智くん
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パン屋さんの前で、少し立ち止まる。
なんだか…緊張してる。
いつもみたいに、ワクワクドキドキできない自分がいる。
でも、特別…なパンのお礼もしなきゃだよね。
『こ、こんにちわ~…』
「あ~ランカちゃん、いらっしゃい。」
『どうも…って、え!?なな、名前…!』
「へへ、翔くんに聞いちゃった。」
『櫻井くんが…』
「下の名前、だめ?」
櫻井くん…ほんっとーーーにナイス!
まさか智くんに名前で呼ばれる日が来るなんて!
『ぜんっぜん大丈夫です!智くんの呼びやすい呼び方で!』
「…ランカちゃんも下の名前で呼んでくれんだ。」
『…あ!!!すみませ…』
「いいよいいよ、俺が呼んでいいって言ったし、そっちのが嬉しいもん。」
『智くん…』
ふにゃっと笑う智くん。
さっきまでの変な緊張が嘘みたいに消えていった。
『あの、智くん、これ…』
私は翔くんが持ってきてくれたパンの包み紙を見せる。
”新作、特別に!智”と書かれた、あの紙。
「あ、食べてくれたんだ。どうだった?」
『すっごーく美味しかったです!…特別に…いただいて、ありがとうございました…』
「どういたしまして。特別、だかんね?笑」
智くんから言われる特別。
きっと深い意味はないんだろうけど、すっごくうれしくて。
『へへ、ありがとうございます…。』
「いらっしゃいませ~…」
『…?』
照れてる私を、奥からもう一人の店員さんが迎える。
…おんなのこ…。
「あ、この子ね、新しく入ったバイトの子。」
『…あ、はい…。』
「はじめまして、今日からここで働いてます!今後もごひいきに!」
『はい…よろしくお願いします…。』
若くて、かわいい子。
そっか、もう採用されたんだ。
ただのバイトの子なのに、変に胸がキュッとする。
いいなあ…仕事中智くんと2人でいられるなんて。
うらやましい…。なんちゃって。
「ほんとはずっと一人でやってくつもりだったんだけどね、ちょっと寂しくなっちゃって。」
「えへへ…私がいるからもう大丈夫ですよ~。」
「…だね、助かるよ。」
『…。』
…お腹空いたなあ。
智くんのパン、この匂いが大好きなんだよね。
『あ、じゃあパン選んどきますね~。』
うん、うんうん。
なに落ち込んでんだ私ったら。
智くんを見れるだけでよかったんじゃん。
付き合いたい!とか、なかったんだもん。
そりゃあ一目惚れはしたけど…智くんのパンも大好きだから。
…名前で呼び合えるなんてレベルになっただけで、十分すぎるくらい。
『これ、お願いします。』
「…うい~。」
女の子は中で材料のセットをしたりしてるみたい。
いつも通り智くんがレジを打ってくれる。
『…。』
「…ねえ?」
『…はい?』
「なんか元気ないね?」
『ええ?そうですかね…?』
はは、と笑って見せる。
私ったら、メンヘラみたいな女だなあ。
「あのさ、いっこ聞いていい?」
『なんですか?』
「ランカちゃんって彼氏いるの?」
『……ええ!?ど、どうしてそんなこと!?』
まさかの話題に動揺する。
きっと、さっき心の中で思ったことがあったから尚更。
「…なんか、いるみたいな話聞いたからどうなんかなあって。」
『え…誰がそんな?』
私に彼氏は、いない。
でも智くんにそんな話する人とかいる…?
私と智くんでさえそんなに話して間もないのに。
…櫻井くんしか、いないよね?
「う~~ん…」
『いない、ですよ。』
「…そうなの?」
『そうですよ!全然!いないです!』
「そうなんだ、ふふ、そっかそっか。」
私の熱の入った否定がおかしかったのか、智くんが優しく笑う。
…そうだよ、彼氏いるなんて思われたくないもん。
『じゃ…私も聞いていいですか?』
「…いないよ。」
『そ、そうなんですか…!?』
「なんか店のサイトに書かれてるの嫌だけど、いない。笑」
本当だったんだ…。
でも、
『そうですよね、智くんの事をお店のレビューに書かなくてもいいですよね…智くんのパンについていっぱい書いてほしいな…』
「…。」
『あ、ごめんなさい!智くんの情報がいらないってことじゃなくて…』
「そんなん思ってないよ。俺のパンの事好きでいてくれてんだな~って思って。」
『智くん…』
本当は…
智くんも好き。
もう、一目惚れだとか付き合いたいとかじゃないとか、違う。
私は、智くんが好き。
『でも…誰が私に彼氏がいるなんて言ったんですか?』
「え~っとね…」
『…櫻井くん?』
「違う、翔くんじゃない。」
さっきまで言葉を濁していた智くんは、櫻井くんの名前を出すときっぱり否定した。
「あのね、ちょっと話したいんだけど、仕事終わったらココ寄ってくれる?」
『あ…はい、大丈夫です。』
本当だったら「智くんからお誘い!?」って舞い上がってるとこだと思う。
けど、多分これは違う。
「ありがと。じゃあ、これ。」
智くんから買ったパンを受け取る。
でも、バイトの女の子が気になってしまってぐずぐずしてしまう。
『あの。えっと…』
「…しゃあないなあ、じゃあこれもあげるよ。」
そういうと、智くんはレジの横にあった小さなクロワッサンを一つくれた。
私はレジ奥の女の子を見てたんだけど…
私がクロワッサンを欲しがってるようにみえちゃったのか…笑
なんだか可笑しくなった。
『…やった!ありがとうございます。じゃあ、またあとで!』
「んふふ、ほ~い。笑」
私はその小さなクロワッサンを頬張り、会社へ戻った。
なんだか…緊張してる。
いつもみたいに、ワクワクドキドキできない自分がいる。
でも、特別…なパンのお礼もしなきゃだよね。
『こ、こんにちわ~…』
「あ~ランカちゃん、いらっしゃい。」
『どうも…って、え!?なな、名前…!』
「へへ、翔くんに聞いちゃった。」
『櫻井くんが…』
「下の名前、だめ?」
櫻井くん…ほんっとーーーにナイス!
