カントー編 1話
どれくらい進んだろうか。
辺りは霧に包まれ、ゴウとピカチュウはサトシの姿を見失った。
「サトシ!」
霧で視界が見えないことにゴウは足を止め、霧が晴れるのを待つようだ。一方ピカチュウは視界不良でもサトシから離れないと匂いを便りにサトシの跡を追う。
「ピ!」
匂いが濃くなったようで、ピカチュウは顔を上げ目を凝らす。すると、うっすらと人影が見え、視界が晴れるとサトシがおりジャンプし肩に飛び移った。その衝撃でサトシはピカチュウに気付いたようだ。
「ピカチュウ」
「ピカッ!」
僕を置いていかないでよと言うようにグリグリと額を擦り付けるピカチュウにごめんと言いされるがままになっている。
霧が晴れ、本来この場にいるはずのない、正確にはこのカロス地方の地下に蔓延る負の根を退治する役目を負っているサトシのポケモン、ゲッコウガがサトシの前に現れた。
「オレを呼んだの・・・お前だったんだな」
「コウッ」
懐かしむように笑みを浮かべたサトシは久しぶりに会えて嬉しいよとゲッコウガに抱き付く。ゲッコウガも大好きな主人と会えたことから抱擁を受け入れている。
「でもどうしたんだ?」
抱擁をしていたサトシがゲッコウガから離れ、オレを呼んでどうしたんだ?と質問するとゲッコウガはなんとも言えない顔を浮かべた。それは照れているともいうのだが。
「コウゥ」
サトシに会いたくて仕方がなかったんだと言えたらどれだけいいのか。ゲッコウガは恥ずかしさから言えずモジモジとしていた。
そんなゲッコウガの様子に全く気付くことなく、屈託なく笑うサトシはゲッコウガの言葉を代弁する。
「でも、オレも会いたかったんだ!」
サトシの言葉に目を見開き、次いで嬉しそうにはにかむゲッコウガ。そのやりとりをサトシの肩の上で見ていたピカチュウはギリィと歯軋りしそうだ。
そして、サトシはゲッコウガに会えたことでゴウにも紹介しようと思い立ち、ゲッコウガに声をかける。
「そういえば、オレ今さ。リサーチフェローをやってるんだ」
ゲッコウガは聞きなれない単語に首を傾げる。
「一緒にやってる奴を紹介するな!」
ゲッコウガの手を繋いで元来た道を戻ろうとしたサトシだったが、一瞬何もない空間を踏んだ気がした。
それと同時に、視界が暗転。
★☆★
目を開けると見知らぬ森の中。
手を繋いでいた感触に違和感を感じ、振り向くと驚愕した。
そこにいたのは、ゲッコウガではなく、進化前の姿。
小さな体のカエル。
ケロマツの姿がそこにあった。
辺りは霧に包まれ、ゴウとピカチュウはサトシの姿を見失った。
「サトシ!」
霧で視界が見えないことにゴウは足を止め、霧が晴れるのを待つようだ。一方ピカチュウは視界不良でもサトシから離れないと匂いを便りにサトシの跡を追う。
「ピ!」
匂いが濃くなったようで、ピカチュウは顔を上げ目を凝らす。すると、うっすらと人影が見え、視界が晴れるとサトシがおりジャンプし肩に飛び移った。その衝撃でサトシはピカチュウに気付いたようだ。
「ピカチュウ」
「ピカッ!」
僕を置いていかないでよと言うようにグリグリと額を擦り付けるピカチュウにごめんと言いされるがままになっている。
霧が晴れ、本来この場にいるはずのない、正確にはこのカロス地方の地下に蔓延る負の根を退治する役目を負っているサトシのポケモン、ゲッコウガがサトシの前に現れた。
「オレを呼んだの・・・お前だったんだな」
「コウッ」
懐かしむように笑みを浮かべたサトシは久しぶりに会えて嬉しいよとゲッコウガに抱き付く。ゲッコウガも大好きな主人と会えたことから抱擁を受け入れている。
「でもどうしたんだ?」
抱擁をしていたサトシがゲッコウガから離れ、オレを呼んでどうしたんだ?と質問するとゲッコウガはなんとも言えない顔を浮かべた。それは照れているともいうのだが。
「コウゥ」
サトシに会いたくて仕方がなかったんだと言えたらどれだけいいのか。ゲッコウガは恥ずかしさから言えずモジモジとしていた。
そんなゲッコウガの様子に全く気付くことなく、屈託なく笑うサトシはゲッコウガの言葉を代弁する。
「でも、オレも会いたかったんだ!」
サトシの言葉に目を見開き、次いで嬉しそうにはにかむゲッコウガ。そのやりとりをサトシの肩の上で見ていたピカチュウはギリィと歯軋りしそうだ。
そして、サトシはゲッコウガに会えたことでゴウにも紹介しようと思い立ち、ゲッコウガに声をかける。
「そういえば、オレ今さ。リサーチフェローをやってるんだ」
ゲッコウガは聞きなれない単語に首を傾げる。
「一緒にやってる奴を紹介するな!」
ゲッコウガの手を繋いで元来た道を戻ろうとしたサトシだったが、一瞬何もない空間を踏んだ気がした。
それと同時に、視界が暗転。
★☆★
目を開けると見知らぬ森の中。
手を繋いでいた感触に違和感を感じ、振り向くと驚愕した。
そこにいたのは、ゲッコウガではなく、進化前の姿。
小さな体のカエル。
ケロマツの姿がそこにあった。