【M】会えない距離じゃないのに
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「…桜庭、大丈夫?」
『…うん、大丈夫。まだ、もうちょっと…』
翔たちの話を聞いていたかったのか、
松本くんと、こうしていたい、なのか。
その時の私は、何も考えられなかった。
「でも、櫻井には彼女が…」
「わかってる。だから、どうしていいかわからないんだよ。」
「櫻井…。」
「あいつのことは大好きだし、大切に想ってる。けど、松本が好きって感情が…」
こんなことで、同じ感情になるなんて。
私と翔は、似ていたのかもしれない。
…私も、同じ状況だった。
翔の事は大好きだし、本当に大切な存在。
けど、いつからか恋愛の対象は…
「なんか、ごめん…。」
『なんで松本くんが謝るの?』
「だって、姉貴が…」
そういって私の手を強く握る松本くん。
私の…好きな人。
私も強く握り返す。
『…ねえ松本くん。』
「…ん?」
『今日…一緒に帰れる?』
そういうと、松本くんは少し戸惑ったように見えたけど、
すぐ優しく笑ってくれた。
「…いいよ。帰ろっか。」
『部活…』
「今日くらい大丈夫だよ。それに…今は桜庭のそばにいてあげたい。」
『ありがとう…。』
少し照れ臭いようなセリフでも、スマートに言えてしまう松本くん。
どちらかと言えばスマートというより男らしい翔とは、意外と正反対にいるような人。
なのに、どうして好きになったのか。
私たちはつないだ手をそのままに、二人で歩いて学校を出た。
下校中、私と翔の関係を知る人がちらほら不思議そうにこちらを見ていたけど、あまり気にならなかった。
そりゃ、多少の罪悪感はある。
けど、翔も同じ気持ちだったんだからっていう小さな言い訳を抱えていた私には、そんなに大したことではなかったのだ。
でも、こころというものは意外と素直で。
『…はあ。』
「大丈夫?ちょっとそこの公園のベンチすわろっか。」
『うん、ごめんね。』
「いいから。飲み物買ってくるね。」
私を近くの公園のベンチに座らせて、松本くんは自販機までジュースを買いに行ってくれた。
自販機と松本くん、飲み物と松本くん。
今日のお昼もこんな組み合わせあったなあ、なんて。
今回は自分の分含めて2本だったから、両手に持って小走りで戻ってくる松本くん。
『ふふ、手伝おうか?』
「いらねえよ。2本は持てる。笑」
『そっか。ありがとね。』
「ん。」
少しネタにしながら笑う私たち。
今なら、さっきの事も笑い話に出来る気がした。
『まっさか、翔が松本くんのお姉さんが好きだなんてねえ。』
「…実は姉貴もさ、前から櫻井先輩のこと気になってたぽくて。」
『…ええ、そうだったんだ…。』
新事実まで発覚してしまった。
「桜庭っていう彼女がいることは百も承知だったらしいけどな…。」
『まあ…翔が私と付き合ってくれてた方が奇跡なんだけどね。』
「それでも、薄々気づいてたのにこんなんなって、本当にごめん。」
『だから、松本くんが謝ることじゃないよ。それに…』
それに、翔や松本くん、お姉さんが悪いわけじゃない。
私だって。
「俺だって…」
『?』
「俺だって、櫻井先輩がいんのに桜庭のこと…」
松本くんは持っていた水を飲み干し、
「好きに…なっちゃったし…。」
少し顔を赤らめながらそう言ってくれた。
私もじんわり自分の顔が熱くなるのを感じていた。
『…なっちゃったなんて、言わないでよ。』
「でも…」
『私だって、いつのまにか、松本くんの事好きになってた。』
「…え。」
『…え?』
自分の想いを伝えると、予想外の反応が返ってくる。
「桜庭が…俺の事、好き?」
『う、うん…』
「まじか…俺、全然相手にされてないのかと思ってた…。」
本当にびっくりしてる松本くんを見て、笑ってしまう。
『ふふ、そんなにびっくりしなくても。』
「…じゃあ、俺も姉貴も、二人が好きだったんだ。」
『それもそうだけど、私と翔も松本姉弟が好きだったんだよ。』
「なんか、変な感じだな。」
『私と翔が恋人じゃなかったら、いい組み合わせなんだけどね…。』
そう、この4画関係で一番悪いのは私と翔。
幸い、二人とも他に好きな人がいるっていうところ。
取り合う人がいないのが、唯一の救い。
「…あのさ、櫻井先輩と…いや、こんなん言う事じゃないよな。」
『…別れるよ。翔もお姉さんの事が好きで、私も松本くんの事が好きなんだもん。お互いちゃんと話し合って別れた方が、すっきりするし。』
このまま付き合ってるほうがなんのメリットもない。
「ごめんな、こんなこと言わせて。」
『ううん、私の問題だから。』
「俺の問題でもあるんだよ。
…俺の彼女になってほしいから。」
私は、その言葉を待っていたのかもしれない。
翔と別れる決心がついた。
『…うん、私も、松本くんと一緒にいたい。
翔も、お姉さんと幸せになってほしい。』
「…WIN・WINだな。」
『そうなるといいね。』
そして、松本くんは、私にキスをした。
とっても幸せな時間だった。
けど、その間に私たちの転機はすでに訪れていた。
