野球部員の幼馴染
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キーンコーン…
お昼のチャイムが鳴る。
午前中の授業はほとんど上の空だった。
いつも通り、サクラがお弁当を持って私の席に来る。
「ランカ?潤ちゃん誘ってご飯食べよ…?」
『…うん。けど、相葉先輩と食べなくていいの?』
「今日はね、みんなで食べたいの!」
『…そっか。』
平常心にはなれてない。
その状態のまま、私たちは潤の教室へ向かう。
「潤ちゃ~ん!」
『…。』
「…おう。」
潤が気づいてこっちに歩いてくる。
よし、今まで通り今まで通り…。
『よっ、ご飯食べ…』
「ちょっといい?こっち来て。」
『うぇえ…?』
「あら~いってらっしゃーい!」
私たちの元へ来るや否や、私の手を掴み廊下の隅に連れて行かれる。
…え、殴られる?
『なななななに…』
「そんな怯えなくてもいいだろうよ。」
『だって…』
私が手に持ったお弁当を見ていると、その上に潤の手がくる。
相変わらずきれいな手だなあ。
と思ったら、何か握っている。
「…ん。」
『なに?これ…』
「いいから、見ろって。」
『なによ…』
潤の手からそれを受け取る。
小さく折りたたまれたメモ用紙だった。
まるで子供が折ったような…
何か、見覚えがある。
ゆっくりそのメモ用紙を開ける。
『…え…?』
そこに書かれていた文字。
…”ぼくとけっこんしてください”
「…ちょっと、飛躍しすぎたわ…。」
潤の照れた顔。
いつものクールな潤とは対照的な、可愛い顔。
『…これ…あの時の…』
「覚えてんの…?」
『当たり前でしょ…』
…
『じゅんくんじゅんくん!』
「ランカちゃん、なあに?」
『これ、あげる!』
「んん…”じゅんくんけっこんしてください”??」
『ふふ、うん!らぶれたー!」
「…だめだよお!」
『…うぇ?けっこんしてくれないの?』
「けっこんしてくださいはね、おとこのこからいうんだよ!」
『そうなの?』
「うん!だから、ぼくがおっきくなったら、いちばんにランカちゃんにいうんだ!
”けっこんしてください”って!」
『…うん!わかった!まってるね!』
…
「俺しか覚えてないかと思ってた…」
『こっちのセリフだよ…』
私はずっと、私だけしか覚えてないと思い込んで
1人で一喜一憂してただけなんだ…。
サクラも、潤も覚えててくれたのに…。
「…でさ、あの時の約束って、時効?」
『そんなのないよ…むしろ…』
「??」
『私は、ずっと待ってたんだよ?…遅すぎる。』
「…だな。ごめん。」
そういうと潤はポケットから何かを取り出した。
『それ…』
「これがあるから大丈夫だって、高を括ってた。」
…私が小さいころにあげたあの手紙…もといラブレターだった。
「”けっこんしてください”って書いてあるよ。」
『ちょっと…恥ずかしいからやめてよ』
「俺なんて今渡したんだけど?恥ずかしいとか言うなよ笑」
そのラブレターをポケットにしまって、潤は私の目をじっと見た。
「…俺、あの時からずっとランカが好きだよ。
ランカもあの時から変わらないなら…俺と付き合ってください。」
…潤らしい、男らしくて優しい告白。
私じゃなくて、潤からの告白。
断る理由がない。
『…結婚を前提に、ね?』
「ばかじゃん笑」
そんな潤の顔は真っ赤だ。
「…当たり前だろ。約束は約束だから。」
そういうと、ついさっきまで赤面していたのに
私を軽く、でも心強く抱きしめた。
「はあ。やっとこの立場になれたわ。」
『…ふふ、私のセリフ。』
こうして、私と潤は付き合うことになった。
幼稚園から数えて、約10年。
長いすれ違いの片想いがやっと終わりを告げる。
これからは、思う存分潤を好きでいられる。
素直じゃない者同士、大変だろうけど。
END.
