幽霊部員の同級生
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ピンポーン。
「…はい。」
インターホンを押すと、小さくにのの声が聞こえる。
学校で話せなかっただけなのに、久しぶりに聞いた気がするにのの声。
『にの!お見舞い!』
「はい?…部活は?」
『にののお見舞いが優先!』
「うるさ。とりあえず入って。」
なるべくいつも通りを装ったけどなかなかうまくいかない。
…にのの家に入れるのは思わぬ収穫だけど。
『お邪魔しまーす!』
「あれ、翔ちゃんは?」
『あ~…えっと、用事があってこれないって!』
「…ふうん、そう。」
けほ、と小さく咳をするにのは、私にお茶を出してくれた後ソファに座る。
『大丈夫?…風邪ひいちゃったんだよね?』
「…やっぱなんか知ってんな?」
『うぇええ!!?何が?!』
「わっかりやす。俺風邪とか言ってないもん。」
『あ、あああ…』
にのに嘘つこうなんて、きっと何年かかっても無理だろうな。
私は途中コンビニで買ったゼリーをにのに差し出しながら、さっきの話をした。
『…信じらんないよ。こんなことするなんて。』
「まあ、気に食わなかったんでしょ。」
『…なんで言ってくれなかったの?』
「…。」
何で言わなかったかなんて、さっき翔くんが言ってたことなのに。
にのは、人に迷惑をかけるくらいなら、自分が犠牲になる人。
『…にのが、守れって言ったんでしょ。』
「え?」
『私がにのを守るの。だから、困ってたり嫌なことがあったら私に言わなきゃだめでしょ…!』
「…泣かなくてもいいじゃん。」
にのが私を頼ってくれなかったことが
なんだか悔しくて、悲しくて。
『だって…私、にののこと好きなんだよ…もっと頼っ…』
「ちょ、待って。」
『…?』
「いや、今お前なんて…」
『…にののこと好きって…あ。』
感情に任せて言っていた言葉。
いつの間にか告白してた。
にのは、すごく困った表情。それがもっと私の涙を誘う。
『うううう…そんな嫌がらなくても~~~…』
「いやいや、お前翔ちゃんは?翔ちゃんの事好きなんじゃないの?」
『うええ…?翔くんのことは大好きだよ…?』
「でしょ?…じゃあ」
『お兄ちゃんみたいな好きだよ?…にののことは男の子として好きなんだよ…』
「…なんだよそれ。」
にのは床に座っていた私の隣へ来る。
そして、ティッシュを差し出してくる。
「顔、やばいよ」
『うるさい…。』
涙をごしごし吹いてずーっと鼻をすする。
『っていうか…私振られたの?』
「…なんでそうなんのよ。」
『だって…』
「俺、お前は翔ちゃんのことしか見えてないのかと思ってた。」
私に背中を向け、私のあげたゼリーをモグモグしながら言う。
「…なんだよ、違ったのかよ。」
『…私は…にのが好きだよ?』
「今の俺、こんなんだけど?」
きっとにのは、いじめられている自分をそう思ってるんだろう。
けど、そんなことない。
そう思ってるんだとしても。
『私には頼りになる、大好きな人だよ。』
そういって、にのの後姿に抱き着く。
『…まあ確かに、背中は広くないし華奢だけど。』
「…ひとこと余計。」
とか言いつつ、背中にまで熱が伝わってきてるにの。
それが風邪のせいなのか、照れているのか、今はわからない。
『私がにのの事、ずっとそばにいて守るから。
にのも、私だけ見てくんないかなあ…』
ぎゅうっと強く抱きしめると、にのはこっちを振り返る。
「…そろそろ俺から言わせてくんないの?」
『ん~?』
にのは振り返った状態のまま、私に軽くキスをする。
『んおわあああああ!?!?!?』
「…もうちょっとかわいく反応しなさいよ。」
『だって急に…!』
「これからも俺のことだけ守ってね。
俺も、ランカしか見ねえから。」
『パクった~』
「パクってない。」
お互いぎゅっと抱き合って、にのの熱い体温を感じながら幸せをかみしめる。
『今度から私、にのの引っ付き虫だね。』
「むしろ俺にしか引っ付かせないけど。」
こうして今日から私は、にのの引っ付き虫になりました。
END.