翔たちをずっと見守っていれば、あんなことにはならなかったのだから。
『…うん、大丈夫。まだ、もうちょっと…』
翔たちの話を聞いていたかったのか、
松本くんと、こうしていたい、なのか。
その時の私は、何も考えられなかった。
「でも、櫻井には彼女が…」
「わかってる。だから、どうしていいかわからないんだよ。」
「櫻井…。」
「あいつのことは大好きだし、大切に想ってる。けど、松本が好きって感情が…」
こんなことで、同じ感情になるなんて。
私と翔は、似ていたのかもしれない。
…私も、同じ状況だった。
翔の事は大好きだし、本当に大切な存在。
けど、いつからか恋愛の対象は…
「なんか、ごめん…。」
『なんで松本くんが謝るの?』
「だって、姉貴が…」
そういって私の手を強く握る松本くん。
私の…好きな人。
私も強く握り返す。
『…ねえ松本くん。』
「…ん?」
『今日…一緒に帰れる?』
そういうと、松本くんは少し戸惑ったように見えたけど、
すぐ優しく笑ってくれた。
「…いいよ。帰ろっか。」
『部活…』
「今日くらい大丈夫だよ。それに…今は桜庭のそばにいてあげたい。」
『ありがとう…。』
少し照れ臭いようなセリフでも、スマートに言えてしまう松本くん。
どちらかと言えばスマートというより男らしい翔とは、意外と正反対にいるような人。
なのに、どうして好きになったのか。
私たちはつないだ手をそのままに、二人で歩いて学校を出た。
下校中、私と翔の関係を知る人がちらほら不思議そうにこちらを見ていたけど、あまり気にならなかった。
そりゃ、多少の罪悪感はある。
けど、翔も同じ気持ちだったんだからっていう小さな言い訳を抱えていた私には、そんなに大したことではなかったのだ。
でも、こころというものは意外と素直で。
『…はあ。』
「大丈夫?ちょっとそこの公園のベンチすわろっか。」
『うん、ごめんね。』
「いいから。飲み物買ってくるね。」
私を近くの公園のベンチに座らせて、松本くんは自販機までジュースを買いに行ってくれた。
自販機と松本くん、飲み物と松本くん。
今日のお昼もこんな組み合わせあったなあ、なんて。
今回は自分の分含めて2本だったから、両手に持って小走りで戻ってくる松本くん。
『ふふ、手伝おうか?』
「いらねえよ。2本は持てる。笑」
『そっか。ありがとね。』
「ん。」
少しネタにしながら笑う私たち。
今なら、さっきの事も笑い話に出来る気がした。
『まっさか、翔が松本くんのお姉さんが好きだなんてねえ。』
「…実は姉貴もさ、前から櫻井先輩のこと気になってたぽくて。」
『…ええ、そうだったんだ…。』
新事実まで発覚してしまった。
「桜庭っていう彼女がいることは百も承知だったらしいけどな…。」
『まあ…翔が私と付き合ってくれてた方が奇跡なんだけどね。』
「それでも、薄々気づいてたのにこんなんなって、本当にごめん。」
『だから、松本くんが謝ることじゃないよ。それに…』
それに、翔や松本くん、お姉さんが悪いわけじゃない。
私だって。
「俺だって…」
『?』
「俺だって、櫻井先輩がいんのに桜庭のこと…」
松本くんは持っていた水を飲み干し、
「好きに…なっちゃったし…。」
少し顔を赤らめながらそう言ってくれた。
私もじんわり自分の顔が熱くなるのを感じていた。
『…なっちゃったなんて、言わないでよ。』
「でも…」
『私だって、いつのまにか、松本くんの事好きになってた。』
「…え。」
『…え?』
自分の想いを伝えると、予想外の反応が返ってくる。
「桜庭が…俺の事、好き?」
『う、うん…』
「まじか…俺、全然相手にされてないのかと思ってた…。」
本当にびっくりしてる松本くんを見て、笑ってしまう。
『ふふ、そんなにびっくりしなくても。』
「…じゃあ、俺も姉貴も、二人が好きだったんだ。」
『それもそうだけど、私と翔も松本姉弟が好きだったんだよ。』
「なんか、変な感じだな。」
『私と翔が恋人じゃなかったら、いい組み合わせなんだけどね…。』
そう、この4画関係で一番悪いのは私と翔。
幸い、二人とも他に好きな人がいるっていうところ。
取り合う人がいないのが、唯一の救い。
「…あのさ、櫻井先輩と…いや、こんなん言う事じゃないよな。」
『…別れるよ。翔もお姉さんの事が好きで、私も松本くんの事が好きなんだもん。お互いちゃんと話し合って別れた方が、すっきりするし。』
このまま付き合ってるほうがなんのメリットもない。
「ごめんな、こんなこと言わせて。」
『ううん、私の問題だから。』
「俺の問題でもあるんだよ。
…俺の彼女になってほしいから。」
私は、その言葉を待っていたのかもしれない。
翔と別れる決心がついた。
『…うん、私も、松本くんと一緒にいたい。
翔も、お姉さんと幸せになってほしい。』
「…WIN・WINだな。」
『そうなるといいね。』
そして、松本くんは、私にキスをした。
とっても幸せな時間だった。
けど、その間に私たちの転機はすでに訪れていた。
翔たちをずっと見守っていれば、あんなことにはならなかったのだから。