生徒会長の先輩
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あの時以降、私は櫻井さんに対していわゆる塩対応を続けてきた。
けど…そろそろ他の生徒たちの視線が痛い。
櫻井さんに指名された。
櫻井さんに冷たい対応。
そんなことで、今までそれなりに楽しかった学校生活を
台無しにされたくない。
とことん嫌いだ…。
「桜庭、一緒帰ろうぜ」
『…潤くん、今日ね、この間のアンケートを各教室に配らなきゃなんないんだ。…ごめん』
「…そか。なんか元気なさそうだし、俺手伝うけど。」
『潤くんは会計じゃん、私の仕事だし、悪いよ。』
「いいからいいから。」
『…ありがとう…じゃあ、お言葉に甘えて…』
本当の紳士って、潤くんみたいな人のこと言うんだもん。
大量のアンケートが置いてある生徒会準備室へ潤くんと向かう。
「あのさ、桜庭」
『ん?なに?』
「翔くんのこと」
『…櫻井さん?』
その名前が出ただけで、ちょっとテンションが下がる。
それを、潤くんも気づいてる。
「翔くんのこと、嫌い?」
櫻井さんと仲がいい潤くんに、ストレートに言うのも気が引けるけど…
『そう…だね。』
「そっか。なのにどうしてちゃんと生徒会の仕事手伝うの?」
『なんでって…嫌でもしなきゃいけないことがある以上手伝うのが普通でしょ…?』
「ただの補佐じゃん」
『そうだけど…でも…』
私が必死に答えてるのを見て、潤くんは優しく笑う。
「そういうとこだよ。」
『…え?』
「そういうとこを、翔くんは選んだの。」
『どういう、こと?』
それから、潤くんは櫻井さんの話をしてくれた。
「俺らが入学する前、翔くんが一年生の時から、翔くんは今の生徒会の在り方を気にしてたんだ。このままじゃダメだろって。」
『一年生の時から…?』
「そ、翔くんは会計だったんだけど、今までの生徒会長の補佐を選ぶ理由を知ったとき、あの人ブチ切れたんだよ」
『櫻井さんが…』
意外…でもないのかな。
「案の定、今までの生徒会のように、補佐は生徒会長といちゃついて生徒会の仕事を放棄。
会計の翔くんに全部生徒会の仕事が回ってきちゃったの。」
『その経験があったから、櫻井さんはあんなしっかり者なんだね』
「そこはわかってあげてるんだね。安心した。」
分かってあげるっていうか、人柄を見てたらそれくらいわかる。
じゃあ、あの時の櫻井さんはなんだって話で…。
「そんで翔くんが二年生になった時、俺が翔くんに誘われて会計になったんだけど、そん時に相談されたの。
副会長どうしようって。」
『…もしかして、潤くんが…?』
「そ。中学の時から桜庭がしっかり者でちゃんと自分の役割は果たしてきたこと伝えたんだよ。俺が推薦したの。」
じゃあ、私は意味もなく指名されたんじゃなかったんだ…。
好みがどうとか、そんなんじゃなく…。
「それに翔くんはすぐ分かったよ。桜庭のこと。」
『どういうこと?』
「中学一緒だったんだよ、桜庭はあんまり知らなかっただろうけど」
『そ、そうなの?!…同じ中学だったんだ…』
「まあ、中学でも特進クラスだったし交流はないから仕方ないよ」
てっきり、高校からだと思ってた…
「中学の時から桜庭の話は翔くんにしてたし、副会長に立候補してほしいって思ってたみたいよ」
そんな風に思ってくれてたんだ…
それなのに私、ずっとあんな態度とり続けて…
最低なのは私のほうだったんだと、今初めて自覚した。
「桜庭が立候補しないから一瞬迷ったらしいけど、どうしてもお前にしてほしかったんだよ、副会長」
あの時の櫻井さんが浮かぶ。
