智くん
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声の方を振り向くと、智くんが追いかけてきていた。
結構走ったのに、全然息が切れてない…。
智くんって意外と体力あるんだ…。
そんなところにも、こんな状況なのにきゅんとしてしまう。
『さ、智くん…』
「少し休憩しよ?」
『…あ…。』
智くんは私の手を取って近くのベンチに腰掛けた。
私は少し感覚を開けて智くんの隣に座る。
隣の智くんの顔が見れない。
見ると…さっきの光景がフラッシュバックしそうになる。
「……ごめんね?」
『なにが、ですか…?』
「なんつーか…あんなん見られて…」
いつもはふにゃふにゃしてる智くんが、少し申し訳なさそうにする。
どうして智くんが謝るの?
私が勝手に傷ついただけなのに。
『い、いえいえ!こちらこそ勝手に入っちゃって…』
「呼んだの俺だし…。」
『…仲良し、なんですね?』
「へ?」
『あの子と…』
そりゃそうだよね。
可愛らしい子と一緒にいるんだもん。
「…俺は仲良しじゃないよ。」
『いや、でも』
「違うんだって。…なんか無理やりされたんだよ。」
『無理やり?』
「うん、急に泣き出すからパンの粉でも目に入ったのかと思ったら抱き着いてきて、そんで…」
『キス、されたんですか?』
「……うん。」
女の子が急に泣き出したときにパンの粉が入ったと思う智くんがおかしいのと、同意の上での行為じゃなかったことが嬉しい気持ちが入り混じる。
キスしたことはショック大きいけど。
『…なんでそんなこと…。』
「それも含めて、なんだけどね。」
本来今日会うのは、このことの話だった。
「こないだ、店に翔くんと一緒に女の人が来たの。」
『もしかして、川島さん…?』
「名前はわかんないけど、サバサバした人で翔くんの先輩らしい。」
サバサバ、櫻井くんの先輩…桐谷先輩?
でも、なんで桐谷先輩が?
ランチにパン屋さんなんて絶対来ないような人なのに。
「ほんでね、なんか俺らに話があるっていうから聞いてたら…ランカちゃんの事だった。」
『私の…』
「ランカちゃんには彼氏がいるのに、色んな男に色目使ってるって。翔くんもだし、俺も遊び相手には丁度いいって言ってるのを聞いたって。」
『なに…それ…』
桐谷さんだったんだ…。
なんで、なんでそんなこと…とか、考えなくても分かる…。
私が、櫻井くんと仲良く話しちゃったから。
そして多分、私とサクラが話してた智くんの事も聞かれてたんだろうな。
…川島さんも共謀して?
『智くん、私はそんな…』
「ふふ、わかってるよ。」
『…?』
「ランカちゃんはそんな子じゃないでしょ?まだちょっとしか話したことないけど、わかるよ。」
不安な気持ちを、智くんの優しい笑顔が溶かしてくれるのが分かる。
心の中で、こんな気持ちにならなくていいんだよって微笑みかけてくれるような感覚。
『…信じてくれて、ありがとう。』
「ん~?俺も翔くんも信じてなんかなかったけどね。」
『ほんと?でも櫻井くんは…』
「尊敬してた先輩だったっぽいから葛藤はしてたけど、最後はランカちゃんを信じるって言ってた。…好きなんだって。」
『あ…』
櫻井くん、智くんにそんなこと言ってたんだ…。
でも、信じてくれてて、素直に嬉しい。
「告白、されちゃった?」
『…はい。』
「…そ、か。翔くん、いい奴だよね。絶対幸せにしてくれるよ。」
…ん?智くん、何か勘違いしてる?
『あの…私、断っちゃったんです…。』
「……え?本当に?」
『はい…櫻井くんは優しくていい人ですけど…』
「そうなんだ…あ~~、そっか~~~。よかった~~…」
『よかった…?』
「いた…智くん!桜庭!」
「翔くん?」
そこに、櫻井くんが誰かを連れて走ってきた。
川島さんと、桐谷先輩…
「あ~、桜庭せんぱ~い。」
「ちょっと、もういいってば!」
「よくないっすよ!ほら!」
『ちょ、櫻井くん?!何事なの?』
櫻井くんは桐谷先輩を私の前に連れてくる。
「桐谷先輩が桜庭の嘘の話を吹き込んできたんだよ…って、もう聞いた?」
『う、うん、今智くんから…』
「なんなの!?本当の事言っただけでしょ!ただの男たらしで…」
桐谷先輩は悪びれる様子もなく、ただ私の悪口を私に向ける。
よっぽど腹が立ったんだろうな…。
でも、やっぱり人に嫌われるのって気持ち良くない。
事実じゃなくてもこんな風に思われてるんだと思うと、やっぱり傷つく。
『…。』
「…ねえ。」
「…な、なによ。」
口を開いたのは、智くん。
「俺、ずっと見てただけだけど、わかるよ。
ランカちゃんはそんな子じゃないし。
俺の好きな子のこと、そんな風に言わないでくれる?」
「きゃあ~~~桜庭せんぱいやば~~い!」
「はは…智くん…」
『…え?…ん?』
「……んん?」
当の本人が一番疑問な顔してる。
結構走ったのに、全然息が切れてない…。
智くんって意外と体力あるんだ…。
そんなところにも、こんな状況なのにきゅんとしてしまう。
『さ、智くん…』
「少し休憩しよ?」
『…あ…。』
智くんは私の手を取って近くのベンチに腰掛けた。
私は少し感覚を開けて智くんの隣に座る。
隣の智くんの顔が見れない。
見ると…さっきの光景がフラッシュバックしそうになる。
「……ごめんね?」
『なにが、ですか…?』
「なんつーか…あんなん見られて…」
いつもはふにゃふにゃしてる智くんが、少し申し訳なさそうにする。
どうして智くんが謝るの?
