二宮
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『ねえ…二宮?』
「…ん?」
じっとゲームのパッケージを見つめていた二宮の目がこちらを見つめる。
…あれ、二宮を見るときってこんなに緊張してたっけな…。
『あ、えっと…その…ね、プレゼントとは別に言いたいことがあって…』
「…なに?」
『その…私ね…二宮の…』
「あ、待って。」
『え…?』
二宮は私の言葉を遮って、携帯を見る。
ちらっと見えたその文字は…「加藤」
「…電話、出ていい?」
『あ…うん、大丈夫…。』
どうしよう…急に情けない、むなしい、諦めっていう…
心の折れる音がした。
このタイミングでこういう状況になるって…
私がとことん運に見放されているのか、はたまた加藤さんの運が強すぎるのか…。
どちらにしろ、私にその運命はないということかな。
『あ、じゃあ、私先に戻るね。』
「え、いやすぐ終わ…」
『じゃ!』
涙が出そうになるのを必死にこらえてデスクに戻る。
自分の思いを伝える前にこんなんじゃ、きっと振られたときの苦しみは計り知れない。
私ももうそんな傷つくことが怖くないくらい若くもない。
そうして、松本くんとの約束も果たせず、悔いも残る結果となった。
いつの間にかクリスマスイブも過ぎ、12月25日、クリスマス。
世間はクリスマスモードのラストスパート。
会社の窓から見えるきらびやかな装飾だらけの商店街。
私は、そんなことに目もくれず、仕事の追い込みをしていた。
「…桜庭さん。」
『あ、松本くん…』
「今日、クリスマスですよ。何してるんですか?」
『へへ…悔いを残して絶賛仕事中です。』
「…駄目だったんですか?」
『う~~ん…戦線離脱、かな。戦う前に逃げられちゃったっていうか…逃げちゃったっていうか…』
どちらでもない、二宮は私が告白する相手ではなかっただけ。
「…告白、しなかったんですか?」
『うん、きっとそれが正解だったんだと思う。』
自分から誰かに言うもんでもないけど、今年二宮からのプレゼントはなかった。
本人に言うのも、だからって非難するのも違うから。
きっと、それが答え。
「…あ~あ。俺が待った意味ないな~。」
『ごめんね、せっかく助言してくれたのに。』
「じゃあ、俺がもらっていい?」
『??』
「…桜庭さん。」
『ええ…?』
「ダメに決まってるでしょ、潤くん。」
どこからか聞き覚えのある声。
『二宮!?さっき帰ったんじゃ…』
「はい?帰るわけないでしょ、今日クリスマスなんだから。」
『ちょ、どういう…』
戸惑う私をよそに、松本くんと二宮が話す。
「…ちょっと遅いんじゃない?」
「俺にもいろいろあるのよ。だからって勝手に取らないでよ。」
「俺も桜庭さんも待ちくたびれたんだもん。」
『…ねえ、何の話?』
私が割って入ると、松本くんが二宮の背中をポンと押す。
「ニノがなんか話したいんだって。」
『…?』
「なんつー顔してんすか…なんもわかんないの?」
『いや、ごめん、わかんない…』
「はあ…今日、クリスマス。俺まだあなたにあげてないもんあるでしょ?」
『…プレゼント?』
「そ。」
本当は…ちょっとわかってた。
けど、もう貰えないもんだと思ってたし、二宮のクリスマスは例の人と…
「あげないわけないでしょ?忘れんなって。」
『…うん』
「てなわけで、これ、どうぞ。」
『ありがと…今あけてもいいの?』
「毎年目の前ですぐ開けてるじゃない、今日もそれを見越して今あげてんのよ。」
『うん…』
二宮に見守られながら、もらったプレゼントを開ける。
中に入ってたのは…
『え…指輪…?』
「…ん。」
今までのプレゼントはすべて「私服がダサいから」とコートだったり、「仕事だけの女だから」と万年筆セットだった。
アクセサリーなんて女の子らしいもの…初めて。
『ありがとう…!つけてみていい?』
「…だめ。」
『な、なんでよ…』
私の手から指輪を取り上げる二宮。
「…桜庭、今好きな奴とかいるの?」
『なに、急に…』
「いいから、いるの?」
『…。』
なんて言うのが正解?二宮が好きって?
