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僕の大事なトレーナー【ピカチュウ】

日が暮れるまで湖にいたが、タケシの声にサトシ達は顔を上げてタケシの方を見る。

「サトシ~、ヒカリ~、そろそろ帰るぞ!」
「え?もうそんな時間!?」
「もう少し居たいけど、仕方ないわね。みんな戻って」

ヒカリはタケシの言葉に頷き、ポケモン達にボールへ戻るように呼び掛けるとタケシの元に駆け出す。
サトシもポケモン達をボールに戻し、タケシとヒカリの元に駆け出そうとしたところで、水辺付近で足を滑らせて頭から湖に落ちてしまう。

「わっ!」
「「サトシ!」」
「ピィカ!」

ヒカリとタケシは湖に落ちたサトシを心配して駆け寄り、側にいたピカチュウは心配そうにじっと水面を見つめていると、暫くしてサトシが湖から顔を覗かせる。

「サトシ、大丈夫?」
「何ともないか?」
「ピィカチュウ」

タケシが湖に落ちたサトシを助け出すとヒカリが二人分のタオルを差し出し心配そうな様子でサトシに問いかけるが、サトシからの返答は何もない。

その様子にヒカリとタケシは不審に思い眉を寄せて、サトシの名を呼びかける。

「「サトシ?」」
「・・・・・・・・・」

サトシは痛みなど何も訴えずに無言でタケシに視線を向けると、タケシは小さく息を吐きサトシの側にゆっくりと近付き、怪我が無いか確かめる。

「どこも怪我はしてないな」
「ホントになにもない?」
「ああ。だが様子がおかしいのは事実だ」
「そうね。急いでサトシをポケモンセンターに連れて行きましょ」

タケシが率直に感じた事を告げればヒカリも同じ事を感じていたためか頷き、サトシを連れてポケモンセンターへ急ぐ。
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