第1夜~第7夜
ところ変わって、那田蜘蛛山で鬼、それも下弦の伍を倒した炭治郎はというと――産屋敷邸にいた。
炭治郎と禰豆子、水柱への隊律違反について話していると、鬼舞辻についての話が出たかと思えば、風柱が禰豆子の入った箱に自分の腕を切りつけ血を垂らし、その上、刀で箱ごと刺した。
だが、蛇柱の日の当たる場所では出るに出られない、日陰に行かなければという助言に風柱は屋敷の中に入り、二度三度と刀で禰豆子を切りつける。
そうして、傷つきながらもゆっくりと箱から出てきた禰豆子は荒い息をしながら、鬼としての本能と暗示の間で揺れていた。だが炭治郎の「禰豆子!」との呼びかけに暗示が本能を勝り、風柱の傷ついた腕からそっぽを向いた。
禰豆子の行動に信じられない思いの柱たち。お館様の言葉を遮るかのように柱たちの背後の池から水しぶきを上げ「何か」が飛び出した。柱たちの横を通り過ぎるとそのまままっすぐ突き進み、禰豆子にぶつかりそうになる。
禰豆子は何も反応できないまま、「何か」によって影の中へ引っ張られてしまった。それは一瞬の出来事。だがその一瞬で炭治郎は信じられない思いのまま最愛の妹の名を呼んだが、うんともすんともいわない。
その後、何分か経った頃、また水しぶきが上がる。柱たちは背後を振り返り、鞘に手をかけるがそこには一人の少年と黄色いネズミのような生き物が立っていた。
その少年は慌てたようにして、周りをキョロキョロと探したが見つからなかったようで目の前にいる人たちを前にきょとんと見た。
柱たちは急に表れた子供に鬼ではないが、池から急に現れたことで警戒する。だが、そんな大人ばかりの中、一人だけ違う様子を見せた人物がいた。そう、炭治郎だ。一度だけ浅草と呼ばれる場所で見かけた少年だったからだ。
「君は確か浅草にいた・・・」
ぽつり。
炭治郎は小さな声で呟いた。そして、思い出す。目の前の少年を見たことで、浅草で鬼化した男性が女性を襲った際、不思議な現象を起こし倒れたことを思い出した。それと同時に禰豆子を攫ったのが少年と一緒にいた紫紺色の何かと一緒だったのを。
「ピ!」
少年の肩に乗っていた黄色いネズミがクンクンッと鼻を鳴らし、何かの匂いを見つけたのかピョンと少年の肩から飛び降り柱たちの横を通り過ぎ、建物へと近づく。
柱たちは自分たちに見向きもせずにお館様へ近づく生き物に刀を抜こうとすると、生き物は躊躇いもなく建物に入り、畳をクンクンと嗅ぎながら「何か」と禰豆子が潜った影の前に立ち止まると、振り返り「ここにいる!」とばかりに少年へ呼びかける。
「ピカピ!」
少年は生き物の呼びかけに一歩足を踏み入れた途端、柱の一人煉獄が少年の前に立ち塞がる。
「少年!君はどこからやってきたのだ!!」
「へ?えっと・・・」
少年はどう答えようか悩むように視線をさ迷わせた。その様子を不審に思う。
「君は鬼ではないようだが、一般人でもなさそうだ」
スラリと刀を少年の顔面に向ける。それを離れた位置にいた黄色いネズミは、影を背にギリッと歯を食いしばりバチバチと赤い頬袋から静電気を放出している。さらに、その後ろからは陰から顔を覗かせている紫紺色の何か。
それは、ほんの一瞬。黄色いネズミはその場を駆け出し、影の中にいた何かは禰豆子と一緒に畳の上に現れ、禰豆子をその場に残し空を飛び少年に向かう。だが、紫紺色の何かはすぐに姿を消したかと思うと煉獄の前に現れ紅色の瞳を怪しく光られた。
「ゲェン!!」
「ピ!ピィカ・・・チュゥゥ」
黄色いネズミは縁側の淵まで駆け、大きくジャンプすると赤い頬からパチパチからバチバチと高エネルギーの電気を漏らし、煉獄に狙いを定めると電気を放つ。
紅色の目が怪しい光を消した頃、煉獄は顔を手で覆い一歩後ろに後退るとその背からは高エネルギーの電気が襲う。
「リオル、【しんくうは】」
「オル!」
少年は素早く腰ベルトからモンスターボールを出し、リオルと呼ばれた生き物を召喚したのと同時に【しんくうは】の指示を出すと、上空で電気と衝撃の波がぶつかり技が相殺される。
少年は紫紺色の何かを捕まえ、黄色い生き物が肩に着地したのを見て、注意をする。
「こらっ!ピカチュウ、ゲンガー、人に向けて攻撃しちゃだめだぞ!」
「ゲ・・・ゲェン」
「ピィカ」
少年に叱られ、しゅんと落ち込むような仕草をする2匹。その後、ふぅと息を吐くとにっこり笑ってお礼を言う。
「でも、二匹ともありがとな!」
「ゲンゲン!」
