【N】にのへ。
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「二宮和也、手紙だ。」
「……。」
相葉くんから。
俺がここに入れられてから、ほぼ毎週手紙が来る。
飽きないからいいけど、書いてることはいつもほぼ同じ。
手紙を読む自分の手を見つめる。
俺はあの後…ランカが死んでから…この手で。
黒崎を殺した。
相葉くんとサクラが黒崎の元へ向かった後、俺はまだ暖かいランカにキスをして、2人の後を追いかけた。
2人は黒崎を責め続けていた。
…まだ、ランカが死んだことは知らなかったから。
俺は、そんなんじゃ足りなくて。
もう…覚えてない。
ただ、ひたすらに息が出来なくなっていく黒崎の顔はしっかり覚えている。
ランカは、安らかに逝けたのか。
それでも、こいつに味わった屈辱は、こんなもんじゃない。
そう思うと、黒崎を殴り続ける手は止められなかった。
サクラのでかい泣き声と、相葉くんが必死に俺を止める感覚。
そういや、力では絶対に適わなかった相葉くんに、あの時だけは勝ってたな。
そして、顔の原型がなくなるまで黒崎を殴り殺した俺は、刑務所に入れられた。
黒崎のレイプは数多くの証言で有罪になったが、死人に罪なんて。
だけど、そのおかげで俺の罪は少しだけだけど、軽くなった。
更生の余地と、犯罪の背景がどう、とか。
今、刑務所に入れられて5年が経つ。
もうすぐ、刑期を終えるところだ。
手紙では、相葉くんとサクラが結婚したらしい。
まあ、あいつら二人とも高校から両想いだったし。
俺からしたら、やっとかってところ。
相葉くん曰く、ランカはサクラが俺を好きで、俺はサクラが好きだって思いこんでたみたいだ。
まったく、どこをどう見てそうなるんだか。
俺は、ずっと前から。
小学生のころから、ランカが好きだった。
”だった”ってのもおかしいか。
今も。ずっと好きだ。
だからさ、懲役を終えても、俺に生きる意味なんてないんだよ。
…ランカがいない世界で生きる意味はない。
相葉くんの手紙を閉じると、もう一通の手紙を見つける。
「こんなの…あったっけ…。」
開くと、それは、
ランカからの手紙だった。
いや、おそらく俺の幻覚なんだろう。
だけど、言葉の使い方や、小さい頃の話などはランカと相葉くんしか知らないようなことが書いてる。
…今こんな手紙をよこすなんて、ランカもなに考えてんだか。
内容は、今までの俺たちの事。
ランカからの…告白。
そして、ランカがもうすぐ、空からもいなくなってしまうこと。
…俺からのプロポーズを待ってること。
これが俺の妄想だとしたら、かなりやばい状態だ。
でも、確かにこれはランカからの手紙だと分かる。
…確かめなくちゃな。
俺がただのやばいやつなのか。
ランカが、呼んでるのか。
それに、プロポーズ、してやんないといけないからさ。
俺は、いつか…と思っていたその時が来たと思った。
割れ欠けた壁のコンクリート片。
こいつを強く握りしめる。
…その前に、相葉くんにちゃんと言っとかないと。
こんなことしたら、きっと相葉くんは全部自分のせいだって決めつけてしまうだろうから。
それだけは、絶対に避けたいから。
相葉くんのおかげで、今までみんな楽しく過ごせたんだ。
それは、今までもこれからも変わらない。
相葉くんに手紙を遺す。
よし、準備は出来たよ。
そろそろ、行こうか。
ランカが成仏してしまう前に。
手に強く握ったコンクリート片を、
首に押し付け、
一気に引き裂いた。
強い痛みと共に、安らかな気持ちになる。
「…今から、行くから…」
『…なんでそんなことしちゃったの?』
「ランカが呼んだんでしょ。」
『こんなの…望んでないのに。』
「来てほしくなかった?どっちにしろ、俺はすぐ来る予定だったよ。」
『…嬉しくないけど…ありがとう。』
「なんだそれ。…なあ。」
『…なあに?』
「手紙、くれた?」
『え…届いたの?』
「ふふ…よかった、俺がやばいやつじゃなくて。」
『なあにそれ。』
「…ランカ?」
『うん?』
「結婚しよう。」
『…に、の…』
「かずなり。そう呼んでたじゃん。」
『…本当に、届いたんだ。』
「待ってたんでしょ?」
『えへへ…うん!』
「で、返事は?」
『…もちろん、不束者ですがよろしくお願い致します!』
俺たちは、真っ白な雲の上で
真っ白なタキシードとウエディングドレスを身にまとい
