生徒会長の先輩
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「なあ、松本。」
「なに?」
「あの子…誰?」
「…桜庭?」
翔くんが桜庭のことを見つけたのは、中学3年の体育祭の後片付けの時。
俺と桜庭は、中学2年。
誰もが体育祭の余韻に浸り、友人、恋人同士で話し込む中
俺の同級生の桜庭は、せっせとテントの片づけをしてた。
「へえ…」
「何?気になるなら呼ぶよ」
「はあ?別にそんなんじゃねえよ」
翔くんは本当にモテるけど、度胸がない。
それに意外と口が悪い。
みんなはそれを知らないから、翔くんを王子様だと思い込んでる。
そんな王子様が恋した相手は、そんな王子様に見向きもしなかった桜庭だった。
それから俺は、桜庭の話を翔くんにちょくちょくしてた。
翔くんが今の高校に入って2年、俺と桜庭が入学したころ
翔くんが生徒会長に推薦された。
「俺、一年の時会計やってたんだけど、意外とタメになるよ。」
そう言われて、俺は会計に立候補した。
会長補佐の事を聞かされたのは、ちょうどその時だ。
今までの選定の習慣をよく思っていなかった翔くんは
どうやって補佐を決めるか悩んでいた。
俺は勘づいた。
きっと翔くんは桜庭の名前を出してほしいんだ。
…そうならそうと言えばいいのに。
そんな言葉を隠しつつ、俺は桜庭の話をした。
「まあ、松本がそういうなら俺はいいと思うけど…。」
顔はにやけてるよ翔くん。
「翔くんはさ、好みの子を副会長にするやり方、嫌いなんじゃなかったの?」
わざとそんなことを聞いてみる。
「ありえねえだろ、そんな方法でするなんて。
つーか、あの子はそんなことお構いなしにやるべきことが分かってくれそうで…そんなとこがいいなって思っただけで…」
「だけで?」
「いいなって思ったのはそんなとこだから…その、好きだからっつーか…」
「やっぱ好きなんじゃん笑」
「うっせ!!けどそんな考えでやってねえからな!?」
「わかってるわかってる」
翔くんの場合は、好きだから選ぶというよりも、
信頼できそうな子が好きな子になっただけ。
そして、会長補佐の役員決めが始まった。
まあ、桜庭が自分から立候補してくれるのが
一番いい流れではあったんだけど、そううまくはいかず。
「翔くん、どうすんの?」
「…。」
きっと翔くんの事だから、諦めると思ってた。
「…いや、俺はぜってえあの子がいいから。」
「…ふうん、なんか違うね翔くん。」
翔くんが、桜庭を指さす。
『…は?』
桜庭は立候補してない自分が指名されたことに
驚きと…小さな苛立ちの眼差しを翔くんに向けていた。
これは、一筋縄ではいかなそうだな…
「翔くん、頑張ってね」
「…おうよ。」
こうして、翔くんと桜庭のすれ違いの日々が始まった。
一番近くで、翔くんの桜庭に対する信頼と好意。
そして、桜庭の翔くんに対する不信と嫌悪を見てきた俺。
「松本…俺心が折れそう…」
「翔くんが誤解解きたいって言ったんじゃん。」
「それが…クラスのヤツとちょうど副会長選んだ時の話してたの
桜庭に聞かれてさ…」
「なんて話?」
「好みだから選んだんだろって言われて、そんなやり方ありえねえって意味で言ったら、多分また違う意味で勘違いされたかも…」
「災難に災難が続くね~さすが持ってないない王子様」
「んだよそれ…」
そろそろツいてない王子様に
救いの手を差し出すとするか。
今日は生徒会のプリントを全クラスに配る日。
昨日の話を聞いていた俺は、明らかに元気がない桜庭を見つける。
「なんだ、お前も多少は気になってんじゃん。」
手伝うよ、と桜庭に話しかけ
俺は桜庭に翔くんの話をする。
二人が仲良くなれますように。
END.
