バトミントン部の先輩
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…
最後の授業のチャイムが鳴る。
放課後、みんなはそれぞれ部活へ行ったり、家にそのまま帰ったり、
寄り道の計画を立てる人がいる。
私は、今までずっと、家に直行で帰る放課後だった。
「ランカちゃん、今日いく?」
にのくん。
にのくんともよく話すようになった。
前は「二宮君」って呼んでたけど
ある人の影響で「にのくん」と呼ぶようになった。
「大野さんとこ」
そう、私の大好きな人。
大野智先輩。
『ふふっ、もちろんだよ』
今では大野先輩のことも
『智君、今日もかっこいいんだろうな~』
智君、って呼んでる。
「はいはい、そんなん今更っしょ」
『にのくんも本当、智君のこと好きだよね~』
「俺のほうが大野歴長いんで」
『それは言わない約束でしょ!』
「んふふ、そうでしたっけ」
にのくんは「お先で~す」と言いながらそそくさと
体育館へ向かった。
『あ!また抜け駆け?!』
そんなにのくんは運動をまるっきりしない。
体育の授業をやる気なく受けるくらい。
『遅いよ~にのく~ん』
「……うるさ。」
先についたのは私。
『智君、どこかな…』
「ランカ~!」
愛しい声が私を呼ぶ。
『智君!!』
「ふふ、今日も練習見に来てくれたの?」
『もう毎日来てるでしょ!日課だもん』
「そんなんされたらおいら毎日頑張らなきゃだな~」
「苦痛ですね」
『なんか言った?』
3人で笑いあう放課後。
幸せな日常。
「あ…大野くんの彼女ってあの子?」
「え~なんか普通じゃん。てか年下?」
「あれに大野君とられたの?ありえない笑」
そんななか、もちろん幸せな事ばかりじゃない。
智君はほぼ全校生徒が知っている存在だった。
その独特な雰囲気や才能、性格、容姿。
ただバトミントンが上手いからじゃない。
私やにのくんみたいに、男女から好かれる存在。
そんな智君に彼女ができたとなれば。
それがこんな何のとりえもない女となれば。
『そりゃそうだ…』
小さくつぶやく。
「…言わせときゃいいのよ」
にのくんはそう言ってくれた。
『…ふふ、だね。』
私もそう、気にしても仕方ない。
けど、一人だけそうでもない人がいた。
「おいらは気になる。腹立つ。」
『ちょ、智君!?』
珍しくご立腹な智君は、その女の子たちのもとへ向かった。
『ねえ、どうしよ』
「…大野さん、変わったな~」
『ねえにのくん、止めないと…』
なんでよ、と余裕そうに笑うにのくん。
智君が女の子たちに声をかける。
「ねね。」
「あっ、大野くん!どうしよ、話しかけられた~!」
「練習見に来たの~!やばいかっこいい~」
「この前の試合は残念だったけど、あれは大野くんのせいじゃないよね~」
「あの一年と組まされるとかかわいそうだった!」
「あとあの子、彼女になったの?」
「そうそうアイツ!大野くんさ、やめたほうがいいよ!」
女の子数人がたたみかけるように智君に話しかける。
「こ~れは面白くなるぞ」
『笑い事じゃないでしょにのくん…』
「あのさ、目障りなんだよね。うるさいの。」
「…え?」
「いや、うちら大野くんの応援に…」
「いらない。」
「は?なにそれ…」
「いや大野くん聞いてってば」
「アイツも来てんじゃん」
「…いい加減にして」
ゾクっとした。
智君のあんな顔…初めて見た。
「おめえらにアイツ呼ばわりされる子じゃねえんだよね。」
「つうか…ランカの事あと一言でも言ったら…」
「いや、ちょ、もういこ…」
「う、うん…」
「こんな顔すんだ…」
女の子たちはおびえながら体育館を去っていった。
「怒らせるとこえーのよあの人は」
『…みたいだね…気をつけよ…』
「おそらくあなたに怒ることなんてないけどね」
さっきの表情とは打って変わって、
いつもの笑顔で戻ってくる智君。
「ごめんごめん~」
『いや、うん、大丈夫』
「いやいやビビってんじゃないすか笑」
「あ~…マジごめん。なんかおいらイライラしちゃって」
『…ううん、私のため、だったんだよね?』
「…うん」
『…ふふ、うれしかった』
私は智君を抱きしめた。
「ランカ…だからかな。好きな人の事言われたらおいらもこんなんなるんだってびっくりしちゃった」
きゅっと軽く抱きしめ返してくれる智君。
「ほんとあんたらは…」
前言撤回。
私は今日も、智君の彼女として。
毎日幸せに過ごしている。
智君といると、幸せなことでいっぱいだ。
END.
