二宮
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会社から飲み会のお店まで二宮と歩く。
…二宮と二人っきりで歩くことなんて、今まであったっけ?
飲み会とかあっても他の社員いたりしたから、なかったはず。
少し前だったら、普通に歩いてたんだろうな。
「…ねえ、聞いてる?」
『…え?なに?』
「なにぼーっとしてんの?」
『ごめんごめん、企画書のことばっか考えてたからパンクしてる』
「仕事好きだねえ。」
『まあね。で、なんの話だっけ。』
だから~、と、二宮は自分の携帯のカレンダーを見せてきた。
指さしているのは、クリスマス。
『…もうそんな季節かあ。』
「じゃなくて、なんかほしいもんないの?」
『あ~~、考えてなかったなあ。』
私たちは毎年クリスマスにプレゼント交換をしてる。
…別に特別な感情はなかった。
ただ、同期が二人しかいないってのと、お互い恋人もいないからってことでいつからか毎年の習慣になっていた。
『二宮は?今年は何がいいの?』
「う~~~ん、車。」
『あんた毎回突拍子もないこと言うよね。』
「嘘。好きなものが欲しい。」
『またアバウトな…』
二宮はにこっと笑う。
「くれんの?」
『好きなものを教えなさいって。』
「…当ててみてよ、んで当日ちょうだい。」
『はあ~~?文句言わないでよ?』
「言わないよ~。」
少し小走りで私の前に来る。
その姿はまるで子犬。
…あざといよね。
「で?桜庭は何が欲しいの?」
…考えても出てこない。
数年同じようなやり取りをしてきて絞り出してしまった。
ただ、今なんとなく浮かんだのは
目の前にいる人が欲しい。
…なんてね。
こんなこと、口が裂けても言えない。
『じゃあ、私も好きなものが欲しい。』
「うわ、ずるい。」
『二宮が言ったんでしょ。』
「ん~…そういえば桜庭ってマフラーとか巻かないよね。」
『買ってまではいいかな~って。』
「…ふーん。」
『あ、マフラーくれんの?』
「そんな単純なやつじゃないでしょ。」
『ふふ、そっか。』
…こんな会話してるけど、数時間後には二宮を他の人とくっつけなきゃいけないんだよね。
なかなかキツイ。
「…あの時さ、起きてた?」
『ん?』
「桜庭が残業してた時。」
…え、急にぶっこんできた?
今までスルーだったのに?
『いや、なんのこと…』
「…二人の時間なくて、今まで聞けなかったんだけど。」
『そういうことだったのね…』
「やっぱ起きてたんすね。」
『…あ。』
私の馬鹿…。
「あれ、さ、なんで寝たふりしてたの?」
『いや、そりゃびっくりして…』
「…嫌じゃなかったの?」
これ…どう答えればいいの?
本当は、全然嫌じゃなかった。
けど嫌じゃなかったって言ったら私の気持ち言ってるようなもんでしょ。
嫌って言うのも、ね…?
『…っていうか、なんであんなことしたの?』
そうだ…。話をそらそうと思ったけど、まずこれでしょ。
ずっと気になってた。
「…そんなん、理由なんて一個しかないっしょ。」
『…それってさ…』
「おお!二宮君!」
「あ、加藤さん…」
道中、得意先の社長と、娘にあたる加藤さん、その他担当の人鉢合わせた。
…加藤さん、えらいおしゃれ決めてるなぁ…。
加藤さんは二宮を見つけるや否や、私の事なんて見えてないように二宮の元へ駆け寄ってきた。
「二宮くん!今日はよろしくね。」
「ああ、よろしくね。」
…二宮くん。ため口。か。
いつの間にそんなに距離縮めてたのよ。
…また、浮かれてしまった。
落ちることなんてわかってたはずなのに。
「あ、えっと…」
『…桜庭です。』
「桜庭さんもお願いしますね!」
『はーい…』
完全に私の名前は忘れてましたね。
「桜庭さ~ん!」
『あ、松本くん!良かった間に合って。』
「はい、なんとか。あ、もう加藤さんたちも来てたんですね。」
『あの通り、向こうは二宮しか目に入ってないみたいだけどね。』
「俺らはその他大勢って感じですね。」
二宮と加藤さん親子はもうお店に入りながら談笑している。
私たちはすでに蚊帳の外。置いてけぼり状態だ。
『私たちも入ろうか?』
「…ですね。」
得意先の担当の方も含めて、私たち”モブキャラ”もお店に入った。
…二宮と二人っきりで歩くことなんて、今まであったっけ?
