二宮
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「…桜庭?寝てんの?…おーい。」
…
「…。」
私に話しかけているのは二宮和也。
残業で疲れて寝てしまっていた私に話しかけている。
…正確には、”寝たふりをしている私”に話しかけている。
じゃあなぜ寝たふりをしているのか。
話は数分前にさかのぼる。
「お疲れ様でーす。」
「お疲れー」
「…あれ?桜庭さん帰らないんですか?」
『ああ、私は明日の得意先との打ち合わせ資料の確認を…』
「桜庭さんってやっぱ真面目ですね~」
「頭のキャパが狭いから必死なんでしょ?」
『…二宮…あんたねえ…』
「ふふふ」
二宮は会社の同期。
同期の中でも気が合って、友達みたいな感覚。
それゆえにお互いいじりあうのも日常。
『あんたの頭は馬鹿みたいに屁理屈しか入ってないじゃない。』
「それあなたに言われたくないけど。」
「はは…相変わらずっすね。」
『松本くんも何か言ってよ』
「潤くんは俺の味方なんで~」
「別にどっちのってわけじゃないっすけどね笑
じゃあ、俺はお先に失礼しまーす。」
後輩の松本くん。
二宮とは高校が一緒だったとかなんとか。
「じゃ、俺も帰ろ。」
『はいはい、お疲れ。』
二宮が松本くんの後を追って帰っていく。
私は目の前の資料を睨みつけた。
『…キャパが狭いだなんて失礼だわほんと。』
はぁ~あ。とため息をついて、資料に目を通す。
ところどころ誤字脱字を見つけては修正をかける。
…よかった。確認しておいて…。
結構修正点や改善点が見つかった。
その分、時間もかかってしまった。
そして、気づけば寝てしまっていた。
目を覚ましたのは、誰かの話し声が聞こえたから。
『…んん…二宮…?』
「だから~、資料の訂正。桜庭が今必死にやってんのよ。
あれ作ったのお前でしょ?お前も明日朝早く来て確認しろって言ってんの。」
二宮は、この資料を作った後輩と電話をしているみたいだった。
…ちょっとは心配してくれてんだ…。
ってかまだ帰ってなかったんじゃん。
「…あいつの頑張り、無駄にしてやんなよ。」
『…。』
なに…いつもはそんなん言わないくせに。
二宮は電話を切って私のデスクへ向かってくる。
…え、なんか気まずい。
私はパッチリ起きた目を再度閉じて寝たふりをした。
「…まだ残ってた。おーい、もう遅いぞー。」
『……。』
「…桜庭?寝てんの?…おーい。」
…
二宮の声が聞こえなくなる。
どうしたんだろ。
「…寝てんのは可愛いんだけどなあ。」
ちょ、何言ってんの…。
てか起きてたら可愛くないんかい。
それはそれで失礼だな。
「……桜庭。」
二宮は、私の名前を一回呼んで、
私に、キスをした。
…なに、が、起きたの。
動揺で心臓がバクバクしている。
「おーきろー、もう帰るぞー。」
『…ん。んん…』
私は、さも今起きたかのようにふるまった。
「いつまでやってんだよ。」
『…なんでいんの。』
「忘れもんしたの。あなたは何時間かかってるんですか。」
『別にいいでしょ…』
「ほら、送るから」
『いやいや、大丈夫だから。』
「さすがにこの時間に一人はバカ。」
『…なんなのよ…』
多分、二宮はいつも通り。
私が…起きてたなんて知らないから。
私はあんなことされて、フィルターがかかってしまっている。
二宮が、少し違って見えてた。
「帰ろ。」
『…はいはい。』
私は資料を片付けて、二宮と会社を後にした。
帰り道は、いつものように二人でけなしあいながら帰った。
うん、きっと何かの間違い。
私たちもいい大人だし、こんなこといちいち気にしてらんない。
二宮はきっと、うん、欲求不満なんだわ。
私も大人なんだから、それくらい見逃してあげようじゃないの。
…と、無理やり自分を言い聞かせた。
「…だからさ、あなたは馬鹿だからそういう考えになるのよ。」
『あんま人の事をばかばか言ってると嫌われるよ。』
「それで嫌うやつとは仲良くなれないからいいけど。」
『ほんっと性格ひねくれてるよね。』
「似たもの同士じゃん。」
『一緒にしないでよ。』
「そんなんじゃ一生彼氏なんてできないでしょうね。」
『そのままそっくりお返ししますね。』
…彼氏、か。