「ピッカァ!」
「それから・・・」
少年はゲンガーと呼ばれた紫紺色の身体を持つ生き物を放し、煉獄に向き直るとガバッと頭を下げる。
「あの!すみませんでした!!オレのポケモンたちがあなたに攻撃してしまって!」
謝罪をする少年をよそに、未だに混乱している様子の煉獄に少年は背負っているリュックを下ろし一つの果物を差し出す。それは干し柿のような見た目をした全く知らない果物だ。
「あの!これキーのみです!!こんらんが治ると思うのでどうぞ!」
少年は煉獄の手に干し柿のような果物――キーのみ――を乗せ、ぜひ食べて下さい!と笑顔で言う。その様子を見ていた柱たちは呆然とし、ピカチュウやゲンガー、リオルはお人好し過ぎる、でもそれがサトシだからと諦めたようにため息をつく。
そんな中、奥の畳の上に立っている禰豆子が視界に入る。遠目でも分かる怪我の状態。着物に血がべったりと付いていて、肌にも刀傷が数か所あるようだ。
少年は波動を使ったら治せることはわかっているが、今さっき反転世界でのやり取りを思い出し考え込んでしまう。そんな少年の考えが分かっているかのように腰ベルトから一つポンッと軽い開閉音と共にベビーピンクの身体をした生き物が飛び出してきた。
「ミュミュ!ミュウ!(サトシ!僕に任せてね!)」
少年が動くより先に自分が動くとばかりにサトシの目の前で胸をポンッと叩くと、柱たちを飛び越え縁側の近くまで来ると、くるんと一回転するとベビーピンク色の身体が白い光に包まれ、姿形が変わっていく。
「チリーン」
風鈴のような姿になった生き物はきれいな鳴き声を辺りに響き渡らせる。それと同時に【いやしのはどう】が発動したようで禰豆子の傷口がみるみるうちに塞がっていく。それは、近くにいた炭治郎も同じだ。骨折などの大きな怪我までは治っていないようだが、小さな外傷はみるみるうちに治っていく。
その光景をサトシと呼ばれた少年以外は信じられないとばかりに驚きで固まった。
【あとがき】
ここまで読んでいただきありがとうございました!
ミュウを手持ちにさせていただきました。この世界で変身を使えるポケモンがいるといいなということで波動の勇者の中にいるミュウがお仲間に!
反転世界のオーキド研究所はこれから話の中ででてくるといいな。
では!
炭治郎と禰豆子、水柱への隊律違反について話していると、鬼舞辻についての話が出たかと思えば、風柱が禰豆子の入った箱に自分の腕を切りつけ血を垂らし、その上、刀で箱ごと刺した。
だが、蛇柱の日の当たる場所では出るに出られない、日陰に行かなければという助言に風柱は屋敷の中に入り、二度三度と刀で禰豆子を切りつける。
そうして、傷つきながらもゆっくりと箱から出てきた禰豆子は荒い息をしながら、鬼としての本能と暗示の間で揺れていた。だが炭治郎の「禰豆子!」との呼びかけに暗示が本能を勝り、風柱の傷ついた腕からそっぽを向いた。
禰豆子の行動に信じられない思いの柱たち。お館様の言葉を遮るかのように柱たちの背後の池から水しぶきを上げ「何か」が飛び出した。柱たちの横を通り過ぎるとそのまままっすぐ突き進み、禰豆子にぶつかりそうになる。
禰豆子は何も反応できないまま、「何か」によって影の中へ引っ張られてしまった。それは一瞬の出来事。だがその一瞬で炭治郎は信じられない思いのまま最愛の妹の名を呼んだが、うんともすんともいわない。
その後、何分か経った頃、また水しぶきが上がる。柱たちは背後を振り返り、鞘に手をかけるがそこには一人の少年と黄色いネズミのような生き物が立っていた。
その少年は慌てたようにして、周りをキョロキョロと探したが見つからなかったようで目の前にいる人たちを前にきょとんと見た。
柱たちは急に表れた子供に鬼ではないが、池から急に現れたことで警戒する。だが、そんな大人ばかりの中、一人だけ違う様子を見せた人物がいた。そう、炭治郎だ。一度だけ浅草と呼ばれる場所で見かけた少年だったからだ。
「君は確か浅草にいた・・・」
ぽつり。
炭治郎は小さな声で呟いた。そして、思い出す。目の前の少年を見たことで、浅草で鬼化した男性が女性を襲った際、不思議な現象を起こし倒れたことを思い出した。それと同時に禰豆子を攫ったのが少年と一緒にいた紫紺色の何かと一緒だったのを。
「ピ!」
少年の肩に乗っていた黄色いネズミがクンクンッと鼻を鳴らし、何かの匂いを見つけたのかピョンと少年の肩から飛び降り柱たちの横を通り過ぎ、建物へと近づく。