⇒other story
最後の授業のチャイムが鳴る。
放課後、みんなはそれぞれ部活へ行ったり、家にそのまま帰ったり、
寄り道の計画を立てる人がいる。
私は、今までずっと、家に直行で帰る放課後だった。
「ランカちゃん、今日いく?」
にのくん。
にのくんともよく話すようになった。
前は「二宮君」って呼んでたけど
ある人の影響で「にのくん」と呼ぶようになった。
「大野さんとこ」
そう、私の大好きな人。
大野智先輩。
『ふふっ、もちろんだよ』
今では大野先輩のことも
『智君、今日もかっこいいんだろうな~』
智君、って呼んでる。
「はいはい、そんなん今更っしょ」
『にのくんも本当、智君のこと好きだよね~』
「俺のほうが大野歴長いんで」
『それは言わない約束でしょ!』
「んふふ、そうでしたっけ」
にのくんは「お先で~す」と言いながらそそくさと
体育館へ向かった。
『あ!また抜け駆け?!』
そんなにのくんは運動をまるっきりしない。
体育の授業をやる気なく受けるくらい。
『遅いよ~にのく~ん』
「……うるさ。」
先についたのは私。
『智君、どこかな…』
「ランカ~!」
愛しい声が私を呼ぶ。
『智君!!』
「ふふ、今日も練習見に来てくれたの?」
『もう毎日来てるでしょ!日課だもん』
「そんなんされたらおいら毎日頑張らなきゃだな~」
「苦痛ですね」
『なんか言った?』
3人で笑いあう放課後。
幸せな日常。
「あ…大野くんの彼女ってあの子?」
「え~なんか普通じゃん。てか年下?」
「あれに大野君とられたの?ありえない笑」
そんななか、もちろん幸せな事ばかりじゃない。
智君はほぼ全校生徒が知っている存在だった。
その独特な雰囲気や才能、性格、容姿。
ただバトミントンが上手いからじゃない。
私やにのくんみたいに、男女から好かれる存在。
そんな智君に彼女ができたとなれば。
それがこんな何のとりえもない女となれば。
『そりゃそうだ…』
小さくつぶやく。
「…言わせときゃいいのよ」
にのくんはそう言ってくれた。
『…ふふ、だね。』
私もそう、気にしても仕方ない。
けど、一人だけそうでもない人がいた。
「おいらは気になる。腹立つ。」
『ちょ、智君!?』
珍しくご立腹な智君は、その女の子たちのもとへ向かった。
『ねえ、どうしよ』
「…大野さん、変わったな~」
『ねえにのくん、止めないと…』
なんでよ、と余裕そうに笑うにのくん。
智君が女の子たちに声をかける。
「ねね。」
「あっ、大野くん!どうしよ、話しかけられた~!」
「練習見に来たの~!やばいかっこいい~」
「この前の試合は残念だったけど、あれは大野くんのせいじゃないよね~」
「あの一年と組まされるとかかわいそうだった!」
「あとあの子、彼女になったの?」
「そうそうアイツ!大野くんさ、やめたほうがいいよ!」
女の子数人がたたみかけるように智君に話しかける。
「こ~れは面白くなるぞ」
『笑い事じゃないでしょにのくん…』
「あのさ、目障りなんだよね。うるさいの。」
「…え?」
「いや、うちら大野くんの応援に…」
「いらない。」
「は?なにそれ…」
「いや大野くん聞いてってば」
「アイツも来てんじゃん」
「…いい加減にして」
ゾクっとした。
智君のあんな顔…初めて見た。
「おめえらにアイツ呼ばわりされる子じゃねえんだよね。」
「つうか…ランカの事あと一言でも言ったら…」
「いや、ちょ、もういこ…」
「う、うん…」
「こんな顔すんだ…」
女の子たちはおびえながら体育館を去っていった。
「怒らせるとこえーのよあの人は」
『…みたいだね…気をつけよ…』
「おそらくあなたに怒ることなんてないけどね」
さっきの表情とは打って変わって、
いつもの笑顔で戻ってくる智君。
「ごめんごめん~」
『いや、うん、大丈夫』
「いやいやビビってんじゃないすか笑」
「あ~…マジごめん。なんかおいらイライラしちゃって」
『…ううん、私のため、だったんだよね?』
「…うん」
『…ふふ、うれしかった』
私は智君を抱きしめた。
「ランカ…だからかな。好きな人の事言われたらおいらもこんなんなるんだってびっくりしちゃった」
きゅっと軽く抱きしめ返してくれる智君。
「ほんとあんたらは…」
前言撤回。
私は今日も、智君の彼女として。
毎日幸せに過ごしている。
智君といると、幸せなことでいっぱいだ。
END.
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