私が勝手に傷ついただけなのに。
『い、いえいえ!こちらこそ勝手に入っちゃって…』
「呼んだの俺だし…。」
『…仲良し、なんですね?』
「へ?」
『あの子と…』
そりゃそうだよね。
可愛らしい子と一緒にいるんだもん。
「…俺は仲良しじゃないよ。」
『いや、でも』
「違うんだって。…なんか無理やりされたんだよ。」
『無理やり?』
「うん、急に泣き出すからパンの粉でも目に入ったのかと思ったら抱き着いてきて、そんで…」
『キス、されたんですか?』
「……うん。」
女の子が急に泣き出したときにパンの粉が入ったと思う智くんがおかしいのと、同意の上での行為じゃなかったことが嬉しい気持ちが入り混じる。
キスしたことはショック大きいけど。
『…なんでそんなこと…。』
「それも含めて、なんだけどね。」
本来今日会うのは、このことの話だった。
「こないだ、店に翔くんと一緒に女の人が来たの。」
『もしかして、川島さん…?』
「名前はわかんないけど、サバサバした人で翔くんの先輩らしい。」
サバサバ、櫻井くんの先輩…桐谷先輩?
でも、なんで桐谷先輩が?
ランチにパン屋さんなんて絶対来ないような人なのに。
「ほんでね、なんか俺らに話があるっていうから聞いてたら…ランカちゃんの事だった。」
『私の…』
「ランカちゃんには彼氏がいるのに、色んな男に色目使ってるって。翔くんもだし、俺も遊び相手には丁度いいって言ってるのを聞いたって。」
『なに…それ…』
桐谷さんだったんだ…。
なんで、なんでそんなこと…とか、考えなくても分かる…。
私が、櫻井くんと仲良く話しちゃったから。
そして多分、私とサクラが話してた智くんの事も聞かれてたんだろうな。
…川島さんも共謀して?
『智くん、私はそんな…』
「ふふ、わかってるよ。」
『…?』
「ランカちゃんはそんな子じゃないでしょ?まだちょっとしか話したことないけど、わかるよ。」
不安な気持ちを、智くんの優しい笑顔が溶かしてくれるのが分かる。
心の中で、こんな気持ちにならなくていいんだよって微笑みかけてくれるような感覚。
『…信じてくれて、ありがとう。』
「ん~?俺も翔くんも信じてなんかなかったけどね。」
『ほんと?でも櫻井くんは…』
「尊敬してた先輩だったっぽいから葛藤はしてたけど、最後はランカちゃんを信じるって言ってた。…好きなんだって。」
『あ…』
櫻井くん、智くんにそんなこと言ってたんだ…。
でも、信じてくれてて、素直に嬉しい。
「告白、されちゃった?」
『…はい。』
「…そ、か。翔くん、いい奴だよね。絶対幸せにしてくれるよ。」
…ん?智くん、何か勘違いしてる?
『あの…私、断っちゃったんです…。』
「……え?本当に?」
『はい…櫻井くんは優しくていい人ですけど…』
「そうなんだ…あ~~、そっか~~~。よかった~~…」
『よかった…?』
「いた…智くん!桜庭!」
「翔くん?」
そこに、櫻井くんが誰かを連れて走ってきた。
川島さんと、桐谷先輩…
「あ~、桜庭せんぱ~い。」
「ちょっと、もういいってば!」
「よくないっすよ!ほら!」
『ちょ、櫻井くん?!何事なの?』
櫻井くんは桐谷先輩を私の前に連れてくる。
「桐谷先輩が桜庭の嘘の話を吹き込んできたんだよ…って、もう聞いた?」
『う、うん、今智くんから…』
「なんなの!?本当の事言っただけでしょ!ただの男たらしで…」
桐谷先輩は悪びれる様子もなく、ただ私の悪口を私に向ける。
よっぽど腹が立ったんだろうな…。
でも、やっぱり人に嫌われるのって気持ち良くない。
事実じゃなくてもこんな風に思われてるんだと思うと、やっぱり傷つく。
『…。』
「…ねえ。」
「…な、なによ。」
口を開いたのは、智くん。
「俺、ずっと見てただけだけど、わかるよ。
ランカちゃんはそんな子じゃないし。
俺の好きな子のこと、そんな風に言わないでくれる?」
「きゃあ~~~桜庭せんぱいやば~~い!」
「はは…智くん…」
『…え?…ん?』
「……んん?」
当の本人が一番疑問な顔してる。