【M】会えない距離じゃないのに
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「じゃあ、ホームルーム終わりまーす。」
帰りのホームルームが終わる。
それぞれが部活や帰る準備をする中、
松本くんは2年の女の子に呼び止められていた。
『あの人…マネージャーの…。』
サッカー部のマネージャー。
翔と同じクラスの先輩だった。
なんで松本くんに話しかけてるんだろう、と
少しの好奇心で聴き耳を立てる。
「ねえねえ、松本くん。」
「…はい?」
「松本くんって櫻井の彼女が好きなの?」
『…!?』
予想もしてなかった内容に私はさっとその場を離れる。
…けど、まだ声が聞こえる場所に。
「…なんでそんなこと。」
「さっきこの子からメールきたんだよね。」
さっと腕を掴んでいたその子は、さっき松本くんの消しゴムを盗ろうとした子だった。
あの先輩マネと繋がってたってことだ。
「ねえ、この際告っちゃえば?」
「別に関係ないでしょ。」
「関係なくないんだな~。その方がお互い好都合なのよ。」
「好都合…?」
その話だけで何が言いたいかを悟る。
きっと、あの人は翔が好きなんだ。
私が翔と別れて松本くんと付き合えば、自分が翔と…
なんて意地汚い考え方。
人に行動させる前に、自分が翔に告白でもなんでもすればいいのに。
『松本くん、一緒に帰ろ。』
「…桜庭?」
「あ、あなたが櫻井の…」
『彼女です。翔が好きなら翔に言ってください。』
「ふうん…」
何かを考えるようにしていた先輩をよそに、
私は松本くんを引っ張った。
『いこ?』
「あ…うん。」
少し不思議そうな松本くんの手を取りながら
私は靴箱へ向かった。
『…って、ごめん。部活とかあるんだっけ?』
何も考えずにつれてきてしまったけど、そういえば松本くんは野球部。
今日も部活とかあるはずだよね…。
「そう、だね。部活だわ。」
『だよね…私ったら。』
「いや、ありがと。桜庭来てなかったらめんどくさいことになってただろうし…助かったわ。」
『いやいや、私の彼氏の事で迷惑かけたくないしね。』
「なんか、最近桜庭に助けられる事多い気がするわ。」
『それは思う。笑』
そんな話をしながら、私は翔と待ち合わせていたことを思い出す。
『やばいやばい。翔と帰る約束してたんだった。』
「あ、ごめんな。時間取らせて。」
『ううん、私が勝手にしたことだから…』
私はそう言いながら靴箱から自分の靴を取る。
松本くんも靴箱に手を伸ばす。
『あれ、部活の準備しなくていいの?』
「うん、部活のバッグは教室に置いたまんまだけど、部室にも呼びあるから今日はそれでいいや。教室戻ってあの人らいるのも嫌だし。」
『おお…さすがだね。』
「だから、外まで一緒行こ。」
『…うん。』
また、少し嬉しがってる自分。
抑えようとしても、口角が上がってしまっている。
だめだめ、今日は翔と帰れる日だし。
なかなか翔と帰れる日なんてないんだから。
もう少し先には校門。
もう翔は先に来てるのかな…。
なんて、思ってた時。
私と松本くんが、一番見たくない光景が目に入る。
『…翔?』
「姉貴?」
校門で待つ翔に、松本くんのお姉さんが駆け寄る。
なんだか嫌な予感がした私たちは目を合わせて
黙ってその光景を見続けた。
翔はお姉さんを手を取る。
そして、二人で駆け足で校舎裏へ走っていくのが見えた。
『……なんかさ、嫌な予感しちゃうんだけど。』
「……俺が言うのもなんだけど、そんな気する。」
追いかけるべきなのか、深追いしないべきなのか。
私は迷っていた。
そんな私を見計らったのか、松本くんも同じように私の手を取った。
「でもさ、見ないとわかんないじゃん。」
そういうと、二人を追いかけるように走り出した。
そういえばさっき、私もこうやって松本くんを連れ出したっけ。
なんてことを考えながら、握られた手を見つめていた。
さっきは何も考えてなかったけど、今こうしてみると
なんだか恥ずかしい。
「やべ、いた。」
『…見つからないようにしなきゃね。』
2人に追いついた私たちは、校舎の曲がり角でこっそりのぞき見をした。
…私と松本くんの手は、繋がれたまま。
翔とお姉さんの手も。
聞こえてくる会話に耳をひそめた。
「…櫻井?」
「俺も…言わなきゃなんないことがある。」
「…なに?」
「俺…松本が好き。」
『…!!』
「…まじかよ。」
当然、私はショックを受けた。
翔は私の彼氏だし、私は翔の事が大好き。
…なのに、私は松本くんと手をつないでいて…
