ポケモンセンターの一室を借りていたサトシ達一行は、朝日が窓から部屋の中に降り注ぐ明るさに目を覚ます。

「ふぁあ、よく寝たなぁ。サトシ、起きろ～」

旅仲間の頼れるお兄さん的存在のタケシが、未だにベットの上で眠り続けているサトシに声をかけた。

「うう～～ん」

サトシの寝ぼけた声に、タケシはサトシが寝ているベットまで近付き、身体を揺さぶって起こす。

「おい、起きろ。朝だぞ」
「もう少し寝かせてくれよ～～」
「そうはいかんぞ。今日中にはここを出発しないといけないし。もう朝ご飯の時間だ」

タケシの「朝ご飯の時間だ」という言葉を聞き、ガバッと身を起こすサトシ。
食事の話をした途端、眠たさのあまりベッドに潜り込んでいたサトシの変わり身の早さに苦笑を浮かべるタケシと、いきなり身を起こしたサトシに驚き何度も瞬きをしてピカチュウは上目使いに主人を見上げた。

「おはよう、ピカチュウ」
「ピィカ！」

タケシの挨拶に元気よく挨拶を返すピカチュウを傍から見て、ハッとしたように二人を見るサトシ。

「タケシ、ピカチュウ、おはよう！」

満面の笑みを浮かべて挨拶をするとお腹が空いたのか「早く朝ご飯を食べに行こう」とタケシとピカチュウに促し、食堂へ向かうために部屋のドアを開けた。
先にサトシが部屋を出た所で、いつの間に来ていたのかヒカリがサトシ達の部屋の外で笑みを浮かべて待っていた。

「おはよう、サトシ、タケシ、ピカチュウ！」
「「おはよう！ヒカリ」」
「ピカ！」

サトシ達は挨拶を交わすと朝食を取るためにセンター内にある食堂に向かう。

☆★☆

朝食を取り、お腹いっぱいになったサトシ達は今後の事を相談する。

「ねえ、サトシ、タケシ。今日もここで一泊しない？」
「ん～？なんで？」
「何かあったのか？」
「えっとね、雑誌で見てたらこの辺りに綺麗な湖があるんだって！」
「へえ、それでヒカリはそれが見たいというわけだな？」
「湖かあ。オレも見てみたいな！」
「じゃあ、決まり！もう一泊してその湖を見てみましょうよ！！」
「「そうだな」」

そうして、サトシ達はもう一泊する事にした。