドは驚いていたが、サトシが笑って「また帰ってくるよ。お兄ちゃん」と言ったため、レッドは溜息を吐いて優しい視線を送り「待ってるよ」とだけ呟いた。





今度帰ってきたら、この俺に似た可愛い弟を傍から放さずにいよう。  

・・・・・・大好きだよ、サトシ。


END
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