番外編
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「ぶぇっくしょいッア〜〜〜!!」
親父レベルの盛大なくしゃみ、止まることのない鼻水、眼球を取り出して丸洗いしたくなる衝動に駆られる程の痒み、手放せないマスクと箱ティッシュ…お分かりだろうか。私は絶賛花粉症にやられているのだ。
「もうちょい女らしいくしゃみできねぇのか〜?」
「当真しか居らんからええねん」
私は今、日直の仕事である日誌を書いているところだ。当真は家まで送るから、と律儀に待ってくれている。ということで、今教室には私と当真しかいない。当真には今更猫をかぶることもないし、大いに素が出せる。良い意味で油断しきっているからこんなくしゃみができるのだが、当真は面白くなさそうな顔をしていた。
「あ〜…下向いてたら鼻水やばいわほんま…」
「ったくよぉ…毎度毎度大変だなぁ、花粉症持ちは」
何だかんだ言いつつ私の鞄を漁ってティッシュを出してくれるあたり、私の扱いに慣れてきているし気が利いている。軽くお礼を言ってから鼻をかみ、また日誌作業へと戻る。当真は日誌を見ているのが飽きたのか、途中から携帯をいじってだらだらとしていた。
「は〜終わった〜」
「お疲れさん」
「待っててくれてありがとぉな」
「いいってことよ」
「あ、帰りにスーパー寄ってもええ?」
「お〜いいぜ〜」
確かうちの必需品の食パンと卵がもう無かったはずだ。他にも色々買いたいし、当真へ待っててくれたお礼に何か買いたい。当真はバナナ好きだし、その辺のスイーツがいいかな。それともバナナシェイクとか飲み物がいいかな。
「あれ?当真も何か買うん?」
スーパーに着き、買い物カゴを二つ手に取る当真。一つを私に、もう一つは自分が使うようだ。いつも軽く何か買うことはあるが、カゴまで持って買うのは珍しい。
「ちょっとな〜」
「ふーん…」
あまり深く考えず、自分の買いたいものをほいほいカゴに入れていく。当真は早々にバナナを手に取っていて思わず笑ってしまった。
「ほんまにバナナ好きやなぁ」
「お前も好きだろ?」
「大好き〜」
「よしよし」
えらく満足げな当真に首を傾げつつ、買い物を進める。新商品のお菓子が美味しそうだとか、あれが美味しいこれはいまいちだとか、そんな話をしながらスーパーの中を回る当真との買い物は楽しい。今まで何度も学校帰りやボーダーの仕事帰りに一緒に来ている。だからか、当真の好みは大体分かるし、私の好みも当真はきっとなんとなく分かっている。理解してくれているというのは、幸せなことだ。
「今日はありがとうな〜。はい、これ」
家に着き、お礼に買った物を渡す。迷った末、飲み物とスイーツどちらも買ってしまった。当真は「おっ、さんきゅ〜」と機嫌よく受け取ってくれた。任務終了、と満足していると、ズイッと当真が持っていたスーパーの袋を私に差し出してきた。よく分からず袋と当真を交互に見る。
「これやるからちゃんと食えよ?」
「え?…え?」
「花粉症にはバナナとヨーグルトが良いんだってよ」
「さっき調べた」と笑う当真。携帯をいじっている姿を見たのは教室だけだったから、あの時調べていたのだろう。確かに当真の買った物は私の好きそうな物ばかりだったし、バナナとヨーグルト以外にも色々と入っている。当真の優しさや自分の事をちゃんと考えてくれているという事がひしひしと伝わってきた。
「あ、ありがと…」
「おう」
照れくさくて、むずむずした感覚でいっぱいな私は、そっぽを向いてお礼を言うので精一杯だった。でもやっぱり嬉しいものは嬉しいし、今まで殺意しか抱いていなかった花粉に初めて感謝したのは当真には内緒だ。
◆◇◆◇◆◇◆
キリ番リクエストより「連載の夢主さんの酷い花粉に心配する当真」でした。
紫苑さん、素敵なリクエストありがとうございました!私も現在花粉症に悩まされている万年花粉症マンなのでとても書きやすかったです。
お話が理想と違っていたらすみません…!
