バトミントン部の先輩
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「…さて、と。お迎えにあがりますか。」
『うん…。』
「あなたがそんな顔してたら、大野さん泣いちゃうよ」
『さすがに泣かないでしょ…』
二宮君と、選手が出てくる広場まで歩く。
『…あ、大野先輩…。』
大野先輩は、泣き崩れているあの一年生の頭を
ポンポンとなでながら出てきた。
「ごめ、ごめんなさ…」
「なんだよ、お前上手かったじゃん。」
「でも、みんなは僕のせいで…」
「みんなは知らねえんだよ、おいらが練習さぼってたこと。
お前のせいだけは絶対ねえから。」
ああ、大野先輩のそんなところ見せられちゃったら
私があきらめきれないよ。
大野先輩への気持ちが抑えきれなくなっていた。
大野先輩が私たちを見つけたみたいだけど、
ふっと目を逸らされた。
「…ま、ここはあなたの役目でしょ」
そういうと、二宮君はどこかへ行ってしまった。
『あの…大野先輩』
大野先輩に駆け寄る。
「…おいら、カッコ悪いわ…顔合わせらんねえや…」
『そんなことないです!すっごくカッコよかったですよ。』
「へへ…なんか、ごめん」
『謝ること、ないです…』
大野先輩が顔に手を持っていく。
『せん、ぱい?』
「あれ、なんだこれ…うわ~、情けねえ~…」
大野先輩の手に、涙が伝う。
「おいら、すげえガチだったんだな~…涙なんか出ちった」
へへ、と力なく笑う大野先輩。
「あ…約束、ごめん、なかったことに…」
『約束!』
なかったことに、なんて言わないで。
『約束…は…大野先輩との約束は、なくなっちゃいましたけど…!』
『私から、お伝えしたいことがあります!』
「…え…」
ぐすっと鼻をすすり、涙をぬぐう大野先輩。
『大野先輩は…ふわっと笑う笑顔が素敵です。
誰にでも優しく接するとこも、真剣な表情も
全部全部、素敵です!
それで…えっと…その…』
ここまで来て肝心な言葉が出ない自分に焦る。
初めての告白。
「そりゃずりーって。」
『…え?』
涙目のままの大野先輩がふふっと笑って
「すんげえ情けねえけど、今おいら幸せな瞬間かも」
初めて見るくらいの笑顔。
『…!』
『…大野先輩。
好きです、大好きです。
私と…付き合ってくだ…さい…』
「…んふふ…やっぱ幸せ。」
『…あの、なんて…』
大野先輩の声が聞き取れず、少し前のめりになったところを
『うぇっ?』
ぎゅっと抱きしめられた。
「好きな人から告白されるのって、すんげえ幸せだね…」
『おおのせんぱ…』
「今度、またおいらからも言わせてね。」
『…ふふ、楽しみにしてますね…!』
大野先輩の胸の中で満面の笑みになる。
こんな顔、恥ずかしくて見せらんないな…
「すーげえ顔。」
『…!?』
「ふふ、にの~。」
どこからかふっと現れた二宮君。
『な、なんでわかんのよ…』
「大野さんと似てんのよ、あなた。まったく同じ顔してんだろうなってね」
「似てんのかな、へへ」
『見えない表情まで読みとらないでよね…』
二宮君の観察力に恥ずかしくなって大野先輩の胸に
再度顔をうずめる。
こんなに幸せな感情。
初めてかもしれない。
「どうでもいいっすけど、そろそろ離れたほうがいんじゃない?
周りの目気にしないタイプでもないでしょあんたら。」
大野先輩と私は、ふと我に返る。
他校のバトミントン部や、観戦に来た人達の視線が…
刺さる。
『あ、えっと、』
「やべ、めっちゃ恥ずかしい」
「ったく。」
さっと離れて、手だけつなぐ。
「んじゃ俺腹減ったんでかえりまーす」
「おいニノ!…いこ!」
にこっと笑う大野先輩。
今日からこの人の…彼女。
今の私も、きっとこの大野先輩みたいな顔してんのかな。
それなら、幸せだな。
私はこれから、もっとこの人の朗らかさに
幸福をもらうんだろう。
END.