ドキドキしているまま。
この鼓動は、動揺、悲しみ、ドキドキ…
どの鼓動かも分からなかった。
帰りのホームルームが終わる。
それぞれが部活や帰る準備をする中、
松本くんは2年の女の子に呼び止められていた。
『あの人…マネージャーの…。』
サッカー部のマネージャー。
翔と同じクラスの先輩だった。
なんで松本くんに話しかけてるんだろう、と
少しの好奇心で聴き耳を立てる。
「ねえねえ、松本くん。」
「…はい?」
「松本くんって櫻井の彼女が好きなの?」
『…!?』
予想もしてなかった内容に私はさっとその場を離れる。
…けど、まだ声が聞こえる場所に。
「…なんでそんなこと。」
「さっきこの子からメールきたんだよね。」
さっと腕を掴んでいたその子は、さっき松本くんの消しゴムを盗ろうとした子だった。
あの先輩マネと繋がってたってことだ。
「ねえ、この際告っちゃえば?」
「別に関係ないでしょ。」
「関係なくないんだな~。その方がお互い好都合なのよ。」
「好都合…?」
その話だけで何が言いたいかを悟る。
きっと、あの人は翔が好きなんだ。
私が翔と別れて松本くんと付き合えば、自分が翔と…
なんて意地汚い考え方。
人に行動させる前に、自分が翔に告白でもなんでもすればいいのに。
『松本くん、一緒に帰ろ。』
「…桜庭?」
「あ、あなたが櫻井の…」
『彼女です。翔が好きなら翔に言ってください。』
「ふうん…」
何かを考えるようにしていた先輩をよそに、
私は松本くんを引っ張った。
『いこ?』
「あ…うん。」
少し不思議そうな松本くんの手を取りながら
私は靴箱へ向かった。
『…って、ごめん。部活とかあるんだっけ?』
何も考えずにつれてきてしまったけど、そういえば松本くんは野球部。
今日も部活とかあるはずだよね…。
「そう、だね。部活だわ。」
『だよね…私ったら。』
「いや、ありがと。桜庭来てなかったらめんどくさいことになってただろうし…助かったわ。」
『いやいや、私の彼氏の事で迷惑かけたくないしね。』
「なんか、最近桜庭に助けられる事多い気がするわ。」
『それは思う。笑』
そんな話をしながら、私は翔と待ち合わせていたことを思い出す。
『やばいやばい。翔と帰る約束してたんだった。』
「あ、ごめんな。時間取らせて。」
『ううん、私が勝手にしたことだから…』
私はそう言いながら靴箱から自分の靴を取る。
松本くんも靴箱に手を伸ばす。
『あれ、部活の準備しなくていいの?』
「うん、部活のバッグは教室に置いたまんまだけど、部室にも呼びあるから今日はそれでいいや。教室戻ってあの人らいるのも嫌だし。」
『おお…さすがだね。』
「だから、外まで一緒行こ。」
『…うん。』
また、少し嬉しがってる自分。
抑えようとしても、口角が上がってしまっている。
だめだめ、今日は翔と帰れる日だし。
なかなか翔と帰れる日なんてないんだから。
もう少し先には校門。
もう翔は先に来てるのかな…。
なんて、思ってた時。
私と松本くんが、一番見たくない光景が目に入る。
『…翔?』
「姉貴?」
校門で待つ翔に、松本くんのお姉さんが駆け寄る。
なんだか嫌な予感がした私たちは目を合わせて
黙ってその光景を見続けた。
翔はお姉さんを手を取る。
そして、二人で駆け足で校舎裏へ走っていくのが見えた。
『……なんかさ、嫌な予感しちゃうんだけど。』
「……俺が言うのもなんだけど、そんな気する。」
追いかけるべきなのか、深追いしないべきなのか。
私は迷っていた。
そんな私を見計らったのか、松本くんも同じように私の手を取った。
「でもさ、見ないとわかんないじゃん。」
そういうと、二人を追いかけるように走り出した。
そういえばさっき、私もこうやって松本くんを連れ出したっけ。
なんてことを考えながら、握られた手を見つめていた。
さっきは何も考えてなかったけど、今こうしてみると
なんだか恥ずかしい。
「やべ、いた。」
『…見つからないようにしなきゃね。』
2人に追いついた私たちは、校舎の曲がり角でこっそりのぞき見をした。
…私と松本くんの手は、繋がれたまま。
翔とお姉さんの手も。
聞こえてくる会話に耳をひそめた。
「…櫻井?」
「俺も…言わなきゃなんないことがある。」
「…なに?」
「俺…松本が好き。」
『…!!』
「…まじかよ。」
当然、私はショックを受けた。
翔は私の彼氏だし、私は翔の事が大好き。
…なのに、私は松本くんと手をつないでいて…
ドキドキしているまま。
この鼓動は、動揺、悲しみ、ドキドキ…
どの鼓動かも分からなかった。