また何かあればよろしくお願いします!
親父レベルの盛大なくしゃみ、止まることのない鼻水、眼球を取り出して丸洗いしたくなる衝動に駆られる程の痒み、手放せないマスクと箱ティッシュ…お分かりだろうか。私は絶賛花粉症にやられているのだ。
「もうちょい女らしいくしゃみできねぇのか〜?」
「当真しか居らんからええねん」
私は今、日直の仕事である日誌を書いているところだ。当真は家まで送るから、と律儀に待ってくれている。ということで、今教室には私と当真しかいない。当真には今更猫をかぶることもないし、大いに素が出せる。良い意味で油断しきっているからこんなくしゃみができるのだが、当真は面白くなさそうな顔をしていた。
「あ〜…下向いてたら鼻水やばいわほんま…」
「ったくよぉ…毎度毎度大変だなぁ、花粉症持ちは」
何だかんだ言いつつ私の鞄を漁ってティッシュを出してくれるあたり、私の扱いに慣れてきているし気が利いている。軽くお礼を言ってから鼻をかみ、また日誌作業へと戻る。当真は日誌を見ているのが飽きたのか、途中から携帯をいじってだらだらとしていた。
「は〜終わった〜」
「お疲れさん」
「待っててくれてありがとぉな」
「いいってことよ」
「あ、帰りにスーパー寄ってもええ?」
「お〜いいぜ〜」
確かうちの必需品の食パンと卵がもう無かったはずだ。他にも色々買いたいし、当真へ待っててくれたお礼に何か買いたい。当真はバナナ好きだし、その辺のスイーツがいいかな。それともバナナシェイクとか飲み物がいいかな。
「あれ?当真も何か買うん?」
スーパーに着き、買い物カゴを二つ手に取る当真。一つを私に、もう一つは自分が使うようだ。いつも軽く何か買うことはあるが、カゴまで持って買うのは珍しい。
「ちょっとな〜」
「ふーん…」
あまり深く考えず、自分の買いたいものをほいほいカゴに入れていく。当真は早々にバナナを手に取っていて思わず笑ってしまった。
「ほんまにバナナ好きやなぁ」
「お前も好きだろ?」
「大好き〜」
「よしよし」
えらく満足げな当真に首を傾げつつ、買い物を進める。新商品のお菓子が美味しそうだとか、あれが美味しいこれはいまいちだとか、そんな話をしながらスーパーの中を回る当真との買い物は楽しい。今まで何度も学校帰りやボーダーの仕事帰りに一緒に来ている。だからか、当真の好みは大体分かるし、私の好みも当真はきっとなんとなく分かっている。理解してくれているというのは、幸せなことだ。
「今日はありがとうな〜。はい、これ」
家に着き、お礼に買った物を渡す。迷った末、飲み物とスイーツどちらも買ってしまった。当真は「おっ、さんきゅ〜」と機嫌よく受け取ってくれた。任務終了、と満足していると、ズイッと当真が持っていたスーパーの袋を私に差し出してきた。よく分からず袋と当真を交互に見る。
「これやるからちゃんと食えよ?」
「え?…え?」
「花粉症にはバナナとヨーグルトが良いんだってよ」
「さっき調べた」と笑う当真。携帯をいじっている姿を見たのは教室だけだったから、あの時調べていたのだろう。確かに当真の買った物は私の好きそうな物ばかりだったし、バナナとヨーグルト以外にも色々と入っている。当真の優しさや自分の事をちゃんと考えてくれているという事がひしひしと伝わってきた。
「あ、ありがと…」
「おう」
照れくさくて、むずむずした感覚でいっぱいな私は、そっぽを向いてお礼を言うので精一杯だった。でもやっぱり嬉しいものは嬉しいし、今まで殺意しか抱いていなかった花粉に初めて感謝したのは当真には内緒だ。
◆◇◆◇◆◇◆
キリ番リクエストより「連載の夢主さんの酷い花粉に心配する当真」でした。
紫苑さん、素敵なリクエストありがとうございました!私も現在花粉症に悩まされている万年花粉症マンなのでとても書きやすかったです。
お話が理想と違っていたらすみません…!
また何かあればよろしくお願いします!
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