今なら言えるんだろうけど、私は…
『…いないよ、そんなの。』
「…ふうん、ならよかった。」
『え?』
そういうと二宮は持っていた指輪を私の右手の薬指にはめた。
「あ、ぴったり。」
『にのみ…』
「俺、桜庭が好き。」
「…ん?」
じっとゲームのパッケージを見つめていた二宮の目がこちらを見つめる。
…あれ、二宮を見るときってこんなに緊張してたっけな…。
『あ、えっと…その…ね、プレゼントとは別に言いたいことがあって…』
「…なに?」
『その…私ね…二宮の…』
「あ、待って。」
『え…?』
二宮は私の言葉を遮って、携帯を見る。
ちらっと見えたその文字は…「加藤」
「…電話、出ていい?」
『あ…うん、大丈夫…。』
どうしよう…急に情けない、むなしい、諦めっていう…
心の折れる音がした。
このタイミングでこういう状況になるって…
私がとことん運に見放されているのか、はたまた加藤さんの運が強すぎるのか…。
どちらにしろ、私にその運命はないということかな。
『あ、じゃあ、私先に戻るね。』
「え、いやすぐ終わ…」
『じゃ!』
涙が出そうになるのを必死にこらえてデスクに戻る。
自分の思いを伝える前にこんなんじゃ、きっと振られたときの苦しみは計り知れない。
私ももうそんな傷つくことが怖くないくらい若くもない。
そうして、松本くんとの約束も果たせず、悔いも残る結果となった。
いつの間にかクリスマスイブも過ぎ、12月25日、クリスマス。
世間はクリスマスモードのラストスパート。
会社の窓から見えるきらびやかな装飾だらけの商店街。
私は、そんなことに目もくれず、仕事の追い込みをしていた。
「…桜庭さん。」
『あ、松本くん…』
「今日、クリスマスですよ。何してるんですか?」
『へへ…悔いを残して絶賛仕事中です。』
「…駄目だったんですか?」
『う~~ん…戦線離脱、かな。戦う前に逃げられちゃったっていうか…逃げちゃったっていうか…』
どちらでもない、二宮は私が告白する相手ではなかっただけ。
「…告白、しなかったんですか?」
『うん、きっとそれが正解だったんだと思う。』
自分から誰かに言うもんでもないけど、今年二宮からのプレゼントはなかった。
本人に言うのも、だからって非難するのも違うから。
きっと、それが答え。
「…あ~あ。俺が待った意味ないな~。」
『ごめんね、せっかく助言してくれたのに。』
「じゃあ、俺がもらっていい?」
『??』
「…桜庭さん。」
『ええ…?』
「ダメに決まってるでしょ、潤くん。」
どこからか聞き覚えのある声。
『二宮!?さっき帰ったんじゃ…』
「はい?帰るわけないでしょ、今日クリスマスなんだから。」
『ちょ、どういう…』
戸惑う私をよそに、松本くんと二宮が話す。
「…ちょっと遅いんじゃない?」
「俺にもいろいろあるのよ。だからって勝手に取らないでよ。」
「俺も桜庭さんも待ちくたびれたんだもん。」
『…ねえ、何の話?』
私が割って入ると、松本くんが二宮の背中をポンと押す。
「ニノがなんか話したいんだって。」
『…?』
「なんつー顔してんすか…なんもわかんないの?」
『いや、ごめん、わかんない…』
「はあ…今日、クリスマス。俺まだあなたにあげてないもんあるでしょ?」
『…プレゼント?』
「そ。」
本当は…ちょっとわかってた。
けど、もう貰えないもんだと思ってたし、二宮のクリスマスは例の人と…
「あげないわけないでしょ?忘れんなって。」
『…うん』
「てなわけで、これ、どうぞ。」
『ありがと…今あけてもいいの?』
「毎年目の前ですぐ開けてるじゃない、今日もそれを見越して今あげてんのよ。」
『うん…』
二宮に見守られながら、もらったプレゼントを開ける。
中に入ってたのは…
『え…指輪…?』
「…ん。」
今までのプレゼントはすべて「私服がダサいから」とコートだったり、「仕事だけの女だから」と万年筆セットだった。
アクセサリーなんて女の子らしいもの…初めて。
『ありがとう…!つけてみていい?』
「…だめ。」
『な、なんでよ…』
私の手から指輪を取り上げる二宮。
「…桜庭、今好きな奴とかいるの?」
『なに、急に…』
「いいから、いるの?」
『…。』
なんて言うのが正解?二宮が好きって?
今なら言えるんだろうけど、私は…
『…いないよ、そんなの。』
「…ふうん、ならよかった。」
『え?』
そういうと二宮は持っていた指輪を私の右手の薬指にはめた。
「あ、ぴったり。」
『にのみ…』
「俺、桜庭が好き。」