【M】会えない距離じゃないのに
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「ほんと、ありがとね。助かったわ。」
『いいのいいの。気にしないで。』
「…ランカ?」
『あ、翔…。』
この時、翔を待たせていたことをすっかり忘れていた。
やばい、という感情を察したのか、松本くんがフォローをしてくれた。
『ごめ、ちょっと…』
「俺が姉貴んとこにパシられて、桜庭に無理やり手伝ってくれるように頼んじゃって…すいません。」
「ああ、松本の弟か。姉貴は人づかい荒いもんなあ~笑」
翔はお姉さんの弟だとわかったからなのか、怒っていなかった。
私は一安心していた。
『ごめんね、待ってもらってたのに…』
「いいのいいの、人助けして怒るヤツなんていねえから。」
『ありがと、翔。』
私はつくづく、翔の彼女で良かったと思う。
優しくて、思いやりもある。
ついでにかっこいい。
「でも、松本?」
「はい?」
「俺の女だかんね?」
「はは、わかってますよ笑」
「ならヨシ。笑」
『ふふ、何それ笑』
松本くんと翔がなんだか気が合いそうで、嬉しかった。
翔も後輩の面倒見がいいし、松本くんも兄貴肌の翔とだと話しやすそうで。
「そうだ、飲みもの買った?」
『…あ、忘れてた。』
「ったくよ~喉カラカラだっつーの!」
『ごめんってば~。買いに行こ!』
「あ、じゃあ俺はこれで。」
松本くんはお昼ごはんがまだだったみたいで、小さくお腹が鳴っていた。
『ふふ、うん、またね。』
小さく手を振りあって、松本くんは教室へ戻っていった。
私と翔は二人で自販機に向かう。
「松本の弟って下の名前なんていうの?」
『潤、だったかな?』
「松本潤か、名前からしてイケメンじゃん笑」
『櫻井翔も名前はイケメンだよ。』
「名前はってなんだよ、名前はって笑」
私はお茶、翔はエナジードリンクを買う。
キャップを開けて飲む翔の姿もかっこいい。
「そういえばさ、最近消しゴムがよくなくなるんだよな。」
『え…?』
「なんか、休み時間とかトイレ行ってるとなくなんの。前の授業では普通に使ってんのに。」
私は、あのおまじないを思い出していた。
”好きな人の消しゴムを最後まで使い切ると恋が叶う。”
まさか、翔にもする人がいるのかな。
でも、私と翔は付き合ってるし…。
少し、モヤモヤしていた。
でも不安になることなんてないと言い聞かせる。
『なんかね、うちのクラスでも流行ってるらしいんだけどそういうおまじないがあるんだって。』
「なんだそれ、ひとの消しゴムだっつーのにな。」
『うん、松本くんもとられてるみたい。』
「あ~…あいつはなんとなくモテんのわかるもん。」
『自分もモテてるって自覚あるんだ~』
「割とな?」
『…もう。』
翔は男女関係なく慕われているような存在だった。
なんで私なんかと付き合ってくれているのかわからなくなるくらいに。
その時、お昼休みが終わるチャイムが鳴る。
「あ、じゃあ俺戻るわ。」
『うん。あ、今日一緒に帰れる?』
「大丈夫だと思う、校門で待ち合わせな。」
『やった、じゃあまた帰りにね。』
「おう。」
やっぱり、同じ学校でも学年が違うと話す機会も少ない。
こんな些細な約束でも嬉しいもんだった。
翔を見送って私も自分のクラスへ戻る。
隣の席には急いでパンを飲み込む松本くんの姿。
『喉詰まるよ?笑』
「っ…ば…けほけほっ」
松本くんは、いつもの「うるせえよばか」を言いかけたんだろうけど、パンが詰まってせき込む。
『イケメンもこうなると残念だね笑』
「…っはあ…うるせえよばか。」
水で飲み込んでいつものセリフを吐く。
『そんなことばっか言ってると彼女できないよ?』
「別にいらないし。」
『ふうん、好きな子とかいないの?』
何気なく聞いたその質問。
「…いるけど。」
『…ほうほう。』
なんだか、グサッときた。
こんなイケメンにも好きない人いるんだあ…ていう感情?
