昼の日差しが強くなる時刻、サトシ達はヒカリが行きたいと言っていた湖に来ていた。
太陽の日差しが湖の水面に反射してキラキラと輝き、あまりの美しい光景に感嘆の息を吐く。

「うわ～、すっごく綺麗～～！」
「ホントに綺麗だな！」
「ああ。こんなに素晴らしい光景はそうないだろうな」
「ピィカァ」

それぞれ今見ている光景の感想を述べ、ヒカリは胸の前で手を組んでうっとりと湖を見つめていた。

「こんなに綺麗な所、よく見つけたなあ。ヒカリ」
「それはこれのおかげよ！」

ヒカリはリュックの中から一冊の雑誌を取り出し、サトシとタケシに見せる。
ポケモンコーディネーターのための雑誌。その中にこの湖の特集が書かれていたそうだ。

「へえ。そんなのに、こんな綺麗な湖の事が載っていたのか」
「そうなのよ！」

得意気になって答えるヒカリにタケシが苦笑を浮かべて提案をする。

「とりあえず、ポケモン達にもこの素晴らしい湖を見せてやらないか？」
「「そうだな(ね)！」」

タケシの言葉にサトシとヒカリは頷き、モンスターボールを取り出しポケモン達をボールから出した。

「出てらっしゃい、みんな！」
「出てこい、お前達」

ヒカリとタケシが手持ちポケモンを出しているのを見て、サトシもモンスターボールを空に投げる。

「出てこい、みんな！一緒にこの景色、見ようぜ！」

サトシの言葉と共にポケモン達がボールから飛び出し、元気のいい鳴き声を上げる。

「ピカチュウ、みんなの所に行こうぜ！」

サトシが隣に佇むピカチュウに呼びかけるとピカチュウはコクリと頷き、他のポケモン達へ駆け寄るサトシにポケモン達は嬉しそうにサトシの側に集まる。

「みんな、どうだ？」

サトシが優しく聞くと、ポケモン達は湖に視線を移して、圧倒的な光景に瞳を輝かせる。

「綺麗だろ？」

サトシの言葉に、ポケモン達は頷き「本当だ」と言いたげな表情を浮かべていた。