まさか智くんに名前で呼ばれる日が来るなんて!
『ぜんっぜん大丈夫です!智くんの呼びやすい呼び方で!』
「…ランカちゃんも下の名前で呼んでくれんだ。」
『…あ!!!すみませ…』
「いいよいいよ、俺が呼んでいいって言ったし、そっちのが嬉しいもん。」
『智くん…』
ふにゃっと笑う智くん。
さっきまでの変な緊張が嘘みたいに消えていった。
『あの、智くん、これ…』
私は翔くんが持ってきてくれたパンの包み紙を見せる。
”新作、特別に!智”と書かれた、あの紙。
「あ、食べてくれたんだ。どうだった?」
『すっごーく美味しかったです!…特別に…いただいて、ありがとうございました…』
「どういたしまして。特別、だかんね?笑」
智くんから言われる特別。
きっと深い意味はないんだろうけど、すっごくうれしくて。
『へへ、ありがとうございます…。』
「いらっしゃいませ~…」
『…?』
照れてる私を、奥からもう一人の店員さんが迎える。
…おんなのこ…。
「あ、この子ね、新しく入ったバイトの子。」
『…あ、はい…。』
「はじめまして、今日からここで働いてます!今後もごひいきに!」
『はい…よろしくお願いします…。』
若くて、かわいい子。
そっか、もう採用されたんだ。
ただのバイトの子なのに、変に胸がキュッとする。
いいなあ…仕事中智くんと2人でいられるなんて。
うらやましい…。なんちゃって。
「ほんとはずっと一人でやってくつもりだったんだけどね、ちょっと寂しくなっちゃって。」
「えへへ…私がいるからもう大丈夫ですよ~。」
「…だね、助かるよ。」
『…。』
…お腹空いたなあ。
智くんのパン、この匂いが大好きなんだよね。
『あ、じゃあパン選んどきますね~。』
うん、うんうん。
なに落ち込んでんだ私ったら。
智くんを見れるだけでよかったんじゃん。
付き合いたい!とか、なかったんだもん。
そりゃあ一目惚れはしたけど…智くんのパンも大好きだから。
…名前で呼び合えるなんてレベルになっただけで、十分すぎるくらい。
『これ、お願いします。』
「…うい~。」
女の子は中で材料のセットをしたりしてるみたい。
いつも通り智くんがレジを打ってくれる。
『…。』
「…ねえ?」
『…はい?』
「なんか元気ないね?」
『ええ?そうですかね…?』
はは、と笑って見せる。
私ったら、メンヘラみたいな女だなあ。
「あのさ、いっこ聞いていい?」
『なんですか?』
「ランカちゃんって彼氏いるの?」
『……ええ!?ど、どうしてそんなこと!?』
まさかの話題に動揺する。
きっと、さっき心の中で思ったことがあったから尚更。
「…なんか、いるみたいな話聞いたからどうなんかなあって。」
『え…誰がそんな?』
私に彼氏は、いない。
でも智くんにそんな話する人とかいる…?
私と智くんでさえそんなに話して間もないのに。
…櫻井くんしか、いないよね?
「う~~ん…」
『いない、ですよ。』
「…そうなの?」
『そうですよ!全然!いないです!』
「そうなんだ、ふふ、そっかそっか。」
私の熱の入った否定がおかしかったのか、智くんが優しく笑う。
…そうだよ、彼氏いるなんて思われたくないもん。
『じゃ…私も聞いていいですか?』
「…いないよ。」
『そ、そうなんですか…!?』
「なんか店のサイトに書かれてるの嫌だけど、いない。笑」
本当だったんだ…。
でも、
『そうですよね、智くんの事をお店のレビューに書かなくてもいいですよね…智くんのパンについていっぱい書いてほしいな…』
「…。」
『あ、ごめんなさい!智くんの情報がいらないってことじゃなくて…』
「そんなん思ってないよ。俺のパンの事好きでいてくれてんだな~って思って。」
『智くん…』
本当は…
智くんも好き。
もう、一目惚れだとか付き合いたいとかじゃないとか、違う。
私は、智くんが好き。
『でも…誰が私に彼氏がいるなんて言ったんですか?』
「え~っとね…」
『…櫻井くん?』
「違う、翔くんじゃない。」
さっきまで言葉を濁していた智くんは、櫻井くんの名前を出すときっぱり否定した。
「あのね、ちょっと話したいんだけど、仕事終わったらココ寄ってくれる?」
『あ…はい、大丈夫です。』
本当だったら「智くんからお誘い!?」って舞い上がってるとこだと思う。
けど、多分これは違う。
「ありがと。じゃあ、これ。」
智くんから買ったパンを受け取る。
でも、バイトの女の子が気になってしまってぐずぐずしてしまう。
『あの。えっと…』
「…しゃあないなあ、じゃあこれもあげるよ。」
そういうと、智くんはレジの横にあった小さなクロワッサンを一つくれた。
私はレジ奥の女の子を見てたんだけど…
私がクロワッサンを欲しがってるようにみえちゃったのか…笑
なんだか可笑しくなった。
『…やった!ありがとうございます。じゃあ、またあとで!』
「んふふ、ほ~い。笑」
私はその小さなクロワッサンを頬張り、会社へ戻った。