それとはまた、別の。
『付き合わないの?』
「付き合えないの。彼氏いるから。」
『…松本くんなら奪っちゃえそうだけど笑』
「そこまでしねえわ。笑」
少しほっとしていた。
松本くんの好きな子には、彼氏がいる。
そんなことにほっとする自分が、その時怖かった。
私は翔が好き。
なのに、松本くんに好きな子がいると知って、ショックを受ける。
そんなの、あっていいはずがない。
『でも、その想いだけでも気づいてくれるといいね。』
「…どうなんだろうなあ。」
『イケメンだし。』
「関係ねえわ。」
そうだ。
私と翔が付き合ったときも、私から告白した。
自分の思いが伝わるのは、とても嬉しい。
伝えられないまま離れてしまうのは…
今になって、本当にその後悔の重さを実感している。
『いいのいいの。気にしないで。』
「…ランカ?」
『あ、翔…。』
この時、翔を待たせていたことをすっかり忘れていた。
やばい、という感情を察したのか、松本くんがフォローをしてくれた。
『ごめ、ちょっと…』
「俺が姉貴んとこにパシられて、桜庭に無理やり手伝ってくれるように頼んじゃって…すいません。」
「ああ、松本の弟か。姉貴は人づかい荒いもんなあ~笑」
翔はお姉さんの弟だとわかったからなのか、怒っていなかった。
私は一安心していた。
『ごめんね、待ってもらってたのに…』
「いいのいいの、人助けして怒るヤツなんていねえから。」
『ありがと、翔。』
私はつくづく、翔の彼女で良かったと思う。
優しくて、思いやりもある。
ついでにかっこいい。
「でも、松本?」
「はい?」
「俺の女だかんね?」
「はは、わかってますよ笑」
「ならヨシ。笑」
『ふふ、何それ笑』
松本くんと翔がなんだか気が合いそうで、嬉しかった。
翔も後輩の面倒見がいいし、松本くんも兄貴肌の翔とだと話しやすそうで。
「そうだ、飲みもの買った?」
『…あ、忘れてた。』
「ったくよ~喉カラカラだっつーの!」
『ごめんってば~。買いに行こ!』
「あ、じゃあ俺はこれで。」
松本くんはお昼ごはんがまだだったみたいで、小さくお腹が鳴っていた。
『ふふ、うん、またね。』
小さく手を振りあって、松本くんは教室へ戻っていった。
私と翔は二人で自販機に向かう。
「松本の弟って下の名前なんていうの?」
『潤、だったかな?』
「松本潤か、名前からしてイケメンじゃん笑」
『櫻井翔も名前はイケメンだよ。』
「名前はってなんだよ、名前はって笑」
私はお茶、翔はエナジードリンクを買う。
キャップを開けて飲む翔の姿もかっこいい。
「そういえばさ、最近消しゴムがよくなくなるんだよな。」
『え…?』
「なんか、休み時間とかトイレ行ってるとなくなんの。前の授業では普通に使ってんのに。」
私は、あのおまじないを思い出していた。
”好きな人の消しゴムを最後まで使い切ると恋が叶う。”
まさか、翔にもする人がいるのかな。
でも、私と翔は付き合ってるし…。
少し、モヤモヤしていた。
でも不安になることなんてないと言い聞かせる。
『なんかね、うちのクラスでも流行ってるらしいんだけどそういうおまじないがあるんだって。』
「なんだそれ、ひとの消しゴムだっつーのにな。」
『うん、松本くんもとられてるみたい。』
「あ~…あいつはなんとなくモテんのわかるもん。」
『自分もモテてるって自覚あるんだ~』
「割とな?」
『…もう。』
翔は男女関係なく慕われているような存在だった。
なんで私なんかと付き合ってくれているのかわからなくなるくらいに。
その時、お昼休みが終わるチャイムが鳴る。
「あ、じゃあ俺戻るわ。」
『うん。あ、今日一緒に帰れる?』
「大丈夫だと思う、校門で待ち合わせな。」
『やった、じゃあまた帰りにね。』
「おう。」
やっぱり、同じ学校でも学年が違うと話す機会も少ない。
こんな些細な約束でも嬉しいもんだった。
翔を見送って私も自分のクラスへ戻る。
隣の席には急いでパンを飲み込む松本くんの姿。
『喉詰まるよ?笑』
「っ…ば…けほけほっ」
松本くんは、いつもの「うるせえよばか」を言いかけたんだろうけど、パンが詰まってせき込む。
『イケメンもこうなると残念だね笑』
「…っはあ…うるせえよばか。」
水で飲み込んでいつものセリフを吐く。
『そんなことばっか言ってると彼女できないよ?』
「別にいらないし。」
『ふうん、好きな子とかいないの?』
何気なく聞いたその質問。
「…いるけど。」
『…ほうほう。』
なんだか、グサッときた。
こんなイケメンにも好きない人いるんだあ…ていう感情?
それとはまた、別の。
『付き合わないの?』
「付き合えないの。彼氏いるから。」
『…松本くんなら奪っちゃえそうだけど笑』
「そこまでしねえわ。笑」
少しほっとしていた。
松本くんの好きな子には、彼氏がいる。
そんなことにほっとする自分が、その時怖かった。
私は翔が好き。
なのに、松本くんに好きな子がいると知って、ショックを受ける。
そんなの、あっていいはずがない。
『でも、その想いだけでも気づいてくれるといいね。』
「…どうなんだろうなあ。」
『イケメンだし。』
「関係ねえわ。」
そうだ。
私と翔が付き合ったときも、私から告白した。
自分の思いが伝わるのは、とても嬉しい。
伝えられないまま離れてしまうのは…
今になって、本当にその後悔の重さを実感している。