飲み会とかあっても他の社員いたりしたから、なかったはず。
少し前だったら、普通に歩いてたんだろうな。
「…ねえ、聞いてる?」
『…え?なに?』
「なにぼーっとしてんの?」
『ごめんごめん、企画書のことばっか考えてたからパンクしてる』
「仕事好きだねえ。」
『まあね。で、なんの話だっけ。』
だから~、と、二宮は自分の携帯のカレンダーを見せてきた。
指さしているのは、クリスマス。
『…もうそんな季節かあ。』
「じゃなくて、なんかほしいもんないの?」
『あ~~、考えてなかったなあ。』
私たちは毎年クリスマスにプレゼント交換をしてる。
…別に特別な感情はなかった。
ただ、同期が二人しかいないってのと、お互い恋人もいないからってことでいつからか毎年の習慣になっていた。
『二宮は?今年は何がいいの?』
「う~~~ん、車。」
『あんた毎回突拍子もないこと言うよね。』
「嘘。好きなものが欲しい。」
『またアバウトな…』
二宮はにこっと笑う。
「くれんの?」
『好きなものを教えなさいって。』
「…当ててみてよ、んで当日ちょうだい。」
『はあ~~?文句言わないでよ?』
「言わないよ~。」
少し小走りで私の前に来る。
その姿はまるで子犬。
…あざといよね。
「で?桜庭は何が欲しいの?」
…考えても出てこない。
数年同じようなやり取りをしてきて絞り出してしまった。
ただ、今なんとなく浮かんだのは
目の前にいる人が欲しい。
…なんてね。
こんなこと、口が裂けても言えない。
『じゃあ、私も好きなものが欲しい。』
「うわ、ずるい。」
『二宮が言ったんでしょ。』
「ん~…そういえば桜庭ってマフラーとか巻かないよね。」
『買ってまではいいかな~って。』
「…ふーん。」
『あ、マフラーくれんの?』
「そんな単純なやつじゃないでしょ。」
『ふふ、そっか。』
…こんな会話してるけど、数時間後には二宮を他の人とくっつけなきゃいけないんだよね。
なかなかキツイ。
「…あの時さ、起きてた?」
『ん?』
「桜庭が残業してた時。」
…え、急にぶっこんできた?
今までスルーだったのに?
『いや、なんのこと…』
「…二人の時間なくて、今まで聞けなかったんだけど。」
『そういうことだったのね…』
「やっぱ起きてたんすね。」
『…あ。』
私の馬鹿…。
「あれ、さ、なんで寝たふりしてたの?」
『いや、そりゃびっくりして…』
「…嫌じゃなかったの?」
これ…どう答えればいいの?
本当は、全然嫌じゃなかった。
けど嫌じゃなかったって言ったら私の気持ち言ってるようなもんでしょ。
嫌って言うのも、ね…?
『…っていうか、なんであんなことしたの?』
そうだ…。話をそらそうと思ったけど、まずこれでしょ。
ずっと気になってた。
「…そんなん、理由なんて一個しかないっしょ。」
『…それってさ…』
「おお!二宮君!」
「あ、加藤さん…」
道中、得意先の社長と、娘にあたる加藤さん、その他担当の人鉢合わせた。
…加藤さん、えらいおしゃれ決めてるなぁ…。
加藤さんは二宮を見つけるや否や、私の事なんて見えてないように二宮の元へ駆け寄ってきた。
「二宮くん!今日はよろしくね。」
「ああ、よろしくね。」
…二宮くん。ため口。か。
いつの間にそんなに距離縮めてたのよ。
…また、浮かれてしまった。
落ちることなんてわかってたはずなのに。
「あ、えっと…」
『…桜庭です。』
「桜庭さんもお願いしますね!」
『はーい…』
完全に私の名前は忘れてましたね。
「桜庭さ~ん!」
『あ、松本くん!良かった間に合って。』
「はい、なんとか。あ、もう加藤さんたちも来てたんですね。」
『あの通り、向こうは二宮しか目に入ってないみたいだけどね。』
「俺らはその他大勢って感じですね。」
二宮と加藤さん親子はもうお店に入りながら談笑している。
私たちはすでに蚊帳の外。置いてけぼり状態だ。
『私たちも入ろうか?』
「…ですね。」
得意先の担当の方も含めて、私たち”モブキャラ”もお店に入った。