二宮
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突然の事で、時間が止まる。
「…おーい、聞いてます?」
『えっ、あっ、うん??』
「何度も言わせないでよ。」
もう一度右手の薬指を見る。
二宮にはめられた指輪がしっかり輝いてる。
『…本当?でも、加藤さん…』
「ああ…うん、大変だったけど…なんとか契約に影響出さないようにお断りしてきた。」
『お断り…?』
「さっき。呼び出されていったら婚約の話でさ、俺、今日桜庭に告白する予定だったから急いで断ったよね笑」
『にのみや…』
私は、二宮の何を見てたんだろう…
自分の気持ちを押し殺すことなんてなかったんだ。
「…でさ、好きな奴いないんでしょ?だったら…」
『いるよ、好きな人。』
「え……後出しはないでしょうよ…」
『…ごめん。』
「じゃあ…困らせる気はなかったから…」
『全然、困ってない。だって…私が好きなのは二宮だもん。』
「…あ…そう…嘘じゃ…ないよね?」
二宮は少し考えて、私の右手を握った。
二宮の手、ちっちゃくてふわふわしてる…
こんなに子犬みたいな人だったかな。
『嘘じゃないよ、ずっと好きだったよ。』
「…やった。」
そう小さくつぶやくと、二宮は私に抱き着いた。
『ちょ、二宮ッ…』
「よかったぁ…振られたら俺泣くもん。」
『…私だって、そうだったよ?』
「桜庭が告白してくれてたら俺は絶対断んないけどね。
…でも、俺から言えてよかった。俺のだって実感できる。」
いつもの”同期の”二宮じゃなく、私を好きでいてくれる”彼氏の”二宮の言葉として、胸が熱くなった。
想いが通じるって、こんなに嬉しかったんだ。
『ねえ?これって、”結婚を前提に”ってこと?』
「ふふ、ちげえよばーか。」
『え、恥ずかし、忘れて…』
「結婚なんて当たり前でしょ。絶対他の奴には渡さないしね。」
二宮はもっと私を強く抱きしめた。
私も、恥ずかしさと嬉しさを重ねて、強く抱きしめ返す。
「クリスマスに絶対告白しようと思ってたんだよ。
毎年思い出があるのは桜庭とだったから。」
『これからも、だね。』
「あったりまえ。」
翌日、いつも通り出社する。
「おはよう桜庭さん!ねえ見て!加藤さんのマフラーの写真消えてるのよ!なんかあったのかしら…」
『おはようございます。開口一番それですか笑』
「はよーございまー。」
「あ、噂をすれば二宮君じゃない!」
二宮も、いつも通りけだるそうに出社してきた。
首に、あのマフラーはない。
「ちょっと桜庭さん、二宮君にマフラーどうしたのって聞いてよ!」
『ええ…』
実は、こっそり私も気になってたこと。
…この際、聞いちゃうかな。
『おはよ、二宮。』
「…はよ。」
『なんか、機嫌悪い?』
「まあね。それよりどうした?」
『うん、えっと…この前付けてたマフラー…』
「あ~、やっぱり知られてんのか。」
知られてるってなに…?知られちゃまずかったの…?
「あれ加藤さんから貰ったんだけど、いらないって言ったら泣き出して…一日だけ付けたら捨てていいって言うから、その日だけつけて捨てたの。」
『…え、捨てたの?いや、捨てちゃダメでしょ。』
「うん、俺の好みでもないし、捨てていいって言ったし、何よりランカ以外にもらったものいらないし。そしたら加藤さん、SNSにわかりやすく載せてたからさすがに焦ったよね。ランカに知られるのが一番いやだから。」
二宮なりの対処だったんだ…。
嬉しいのか、なんだか複雑だけど。
『てか…え?今…』
「…なに。」
『いや、名前…呼び捨て…』
「…。」
『二宮?なんで怒ってるの?』
二宮は徒歩出勤で赤くなった鼻をすすりながら、
「なんでお前は名前で呼ばないの。」
『なんでって…そんな急に…それに会社だし…』
「ほかの社員に…俺のだってわかってもらわなきゃ困んの。」
『…やめてよ。恥ずかしい。』
「お前さ、自分が可愛いこと自覚したら?」
『もう!やめてってば!』
「じゃあ呼べよ。」
『…かず、なり。』
「…ん。おっけ。」
『……もう!』
まさか二宮…和也とこんな会話する日がくるなんて、数日前の私は想像もしてなかった。
「会社でいちゃつかないでください。」
「あ、潤くん。おはよ。」
『松本くん…』
「よかったねニノ。やっと付き合えたじゃん。」
『…へ?松本くん知ってたの?!』
「知ってましたよ、ずーっと前から。桜庭さんがニノへの気持ちに気づく前からね笑」
「潤くん…それ言わない約束…」
『ふふ…そういえば、和也私にキスしたよね?』
「…起きてたのかよ。」
『うん笑』
「ああもう、ほら、仕事。」
『あ、逃げた~!』
あの時の、3人で楽しく仕事をしていた時の感覚。
私が和也への恋心に気づく前までの。
…その想いに気が付いて、何度も傷ついて、泣いてばかりいたけど
それも悪いことじゃないのかもしれない。
あの時の感覚に少し違う気持ちが増えた。
和也が好き。
好きって気持ちを素直に出せるのは気持ちがいい。
私たちは会社でも隠すことなく、堂々と付き合っている。
2人の右手の薬指には、おそろいの指輪。
めちゃくちゃ高い高級ブランドなんかではないけれど
それが私たちらしい。