さっきの事、やっぱり思い出してしまう。
二宮はどういう意図で私にあんなことしたんだろう。
…
「…。」
私に話しかけているのは二宮和也。
残業で疲れて寝てしまっていた私に話しかけている。
…正確には、”寝たふりをしている私”に話しかけている。
じゃあなぜ寝たふりをしているのか。
話は数分前にさかのぼる。
「お疲れ様でーす。」
「お疲れー」
「…あれ?桜庭さん帰らないんですか?」
『ああ、私は明日の得意先との打ち合わせ資料の確認を…』
「桜庭さんってやっぱ真面目ですね~」
「頭のキャパが狭いから必死なんでしょ?」
『…二宮…あんたねえ…』
「ふふふ」
二宮は会社の同期。
同期の中でも気が合って、友達みたいな感覚。
それゆえにお互いいじりあうのも日常。
『あんたの頭は馬鹿みたいに屁理屈しか入ってないじゃない。』
「それあなたに言われたくないけど。」
「はは…相変わらずっすね。」
『松本くんも何か言ってよ』
「潤くんは俺の味方なんで~」
「別にどっちのってわけじゃないっすけどね笑
じゃあ、俺はお先に失礼しまーす。」
後輩の松本くん。
二宮とは高校が一緒だったとかなんとか。
「じゃ、俺も帰ろ。」
『はいはい、お疲れ。』
二宮が松本くんの後を追って帰っていく。
私は目の前の資料を睨みつけた。
『…キャパが狭いだなんて失礼だわほんと。』
はぁ~あ。とため息をついて、資料に目を通す。
ところどころ誤字脱字を見つけては修正をかける。
…よかった。確認しておいて…。
結構修正点や改善点が見つかった。
その分、時間もかかってしまった。
そして、気づけば寝てしまっていた。
目を覚ましたのは、誰かの話し声が聞こえたから。
『…んん…二宮…?』
「だから~、資料の訂正。桜庭が今必死にやってんのよ。
あれ作ったのお前でしょ?お前も明日朝早く来て確認しろって言ってんの。」
二宮は、この資料を作った後輩と電話をしているみたいだった。
…ちょっとは心配してくれてんだ…。
ってかまだ帰ってなかったんじゃん。
「…あいつの頑張り、無駄にしてやんなよ。」
『…。』
なに…いつもはそんなん言わないくせに。
二宮は電話を切って私のデスクへ向かってくる。
…え、なんか気まずい。
私はパッチリ起きた目を再度閉じて寝たふりをした。
「…まだ残ってた。おーい、もう遅いぞー。」
『……。』
「…桜庭?寝てんの?…おーい。」
…
二宮の声が聞こえなくなる。
どうしたんだろ。
「…寝てんのは可愛いんだけどなあ。」
ちょ、何言ってんの…。
てか起きてたら可愛くないんかい。
それはそれで失礼だな。
「……桜庭。」
二宮は、私の名前を一回呼んで、
私に、キスをした。
…なに、が、起きたの。
動揺で心臓がバクバクしている。
「おーきろー、もう帰るぞー。」
『…ん。んん…』
私は、さも今起きたかのようにふるまった。
「いつまでやってんだよ。」
『…なんでいんの。』
「忘れもんしたの。あなたは何時間かかってるんですか。」
『別にいいでしょ…』
「ほら、送るから」
『いやいや、大丈夫だから。』
「さすがにこの時間に一人はバカ。」
『…なんなのよ…』
多分、二宮はいつも通り。
私が…起きてたなんて知らないから。
私はあんなことされて、フィルターがかかってしまっている。
二宮が、少し違って見えてた。
「帰ろ。」
『…はいはい。』
私は資料を片付けて、二宮と会社を後にした。
帰り道は、いつものように二人でけなしあいながら帰った。
うん、きっと何かの間違い。
私たちもいい大人だし、こんなこといちいち気にしてらんない。
二宮はきっと、うん、欲求不満なんだわ。
私も大人なんだから、それくらい見逃してあげようじゃないの。
…と、無理やり自分を言い聞かせた。
「…だからさ、あなたは馬鹿だからそういう考えになるのよ。」
『あんま人の事をばかばか言ってると嫌われるよ。』
「それで嫌うやつとは仲良くなれないからいいけど。」
『ほんっと性格ひねくれてるよね。』
「似たもの同士じゃん。」
『一緒にしないでよ。』
「そんなんじゃ一生彼氏なんてできないでしょうね。」
『そのままそっくりお返ししますね。』
…彼氏、か。
さっきの事、やっぱり思い出してしまう。
二宮はどういう意図で私にあんなことしたんだろう。