智くん
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翌日、サクラは休み。
いつもは騒がしいけど、サクラがいない仕事はなんだかんだ寂しく感じる。
私の事務の同僚はサクラくらいしかいないから尚更。
「桜庭さ~ん、これお願いしていいですかあ?」
『…ん?』
ゆるふわ。
この子は後輩だけど、性格上あんまり好きではないから話さない。
例のサバサバ営業先輩と仲がいいらしいけど、そっちも好きじゃないし。
「え?これ昨日のでしょ?」
『終わらなくって~…お願いしますっ!』
「ちょっと!」
提出期限が今日の昼までの書類。
昨日営業から渡されてたのに、終わらないって何よ…
『…もう!今日はお昼無しじゃん…』
私の楽しみが…
せっかく今日も大野さんのパン食べられると思ったのにな。
はああ、と大きいため息をつく。
そして、自分の書類をちゃちゃっと終わらせてゆるふわに渡された資料に手を付ける。
「なあなあ。」
『…どしたの、櫻井くん。』
困った表情で私のデスクに来た櫻井くん。
「昨日渡した書類、できてない?」
『もしかして…これ?』
「…あ、そうこれ!てかなんで桜庭が持ってんの?」
『ん~、さっき渡されたの。終わってないからって。』
「まじかよ。」
これ、今日までってことは今日の午後に使うってことだよね。
おそらく、櫻井くんが使う書類。
ってことは…ゆるふわに櫻井くんが頼んだってことだよね?
…櫻井くんからの頼み事なのに、あの子が他の女に頼むなんて。
なんか、おかしい気がする。
いつものあの子なら、何が何でも自分の好感度上げるためにするはずなんだけどなあ。
「桜庭?」
『…あ、ごめん。これお昼までに必要なんだよね?』
「うん、できれば…」
『任せて、櫻井くんがお昼食べ終わるころには渡せるようにしておくから。』
「…ありがと、助かる。無理すんなよ?」
『うん、大丈夫。』
私がそういうと、櫻井くんはお昼で会社を出た。
『さて、と。』
私は急ぎの書類に再度手を付けた。
「よっ。」
「…おお?珍しいね、二日連続なんて。」
「まあね、ちょっと。」
「へへ、そんなにパン好きだっけか?」
「智くんのパンなら食えるよ。」
「なんだよお、ありがと笑」
「そういえば、今日はあの子いないの?」
「…桜庭?」
「桜庭ちゃんって言うんだ。下の名前は?」
「なあ~んで教えなきゃいけねえの?」
「え~…だめ?」
「だめじゃねえけど…たしかランカかな?」
「桜庭ランカちゃんか。一緒じゃないの?」
「今日は仕事が忙しいみたいで。」
「そっかあ…」
「…こんにちは~。」
「あ、いらっしゃいませ~」
「あれ?」
「やっほ~、偶然だね!」
『終わった~!間に合った!我ながらグッジョブ!』
これでもかってくらいタイピングに力をかけたのは久しぶり。
もう肩も腰も目も痛いけど、達成感。
にしても、櫻井くんおそいなあ。
ゆっくりご飯食べてるのかな。
「戻りました~…」
少し元気がなさそうな櫻井くんが帰社した。
私は書類をもって櫻井くんの元へ駆け寄る。
『櫻井くん、これ、終わったよ!』
「あ、えっと、ありがと。」
なんだかぎこちなく書類を受け取る櫻井くん。
『なにかあった?』
「いや、なんもないっちゃないんだけど。」
『??』
「これ、ありがとな!助かったよ。あと…これ。」
櫻井くんは、大野さんのパン屋さんの袋を私にくれた。
『え!?大野さんとこ行ったの?!』
「桜庭に昼飯もおごってやりたかったから、さ。」
『うわあ~ありがと!お腹空いてたんだ!』
「いや…じゃあ俺、外回り行ってくるわ。」
『あ、うん…ありがとね!気を付けて。』
そそくさと書類をもって出かけていく。
お昼の間に何があったんだろ。
…大野さんとけんかしちゃった、とか?