数年後、私たちの左手の薬指にはには、同じ指輪がはまっている。
「…おーい、聞いてます?」
『えっ、あっ、うん??』
「何度も言わせないでよ。」
もう一度右手の薬指を見る。
二宮にはめられた指輪がしっかり輝いてる。
『…本当?でも、加藤さん…』
「ああ…うん、大変だったけど…なんとか契約に影響出さないようにお断りしてきた。」
『お断り…?』
「さっき。呼び出されていったら婚約の話でさ、俺、今日桜庭に告白する予定だったから急いで断ったよね笑」
『にのみや…』
私は、二宮の何を見てたんだろう…
自分の気持ちを押し殺すことなんてなかったんだ。
「…でさ、好きな奴いないんでしょ?だったら…」
『いるよ、好きな人。』
「え……後出しはないでしょうよ…」
『…ごめん。』
「じゃあ…困らせる気はなかったから…」
『全然、困ってない。だって…私が好きなのは二宮だもん。』
「…あ…そう…嘘じゃ…ないよね?」
二宮は少し考えて、私の右手を握った。
二宮の手、ちっちゃくてふわふわしてる…
こんなに子犬みたいな人だったかな。
『嘘じゃないよ、ずっと好きだったよ。』
「…やった。」
そう小さくつぶやくと、二宮は私に抱き着いた。
『ちょ、二宮ッ…』
「よかったぁ…振られたら俺泣くもん。」
『…私だって、そうだったよ?』
「桜庭が告白してくれてたら俺は絶対断んないけどね。
…でも、俺から言えてよかった。俺のだって実感できる。」
いつもの”同期の”二宮じゃなく、私を好きでいてくれる”彼氏の”二宮の言葉として、胸が熱くなった。
想いが通じるって、こんなに嬉しかったんだ。
『ねえ?これって、”結婚を前提に”ってこと?』
「ふふ、ちげえよばーか。」
『え、恥ずかし、忘れて…』
「結婚なんて当たり前でしょ。絶対他の奴には渡さないしね。」
二宮はもっと私を強く抱きしめた。
私も、恥ずかしさと嬉しさを重ねて、強く抱きしめ返す。
「クリスマスに絶対告白しようと思ってたんだよ。
毎年思い出があるのは桜庭とだったから。」
『これからも、だね。』
「あったりまえ。」
翌日、いつも通り出社する。
「おはよう桜庭さん!ねえ見て!加藤さんのマフラーの写真消えてるのよ!なんかあったのかしら…」
『おはようございます。開口一番それですか笑』
「はよーございまー。」
「あ、噂をすれば二宮君じゃない!」
二宮も、いつも通りけだるそうに出社してきた。
首に、あのマフラーはない。
「ちょっと桜庭さん、二宮君にマフラーどうしたのって聞いてよ!」
『ええ…』
実は、こっそり私も気になってたこと。
…この際、聞いちゃうかな。
『おはよ、二宮。』
「…はよ。」
『なんか、機嫌悪い?』
「まあね。それよりどうした?」
『うん、えっと…この前付けてたマフラー…』
「あ~、やっぱり知られてんのか。」
知られてるってなに…?知られちゃまずかったの…?
「あれ加藤さんから貰ったんだけど、いらないって言ったら泣き出して…一日だけ付けたら捨てていいって言うから、その日だけつけて捨てたの。」
『…え、捨てたの?いや、捨てちゃダメでしょ。』
「うん、俺の好みでもないし、捨てていいって言ったし、何よりランカ以外にもらったものいらないし。そしたら加藤さん、SNSにわかりやすく載せてたからさすがに焦ったよね。ランカに知られるのが一番いやだから。」
二宮なりの対処だったんだ…。
嬉しいのか、なんだか複雑だけど。
『てか…え?今…』
「…なに。」
『いや、名前…呼び捨て…』
「…。」
『二宮?なんで怒ってるの?』
二宮は徒歩出勤で赤くなった鼻をすすりながら、
「なんでお前は名前で呼ばないの。」
『なんでって…そんな急に…それに会社だし…』
「ほかの社員に…俺のだってわかってもらわなきゃ困んの。」
『…やめてよ。恥ずかしい。』
「お前さ、自分が可愛いこと自覚したら?」
『もう!やめてってば!』
「じゃあ呼べよ。」
『…かず、なり。』
「…ん。おっけ。」
『……もう!』
まさか二宮…和也とこんな会話する日がくるなんて、数日前の私は想像もしてなかった。
「会社でいちゃつかないでください。」
「あ、潤くん。おはよ。」
『松本くん…』
「よかったねニノ。やっと付き合えたじゃん。」
『…へ?松本くん知ってたの?!』
「知ってましたよ、ずーっと前から。桜庭さんがニノへの気持ちに気づく前からね笑」
「潤くん…それ言わない約束…」
『ふふ…そういえば、和也私にキスしたよね?』
「…起きてたのかよ。」
『うん笑』
「ああもう、ほら、仕事。」
『あ、逃げた~!』
あの時の、3人で楽しく仕事をしていた時の感覚。
私が和也への恋心に気づく前までの。
…その想いに気が付いて、何度も傷ついて、泣いてばかりいたけど
それも悪いことじゃないのかもしれない。
あの時の感覚に少し違う気持ちが増えた。
和也が好き。
好きって気持ちを素直に出せるのは気持ちがいい。
私たちは会社でも隠すことなく、堂々と付き合っている。
2人の右手の薬指には、おそろいの指輪。
めちゃくちゃ高い高級ブランドなんかではないけれど
それが私たちらしい。
数年後、私たちの左手の薬指にはには、同じ指輪がはまっている。