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第1夜~第7夜

ポケモン世界では、カントー地方クチバシティ、サクラギ研究所内で一人の少年が塞ぎ込んでいた。
そして、塞ぎ込んでいる少年を心配して研究所所長の娘であり幼馴染の少女が少年に近づき、おずおずと声をかける。

「・・・ゴウ」
「・・・なんだよ。コハル」
「サトシが心配なのは分かるけど、ゴウが塞ぎ込んでばかりいるとポケモン達も塞ぎ込んじゃうんだよ!!

「・・・・・・そうだな」
「ラビ」

少女――コハルが塞ぎ込んでいる少年――ゴウに喝を入れる様に声をかけるが、ゴウは上の空の様子で返事を返すだけ。また、その様子を傍らにいるゴウの相棒であるラビフットが垂れ下がっている耳を更に下げて心配そうに相棒を見るが、ゴウにはラビフットの様子が視界に入っていないようだ。
ゴウが塞ぎ込む原因となったのは、所長により任命された特別研究員「リサーチフェロー」として一緒に活動していたパディのサトシが数日前に開かれたガラル地方のとある町でポケモンワールドチャンピオンシップス決勝戦を観戦するためにガラルに行き、見知らぬポケモンを求めワイルドエリアに行った時だ。
大会開始時間が迫り、ゴウは席を確保するため会場に向かい、サトシはワイルドエリアで気になったものがありゴウと別行動をした。そして、その日を境にサトシが行方不明になった。
ゴウはその日、サトシと別行動した事を後悔している。

「サトシ・・・お前・・・今、どこにいるんだよ」

元気がないゴウは窓から見える青空を見つめ、ぽつりと呟く。

☆★☆

所変わって同じカントー地方、マサラタウンにあるオーキド研究所では——
数日前から行方不明になった少年のポケモン達は、研究所の庭を踏み荒らす勢いであちこち走り回っているモノもいれば、トレーナーと一緒に行動していなかったばかりに今どこにいるかも分からないと後悔し自主練に明け暮れているモノもいる。
そして、サトシ大好きなメスポケモンといえば――

「ベェェイィィィ!ベェェェ!!(サァァトォォシィィィィ!何処にいるのぉぉぉ!!)」

目に涙を貯めて必死に探し回るトレーナーに恋するポケモン、ベイリーフは大声で叫び声を上げている。
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