確かに…少し申し訳なさそうにしてたかもしれない…
そんな話を聞きながら、私たちは準備室に到着した。
けど…そろそろ他の生徒たちの視線が痛い。
櫻井さんに指名された。
櫻井さんに冷たい対応。
そんなことで、今までそれなりに楽しかった学校生活を
台無しにされたくない。
とことん嫌いだ…。
「桜庭、一緒帰ろうぜ」
『…潤くん、今日ね、この間のアンケートを各教室に配らなきゃなんないんだ。…ごめん』
「…そか。なんか元気なさそうだし、俺手伝うけど。」
『潤くんは会計じゃん、私の仕事だし、悪いよ。』
「いいからいいから。」
『…ありがとう…じゃあ、お言葉に甘えて…』
本当の紳士って、潤くんみたいな人のこと言うんだもん。
大量のアンケートが置いてある生徒会準備室へ潤くんと向かう。
「あのさ、桜庭」
『ん?なに?』
「翔くんのこと」
『…櫻井さん?』
その名前が出ただけで、ちょっとテンションが下がる。
それを、潤くんも気づいてる。
「翔くんのこと、嫌い?」
櫻井さんと仲がいい潤くんに、ストレートに言うのも気が引けるけど…
『そう…だね。』
「そっか。なのにどうしてちゃんと生徒会の仕事手伝うの?」
『なんでって…嫌でもしなきゃいけないことがある以上手伝うのが普通でしょ…?』
「ただの補佐じゃん」
『そうだけど…でも…』
私が必死に答えてるのを見て、潤くんは優しく笑う。
「そういうとこだよ。」
『…え?』
「そういうとこを、翔くんは選んだの。」
『どういう、こと?』
それから、潤くんは櫻井さんの話をしてくれた。
「俺らが入学する前、翔くんが一年生の時から、翔くんは今の生徒会の在り方を気にしてたんだ。このままじゃダメだろって。」
『一年生の時から…?』
「そ、翔くんは会計だったんだけど、今までの生徒会長の補佐を選ぶ理由を知ったとき、あの人ブチ切れたんだよ」
『櫻井さんが…』
意外…でもないのかな。
「案の定、今までの生徒会のように、補佐は生徒会長といちゃついて生徒会の仕事を放棄。
会計の翔くんに全部生徒会の仕事が回ってきちゃったの。」
『その経験があったから、櫻井さんはあんなしっかり者なんだね』
「そこはわかってあげてるんだね。安心した。」
分かってあげるっていうか、人柄を見てたらそれくらいわかる。
じゃあ、あの時の櫻井さんはなんだって話で…。
「そんで翔くんが二年生になった時、俺が翔くんに誘われて会計になったんだけど、そん時に相談されたの。
副会長どうしようって。」
『…もしかして、潤くんが…?』
「そ。中学の時から桜庭がしっかり者でちゃんと自分の役割は果たしてきたこと伝えたんだよ。俺が推薦したの。」
じゃあ、私は意味もなく指名されたんじゃなかったんだ…。
好みがどうとか、そんなんじゃなく…。
「それに翔くんはすぐ分かったよ。桜庭のこと。」
『どういうこと?』
「中学一緒だったんだよ、桜庭はあんまり知らなかっただろうけど」
『そ、そうなの?!…同じ中学だったんだ…』
「まあ、中学でも特進クラスだったし交流はないから仕方ないよ」
てっきり、高校からだと思ってた…
「中学の時から桜庭の話は翔くんにしてたし、副会長に立候補してほしいって思ってたみたいよ」
そんな風に思ってくれてたんだ…
それなのに私、ずっとあんな態度とり続けて…
最低なのは私のほうだったんだと、今初めて自覚した。
「桜庭が立候補しないから一瞬迷ったらしいけど、どうしてもお前にしてほしかったんだよ、副会長」
あの時の櫻井さんが浮かぶ。
確かに…少し申し訳なさそうにしてたかもしれない…
そんな話を聞きながら、私たちは準備室に到着した。