⇒after story
「…はい。」
インターホンを押すと、小さくにのの声が聞こえる。
学校で話せなかっただけなのに、久しぶりに聞いた気がするにのの声。
『にの!お見舞い!』
「はい?…部活は?」
『にののお見舞いが優先!』
「うるさ。とりあえず入って。」
なるべくいつも通りを装ったけどなかなかうまくいかない。
…にのの家に入れるのは思わぬ収穫だけど。
『お邪魔しまーす!』
「あれ、翔ちゃんは?」
『あ~…えっと、用事があってこれないって!』
「…ふうん、そう。」
けほ、と小さく咳をするにのは、私にお茶を出してくれた後ソファに座る。
『大丈夫?…風邪ひいちゃったんだよね?』
「…やっぱなんか知ってんな?」
『うぇええ!!?何が?!』
「わっかりやす。俺風邪とか言ってないもん。」
『あ、あああ…』
にのに嘘つこうなんて、きっと何年かかっても無理だろうな。
私は途中コンビニで買ったゼリーをにのに差し出しながら、さっきの話をした。
『…信じらんないよ。こんなことするなんて。』
「まあ、気に食わなかったんでしょ。」
『…なんで言ってくれなかったの?』
「…。」
何で言わなかったかなんて、さっき翔くんが言ってたことなのに。
にのは、人に迷惑をかけるくらいなら、自分が犠牲になる人。
『…にのが、守れって言ったんでしょ。』
「え?」
『私がにのを守るの。だから、困ってたり嫌なことがあったら私に言わなきゃだめでしょ…!』
「…泣かなくてもいいじゃん。」
にのが私を頼ってくれなかったことが
なんだか悔しくて、悲しくて。
『だって…私、にののこと好きなんだよ…もっと頼っ…』
「ちょ、待って。」
『…?』
「いや、今お前なんて…」
『…にののこと好きって…あ。』
感情に任せて言っていた言葉。
いつの間にか告白してた。
にのは、すごく困った表情。それがもっと私の涙を誘う。
『うううう…そんな嫌がらなくても~~~…』
「いやいや、お前翔ちゃんは?翔ちゃんの事好きなんじゃないの?」
『うええ…?翔くんのことは大好きだよ…?』
「でしょ?…じゃあ」
『お兄ちゃんみたいな好きだよ?…にののことは男の子として好きなんだよ…』
「…なんだよそれ。」
にのは床に座っていた私の隣へ来る。
そして、ティッシュを差し出してくる。
「顔、やばいよ」
『うるさい…。』
涙をごしごし吹いてずーっと鼻をすする。
『っていうか…私振られたの?』
「…なんでそうなんのよ。」
『だって…』
「俺、お前は翔ちゃんのことしか見えてないのかと思ってた。」
私に背中を向け、私のあげたゼリーをモグモグしながら言う。
「…なんだよ、違ったのかよ。」
『…私は…にのが好きだよ?』
「今の俺、こんなんだけど?」
きっとにのは、いじめられている自分をそう思ってるんだろう。
けど、そんなことない。
そう思ってるんだとしても。
『私には頼りになる、大好きな人だよ。』
そういって、にのの後姿に抱き着く。
『…まあ確かに、背中は広くないし華奢だけど。』
「…ひとこと余計。」
とか言いつつ、背中にまで熱が伝わってきてるにの。
それが風邪のせいなのか、照れているのか、今はわからない。
『私がにのの事、ずっとそばにいて守るから。
にのも、私だけ見てくんないかなあ…』
ぎゅうっと強く抱きしめると、にのはこっちを振り返る。
「…そろそろ俺から言わせてくんないの?」
『ん~?』
にのは振り返った状態のまま、私に軽くキスをする。
『んおわあああああ!?!?!?』
「…もうちょっとかわいく反応しなさいよ。」
『だって急に…!』
「これからも俺のことだけ守ってね。
俺も、ランカしか見ねえから。」
『パクった~』
「パクってない。」
お互いぎゅっと抱き合って、にのの熱い体温を感じながら幸せをかみしめる。
『今度から私、にのの引っ付き虫だね。』
「むしろ俺にしか引っ付かせないけど。」
こうして今日から私は、にのの引っ付き虫になりました。
END.
⇒after story