⇒after story
『うん…。』
「あなたがそんな顔してたら、大野さん泣いちゃうよ」
『さすがに泣かないでしょ…』
二宮君と、選手が出てくる広場まで歩く。
『…あ、大野先輩…。』
大野先輩は、泣き崩れているあの一年生の頭を
ポンポンとなでながら出てきた。
「ごめ、ごめんなさ…」
「なんだよ、お前上手かったじゃん。」
「でも、みんなは僕のせいで…」
「みんなは知らねえんだよ、おいらが練習さぼってたこと。
お前のせいだけは絶対ねえから。」
ああ、大野先輩のそんなところ見せられちゃったら
私があきらめきれないよ。
大野先輩への気持ちが抑えきれなくなっていた。
大野先輩が私たちを見つけたみたいだけど、
ふっと目を逸らされた。
「…ま、ここはあなたの役目でしょ」
そういうと、二宮君はどこかへ行ってしまった。
『あの…大野先輩』
大野先輩に駆け寄る。
「…おいら、カッコ悪いわ…顔合わせらんねえや…」
『そんなことないです!すっごくカッコよかったですよ。』
「へへ…なんか、ごめん」
『謝ること、ないです…』
大野先輩が顔に手を持っていく。
『せん、ぱい?』
「あれ、なんだこれ…うわ~、情けねえ~…」
大野先輩の手に、涙が伝う。
「おいら、すげえガチだったんだな~…涙なんか出ちった」
へへ、と力なく笑う大野先輩。
「あ…約束、ごめん、なかったことに…」
『約束!』
なかったことに、なんて言わないで。
『約束…は…大野先輩との約束は、なくなっちゃいましたけど…!』
『私から、お伝えしたいことがあります!』
「…え…」
ぐすっと鼻をすすり、涙をぬぐう大野先輩。
『大野先輩は…ふわっと笑う笑顔が素敵です。
誰にでも優しく接するとこも、真剣な表情も
全部全部、素敵です!
それで…えっと…その…』
ここまで来て肝心な言葉が出ない自分に焦る。
初めての告白。
「そりゃずりーって。」
『…え?』
涙目のままの大野先輩がふふっと笑って
「すんげえ情けねえけど、今おいら幸せな瞬間かも」
初めて見るくらいの笑顔。
『…!』
『…大野先輩。
好きです、大好きです。
私と…付き合ってくだ…さい…』
「…んふふ…やっぱ幸せ。」
『…あの、なんて…』
大野先輩の声が聞き取れず、少し前のめりになったところを
『うぇっ?』
ぎゅっと抱きしめられた。
「好きな人から告白されるのって、すんげえ幸せだね…」
『おおのせんぱ…』
「今度、またおいらからも言わせてね。」
『…ふふ、楽しみにしてますね…!』
大野先輩の胸の中で満面の笑みになる。
こんな顔、恥ずかしくて見せらんないな…
「すーげえ顔。」
『…!?』
「ふふ、にの~。」
どこからかふっと現れた二宮君。
『な、なんでわかんのよ…』
「大野さんと似てんのよ、あなた。まったく同じ顔してんだろうなってね」
「似てんのかな、へへ」
『見えない表情まで読みとらないでよね…』
二宮君の観察力に恥ずかしくなって大野先輩の胸に
再度顔をうずめる。
こんなに幸せな感情。
初めてかもしれない。
「どうでもいいっすけど、そろそろ離れたほうがいんじゃない?
周りの目気にしないタイプでもないでしょあんたら。」
大野先輩と私は、ふと我に返る。
他校のバトミントン部や、観戦に来た人達の視線が…
刺さる。
『あ、えっと、』
「やべ、めっちゃ恥ずかしい」
「ったく。」
さっと離れて、手だけつなぐ。
「んじゃ俺腹減ったんでかえりまーす」
「おいニノ!…いこ!」
にこっと笑う大野先輩。
今日からこの人の…彼女。
今の私も、きっとこの大野先輩みたいな顔してんのかな。
それなら、幸せだな。
私はこれから、もっとこの人の朗らかさに
幸福をもらうんだろう。
END.
⇒after story