「なに?」
「あの子…誰?」
「…桜庭?」
翔くんが桜庭のことを見つけたのは、中学3年の体育祭の後片付けの時。
俺と桜庭は、中学2年。
誰もが体育祭の余韻に浸り、友人、恋人同士で話し込む中
俺の同級生の桜庭は、せっせとテントの片づけをしてた。
「へえ…」
「何?気になるなら呼ぶよ」
「はあ?別にそんなんじゃねえよ」
翔くんは本当にモテるけど、度胸がない。
それに意外と口が悪い。
みんなはそれを知らないから、翔くんを王子様だと思い込んでる。
そんな王子様が恋した相手は、そんな王子様に見向きもしなかった桜庭だった。
それから俺は、桜庭の話を翔くんにちょくちょくしてた。
翔くんが今の高校に入って2年、俺と桜庭が入学したころ
翔くんが生徒会長に推薦された。
「俺、一年の時会計やってたんだけど、意外とタメになるよ。」
そう言われて、俺は会計に立候補した。
会長補佐の事を聞かされたのは、ちょうどその時だ。
今までの選定の習慣をよく思っていなかった翔くんは
どうやって補佐を決めるか悩んでいた。
俺は勘づいた。
きっと翔くんは桜庭の名前を出してほしいんだ。
…そうならそうと言えばいいのに。
そんな言葉を隠しつつ、俺は桜庭の話をした。
「まあ、松本がそういうなら俺はいいと思うけど…。」
顔はにやけてるよ翔くん。
「翔くんはさ、好みの子を副会長にするやり方、嫌いなんじゃなかったの?」
わざとそんなことを聞いてみる。
「ありえねえだろ、そんな方法でするなんて。
つーか、あの子はそんなことお構いなしにやるべきことが分かってくれそうで…そんなとこがいいなって思っただけで…」
「だけで?」
「いいなって思ったのはそんなとこだから…その、好きだからっつーか…」
「やっぱ好きなんじゃん笑」
「うっせ!!けどそんな考えでやってねえからな!?」
「わかってるわかってる」
翔くんの場合は、好きだから選ぶというよりも、
信頼できそうな子が好きな子になっただけ。
そして、会長補佐の役員決めが始まった。
まあ、桜庭が自分から立候補してくれるのが
一番いい流れではあったんだけど、そううまくはいかず。
「翔くん、どうすんの?」
「…。」
きっと翔くんの事だから、諦めると思ってた。
「…いや、俺はぜってえあの子がいいから。」
「…ふうん、なんか違うね翔くん。」
翔くんが、桜庭を指さす。
『…は?』
桜庭は立候補してない自分が指名されたことに
驚きと…小さな苛立ちの眼差しを翔くんに向けていた。
これは、一筋縄ではいかなそうだな…
「翔くん、頑張ってね」
「…おうよ。」
こうして、翔くんと桜庭のすれ違いの日々が始まった。
一番近くで、翔くんの桜庭に対する信頼と好意。
そして、桜庭の翔くんに対する不信と嫌悪を見てきた俺。
「松本…俺心が折れそう…」
「翔くんが誤解解きたいって言ったんじゃん。」
「それが…クラスのヤツとちょうど副会長選んだ時の話してたの
桜庭に聞かれてさ…」
「なんて話?」
「好みだから選んだんだろって言われて、そんなやり方ありえねえって意味で言ったら、多分また違う意味で勘違いされたかも…」
「災難に災難が続くね~さすが持ってないない王子様」
「んだよそれ…」
そろそろツいてない王子様に
救いの手を差し出すとするか。
今日は生徒会のプリントを全クラスに配る日。
昨日の話を聞いていた俺は、明らかに元気がない桜庭を見つける。
「なんだ、お前も多少は気になってんじゃん。」
手伝うよ、と桜庭に話しかけ
俺は桜庭に翔くんの話をする。
二人が仲良くなれますように。
END.