柱たちは自分たちに見向きもせずにお館様へ近づく生き物に刀を抜こうとすると、生き物は躊躇いもなく建物に入り、畳をクンクンと嗅ぎながら「何か」と禰豆子が潜った影の前に立ち止まると、振り返り「ここにいる!」とばかりに少年へ呼びかける。
「ピカピ!」
少年は生き物の呼びかけに一歩足を踏み入れた途端、柱の一人煉獄が少年の前に立ち塞がる。
「少年!君はどこからやってきたのだ!!」
「へ?えっと・・・」
少年はどう答えようか悩むように視線をさ迷わせた。その様子を不審に思う。
「君は鬼ではないようだが、一般人でもなさそうだ」
スラリと刀を少年の顔面に向ける。それを離れた位置にいた黄色いネズミは、影を背にギリッと歯を食いしばりバチバチと赤い頬袋から静電気を放出している。さらに、その後ろからは陰から顔を覗かせている紫紺色の何か。
それは、ほんの一瞬。黄色いネズミはその場を駆け出し、影の中にいた何かは禰豆子と一緒に畳の上に現れ、禰豆子をその場に残し空を飛び少年に向かう。だが、紫紺色の何かはすぐに姿を消したかと思うと煉獄の前に現れ紅色の瞳を怪しく光られた。
「ゲェン!!」
「ピ!ピィカ・・・チュゥゥ」
黄色いネズミは縁側の淵まで駆け、大きくジャンプすると赤い頬からパチパチからバチバチと高エネルギーの電気を漏らし、煉獄に狙いを定めると電気を放つ。
紅色の目が怪しい光を消した頃、煉獄は顔を手で覆い一歩後ろに後退るとその背からは高エネルギーの電気が襲う。
「リオル、【しんくうは】」
「オル!」
少年は素早く腰ベルトからモンスターボールを出し、リオルと呼ばれた生き物を召喚したのと同時に【しんくうは】の指示を出すと、上空で電気と衝撃の波がぶつかり技が相殺される。
少年は紫紺色の何かを捕まえ、黄色い生き物が肩に着地したのを見て、注意をする。
「こらっ!ピカチュウ、ゲンガー、人に向けて攻撃しちゃだめだぞ!」
「ゲ・・・ゲェン」
「ピィカ」
少年に叱られ、しゅんと落ち込むような仕草をする2匹。その後、ふぅと息を吐くとにっこり笑ってお礼を言う。
「でも、二匹ともありがとな!」
「ゲンゲン!」
「ピッカァ!」
「それから・・・」
少年はゲンガーと呼ばれた紫紺色の身体を持つ生き物を放し、煉獄に向き直るとガバッと頭を下げる。
「あの!すみませんでした!!オレのポケモンたちがあなたに攻撃してしまって!」
謝罪をする少年をよそに、未だに混乱している様子の煉獄に少年は背負っているリュックを下ろし一つの果物を差し出す。それは干し柿のような見た目をした全く知らない果物だ。
「あの!これキーのみです!!こんらんが治ると思うのでどうぞ!」
少年は煉獄の手に干し柿のような果物――キーのみ――を乗せ、ぜひ食べて下さい!と笑顔で言う。その様子を見ていた柱たちは呆然とし、ピカチュウやゲンガー、リオルはお人好し過ぎる、でもそれがサトシだからと諦めたようにため息をつく。
そんな中、奥の畳の上に立っている禰豆子が視界に入る。遠目でも分かる怪我の状態。着物に血がべったりと付いていて、肌にも刀傷が数か所あるようだ。
少年は波動を使ったら治せることはわかっているが、今さっき反転世界でのやり取りを思い出し考え込んでしまう。そんな少年の考えが分かっているかのように腰ベルトから一つポンッと軽い開閉音と共にベビーピンクの身体をした生き物が飛び出してきた。
「ミュミュ!ミュウ!(サトシ!僕に任せてね!)」
少年が動くより先に自分が動くとばかりにサトシの目の前で胸をポンッと叩くと、柱たちを飛び越え縁側の近くまで来ると、くるんと一回転するとベビーピンク色の身体が白い光に包まれ、姿形が変わっていく。
「チリーン」
風鈴のような姿になった生き物はきれいな鳴き声を辺りに響き渡らせる。それと同時に【いやしのはどう】が発動したようで禰豆子の傷口がみるみるうちに塞がっていく。それは、近くにいた炭治郎も同じだ。骨折などの大きな怪我までは治っていないようだが、小さな外傷はみるみるうちに治っていく。
その光景をサトシと呼ばれた少年以外は信じられないとばかりに驚きで固まった。
【あとがき】
ここまで読んでいただきありがとうございました!
ミュウを手持ちにさせていただきました。この世界で変身を使えるポケモンがいるといいなということで波動の勇者の中にいるミュウがお仲間に!
反転世界のオーキド研究所はこれから話の中ででてくるといいな。
では!