誓いのキスをした。
「……。」
相葉くんから。
俺がここに入れられてから、ほぼ毎週手紙が来る。
飽きないからいいけど、書いてることはいつもほぼ同じ。
手紙を読む自分の手を見つめる。
俺はあの後…ランカが死んでから…この手で。
黒崎を殺した。
相葉くんとサクラが黒崎の元へ向かった後、俺はまだ暖かいランカにキスをして、2人の後を追いかけた。
2人は黒崎を責め続けていた。
…まだ、ランカが死んだことは知らなかったから。
俺は、そんなんじゃ足りなくて。
もう…覚えてない。
ただ、ひたすらに息が出来なくなっていく黒崎の顔はしっかり覚えている。
ランカは、安らかに逝けたのか。
それでも、こいつに味わった屈辱は、こんなもんじゃない。
そう思うと、黒崎を殴り続ける手は止められなかった。
サクラのでかい泣き声と、相葉くんが必死に俺を止める感覚。
そういや、力では絶対に適わなかった相葉くんに、あの時だけは勝ってたな。
そして、顔の原型がなくなるまで黒崎を殴り殺した俺は、刑務所に入れられた。
黒崎のレイプは数多くの証言で有罪になったが、死人に罪なんて。
だけど、そのおかげで俺の罪は少しだけだけど、軽くなった。
更生の余地と、犯罪の背景がどう、とか。
今、刑務所に入れられて5年が経つ。
もうすぐ、刑期を終えるところだ。
手紙では、相葉くんとサクラが結婚したらしい。
まあ、あいつら二人とも高校から両想いだったし。
俺からしたら、やっとかってところ。
相葉くん曰く、ランカはサクラが俺を好きで、俺はサクラが好きだって思いこんでたみたいだ。
まったく、どこをどう見てそうなるんだか。
俺は、ずっと前から。
小学生のころから、ランカが好きだった。
”だった”ってのもおかしいか。
今も。ずっと好きだ。
だからさ、懲役を終えても、俺に生きる意味なんてないんだよ。
…ランカがいない世界で生きる意味はない。
相葉くんの手紙を閉じると、もう一通の手紙を見つける。
「こんなの…あったっけ…。」
開くと、それは、
ランカからの手紙だった。
いや、おそらく俺の幻覚なんだろう。
だけど、言葉の使い方や、小さい頃の話などはランカと相葉くんしか知らないようなことが書いてる。
…今こんな手紙をよこすなんて、ランカもなに考えてんだか。
内容は、今までの俺たちの事。
ランカからの…告白。
そして、ランカがもうすぐ、空からもいなくなってしまうこと。
…俺からのプロポーズを待ってること。
これが俺の妄想だとしたら、かなりやばい状態だ。
でも、確かにこれはランカからの手紙だと分かる。
…確かめなくちゃな。
俺がただのやばいやつなのか。
ランカが、呼んでるのか。
それに、プロポーズ、してやんないといけないからさ。
俺は、いつか…と思っていたその時が来たと思った。
割れ欠けた壁のコンクリート片。
こいつを強く握りしめる。
…その前に、相葉くんにちゃんと言っとかないと。
こんなことしたら、きっと相葉くんは全部自分のせいだって決めつけてしまうだろうから。
それだけは、絶対に避けたいから。
相葉くんのおかげで、今までみんな楽しく過ごせたんだ。
それは、今までもこれからも変わらない。
相葉くんに手紙を遺す。
よし、準備は出来たよ。
そろそろ、行こうか。
ランカが成仏してしまう前に。
手に強く握ったコンクリート片を、
首に押し付け、
一気に引き裂いた。
強い痛みと共に、安らかな気持ちになる。
「…今から、行くから…」
『…なんでそんなことしちゃったの?』
「ランカが呼んだんでしょ。」
『こんなの…望んでないのに。』
「来てほしくなかった?どっちにしろ、俺はすぐ来る予定だったよ。」
『…嬉しくないけど…ありがとう。』
「なんだそれ。…なあ。」
『…なあに?』
「手紙、くれた?」
『え…届いたの?』
「ふふ…よかった、俺がやばいやつじゃなくて。」
『なあにそれ。』
「…ランカ?」
『うん?』
「結婚しよう。」
『…に、の…』
「かずなり。そう呼んでたじゃん。」
『…本当に、届いたんだ。』
「待ってたんでしょ?」
『えへへ…うん!』
「で、返事は?」
『…もちろん、不束者ですがよろしくお願い致します!』
俺たちは、真っ白な雲の上で
真っ白なタキシードとウエディングドレスを身にまとい
誓いのキスをした。
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