『ま、そんなことないか。』
まさかね。
あんなに仲よさそうだったし。
『…わ~、いい匂い!』
私は櫻井くんから受け取った大野さんのパンの袋を開ける。
少し暖かくて、焼き立ての香ばしい香り。
中には、私の大好きなメロンパンと、もう一つ。
『…なんだろうこれ。』
紙で包まれたパン。
その紙には、”新作。特別に!智”と書かれている。
『智くんから…特別に!?!?!?』
智、と書かれていたからか、無意識に「智くん」と櫻井くんの呼び方になってしまっていたけど、私は気づいていなかった。
紙を開けると、中には丸くておっきなチョコパン。
『いただきます…!』
その新作を頬張る。
中には濃厚なチョコとふわふわもちもちの生地、外はメロンパンのクッキー生地のようなサクサクとした食感。
私の大好きが詰まったようなパン。
幸せ…
明日、お礼をしに行こう。
この時の私は、幸せの絶頂のような気分だった。
この気持ちを智くんに伝えられるという楽しみが出来たから。
この時までの、私は。
いつもは騒がしいけど、サクラがいない仕事はなんだかんだ寂しく感じる。
私の事務の同僚はサクラくらいしかいないから尚更。
「桜庭さ~ん、これお願いしていいですかあ?」
『…ん?』
ゆるふわ。
この子は後輩だけど、性格上あんまり好きではないから話さない。
例のサバサバ営業先輩と仲がいいらしいけど、そっちも好きじゃないし。
「え?これ昨日のでしょ?」
『終わらなくって~…お願いしますっ!』
「ちょっと!」
提出期限が今日の昼までの書類。
昨日営業から渡されてたのに、終わらないって何よ…
『…もう!今日はお昼無しじゃん…』
私の楽しみが…
せっかく今日も大野さんのパン食べられると思ったのにな。
はああ、と大きいため息をつく。
そして、自分の書類をちゃちゃっと終わらせてゆるふわに渡された資料に手を付ける。
「なあなあ。」
『…どしたの、櫻井くん。』
困った表情で私のデスクに来た櫻井くん。
「昨日渡した書類、できてない?」
『もしかして…これ?』
「…あ、そうこれ!てかなんで桜庭が持ってんの?」
『ん~、さっき渡されたの。終わってないからって。』
「まじかよ。」
これ、今日までってことは今日の午後に使うってことだよね。
おそらく、櫻井くんが使う書類。
ってことは…ゆるふわに櫻井くんが頼んだってことだよね?
…櫻井くんからの頼み事なのに、あの子が他の女に頼むなんて。
なんか、おかしい気がする。
いつものあの子なら、何が何でも自分の好感度上げるためにするはずなんだけどなあ。
「桜庭?」
『…あ、ごめん。これお昼までに必要なんだよね?』
「うん、できれば…」
『任せて、櫻井くんがお昼食べ終わるころには渡せるようにしておくから。』
「…ありがと、助かる。無理すんなよ?」
『うん、大丈夫。』
私がそういうと、櫻井くんはお昼で会社を出た。
『さて、と。』
私は急ぎの書類に再度手を付けた。
「よっ。」
「…おお?珍しいね、二日連続なんて。」
「まあね、ちょっと。」
「へへ、そんなにパン好きだっけか?」
「智くんのパンなら食えるよ。」
「なんだよお、ありがと笑」
「そういえば、今日はあの子いないの?」
「…桜庭?」
「桜庭ちゃんって言うんだ。下の名前は?」
「なあ~んで教えなきゃいけねえの?」
「え~…だめ?」
「だめじゃねえけど…たしかランカかな?」
「桜庭ランカちゃんか。一緒じゃないの?」
「今日は仕事が忙しいみたいで。」
「そっかあ…」
「…こんにちは~。」
「あ、いらっしゃいませ~」
「あれ?」
「やっほ~、偶然だね!」
『終わった~!間に合った!我ながらグッジョブ!』
これでもかってくらいタイピングに力をかけたのは久しぶり。
もう肩も腰も目も痛いけど、達成感。
にしても、櫻井くんおそいなあ。
ゆっくりご飯食べてるのかな。
「戻りました~…」
少し元気がなさそうな櫻井くんが帰社した。
私は書類をもって櫻井くんの元へ駆け寄る。
『櫻井くん、これ、終わったよ!』
「あ、えっと、ありがと。」
なんだかぎこちなく書類を受け取る櫻井くん。
『なにかあった?』
「いや、なんもないっちゃないんだけど。」
『??』
「これ、ありがとな!助かったよ。あと…これ。」
櫻井くんは、大野さんのパン屋さんの袋を私にくれた。
『え!?大野さんとこ行ったの?!』
「桜庭に昼飯もおごってやりたかったから、さ。」
『うわあ~ありがと!お腹空いてたんだ!』
「いや…じゃあ俺、外回り行ってくるわ。」
『あ、うん…ありがとね!気を付けて。』
そそくさと書類をもって出かけていく。
お昼の間に何があったんだろ。
…大野さんとけんかしちゃった、とか?
『ま、そんなことないか。』
まさかね。
あんなに仲よさそうだったし。
『…わ~、いい匂い!』
私は櫻井くんから受け取った大野さんのパンの袋を開ける。
少し暖かくて、焼き立ての香ばしい香り。
中には、私の大好きなメロンパンと、もう一つ。
『…なんだろうこれ。』
紙で包まれたパン。
その紙には、”新作。特別に!智”と書かれている。
『智くんから…特別に!?!?!?』
智、と書かれていたからか、無意識に「智くん」と櫻井くんの呼び方になってしまっていたけど、私は気づいていなかった。
紙を開けると、中には丸くておっきなチョコパン。
『いただきます…!』
その新作を頬張る。
中には濃厚なチョコとふわふわもちもちの生地、外はメロンパンのクッキー生地のようなサクサクとした食感。
私の大好きが詰まったようなパン。
幸せ…
明日、お礼をしに行こう。
この時の私は、幸せの絶頂のような気分だった。
この気持ちを智くんに伝えられるという楽しみが出来たから。
この時までの、私は。