⇒another story
お昼のチャイムが鳴る。
午前中の授業はほとんど上の空だった。
いつも通り、サクラがお弁当を持って私の席に来る。
「ランカ?潤ちゃん誘ってご飯食べよ…?」
『…うん。けど、相葉先輩と食べなくていいの?』
「今日はね、みんなで食べたいの!」
『…そっか。』
平常心にはなれてない。
その状態のまま、私たちは潤の教室へ向かう。
「潤ちゃ~ん!」
『…。』
「…おう。」
潤が気づいてこっちに歩いてくる。
よし、今まで通り今まで通り…。
『よっ、ご飯食べ…』
「ちょっといい?こっち来て。」
『うぇえ…?』
「あら~いってらっしゃーい!」
私たちの元へ来るや否や、私の手を掴み廊下の隅に連れて行かれる。
…え、殴られる?
『なななななに…』
「そんな怯えなくてもいいだろうよ。」
『だって…』
私が手に持ったお弁当を見ていると、その上に潤の手がくる。
相変わらずきれいな手だなあ。
と思ったら、何か握っている。
「…ん。」
『なに?これ…』
「いいから、見ろって。」
『なによ…』
潤の手からそれを受け取る。
小さく折りたたまれたメモ用紙だった。
まるで子供が折ったような…
何か、見覚えがある。
ゆっくりそのメモ用紙を開ける。
『…え…?』
そこに書かれていた文字。
…”ぼくとけっこんしてください”
「…ちょっと、飛躍しすぎたわ…。」
潤の照れた顔。
いつものクールな潤とは対照的な、可愛い顔。
『…これ…あの時の…』
「覚えてんの…?」
『当たり前でしょ…』
…
『じゅんくんじゅんくん!』
「ランカちゃん、なあに?」
『これ、あげる!』
「んん…”じゅんくんけっこんしてください”??」
『ふふ、うん!らぶれたー!」
「…だめだよお!」
『…うぇ?けっこんしてくれないの?』
「けっこんしてくださいはね、おとこのこからいうんだよ!」
『そうなの?』
「うん!だから、ぼくがおっきくなったら、いちばんにランカちゃんにいうんだ!
”けっこんしてください”って!」
『…うん!わかった!まってるね!』
…
「俺しか覚えてないかと思ってた…」
『こっちのセリフだよ…』
私はずっと、私だけしか覚えてないと思い込んで
1人で一喜一憂してただけなんだ…。
サクラも、潤も覚えててくれたのに…。
「…でさ、あの時の約束って、時効?」
『そんなのないよ…むしろ…』
「??」
『私は、ずっと待ってたんだよ?…遅すぎる。』
「…だな。ごめん。」
そういうと潤はポケットから何かを取り出した。
『それ…』
「これがあるから大丈夫だって、高を括ってた。」
…私が小さいころにあげたあの手紙…もといラブレターだった。
「”けっこんしてください”って書いてあるよ。」
『ちょっと…恥ずかしいからやめてよ』
「俺なんて今渡したんだけど?恥ずかしいとか言うなよ笑」
そのラブレターをポケットにしまって、潤は私の目をじっと見た。
「…俺、あの時からずっとランカが好きだよ。
ランカもあの時から変わらないなら…俺と付き合ってください。」
…潤らしい、男らしくて優しい告白。
私じゃなくて、潤からの告白。
断る理由がない。
『…結婚を前提に、ね?』
「ばかじゃん笑」
そんな潤の顔は真っ赤だ。
「…当たり前だろ。約束は約束だから。」
そういうと、ついさっきまで赤面していたのに
私を軽く、でも心強く抱きしめた。
「はあ。やっとこの立場になれたわ。」
『…ふふ、私のセリフ。』
こうして、私と潤は付き合うことになった。
幼稚園から数えて、約10年。
長いすれ違いの片想いがやっと終わりを告げる。
これからは、思う存分潤を好きでいられる。
素直じゃない者同士、大変だろうけど。
END.
⇒another story