生徒会長の先輩
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「桜庭、これ生徒会長のとこもっていってくんね?」
『生徒会長…』
私は、この学校の生徒会長が嫌い。
「え~いいなあランカ、櫻井さんのとこ行けるなんて~」
生徒会長はいわゆる才色兼備で、なんでもそつなくこなしちゃうような人。
人望も厚く、先生や生徒(特に女子生徒)からの人気も凄い。
『あ、じゃあ代わりにもっていってよ』
「だーめ、お前会長補佐だろ」
同級生の松本潤に、ほら、と今度の生徒会議に使う資料を渡される。
『も~…潤くん仲良しなんだから潤くん行ってよ~』
「俺は用事あるからさ、桜庭もなんかあんの?」
『…ない』
「じゃあ頼むわ」
『ちぇ~』
仕方なく資料を抱えて櫻井さんのクラスへ向かう。
ひとつ学年が上の二年生のクラス。
それも、進学向けの勉強をする優秀な生徒たちが集まる特進コース。
あんまり行きたくないんだよね…
場違い感凄いし、みんな優等生って感じで…。
はあ…とため息をついて階段を上がると
「…ん?桜庭じゃん、どしたの」
『櫻井さん…』
そこには、例の櫻井翔がいた。
「ああ、資料持ってきてくれたんだ。」
『そうです、これ潤くんから』
「へえ、さすが松潤、よくできてんなあ~」
潤くんが作った資料をパラパラとめくり、
櫻井さんは資料を受け取った。
「せんきゅ」
『じゃあ私はこれで。』
「あ、なあ、待って」
さっと肩をつかまれる。
けど、どんな時も紳士なんだなって改めて感じた。
荒くなく、嫌みのない掴み方。
『なんですか?』
居心地の悪そうに櫻井さんは
「俺、なんかした?」
『…何がですか?』
「あのときのことまだ気にしてるんなら、かんちが…」
『別になんもないですよ、それじゃあ…』
櫻井さんが背後で小さくはあ、とついた息を聞きながら
私は自分のクラスへ戻る。
櫻井さんとの出会いは、私が生徒会長補佐になったときのこと。
三年生は受験や就職活動で忙しいため、二年生が生徒会長になる。
正直、生徒会なんて全然興味がなかった私は、他人事のように役員決めの集会を眺めていた。
「じゃあ、次は会長補佐を決めます。副会長ってやつね。
誰か立候補ありますか~」
進行役が挙手を求めると、一年と二年のほキレイどころの女子たちがこぞって挙手をする。
幼馴染のサクラと私は
「さっすが人気だね~!私なんか立候補すらおこがましいよ~」
『副会長なんてめんどくさいだけなのにね。』
なんてひそひそ話をしていた。
その時、挙手をしてない女子たちが同じくひそひそ話しているのが聞こえた。
「歴代の副会長って、生徒会長が好みの子を指名してるんだって。」
「そうなの?!だからこんな美人ばっかが立候補する習慣ができたんだ…」
「そんなの私たち一生立候補できないじゃん笑」
「自信もって挙手なんてできないよ~」
最低。
どこの王国だここは。
そんな時、生徒会長が口を開いた。
「えっと…そこの一年生…は、どうかな」
ふうん、年下好きなんだ。
…ん?
後ろを振り返っても一年生で挙手してる子はいない。
なぜか櫻井さんと目が合う。
『…………んん?』
「…そう、きみ。」
『いやいやいや私立候補してな』
「櫻井~立候補してない子から選ぶとか攻めてんな!」
二年生の男子たちが盛り上がり、挙手した女子たちからは文句の嵐。
『いや、まってよ、なに…』
「んじゃ、えっと~名前何?」
『…桜庭、ランカです…。』
「桜庭さーん!快挙おめでとう~!副会長決まり!」
こうして、私はなぜか、会長補佐になった。
櫻井さんを睨みつけながら。
『信じらんない…』
「すごいじゃん!立候補してないのに選ばれるなんて!名誉じゃん!」
『なにが名誉よ…』
「…」
これが、櫻井翔との出会いだった。
最悪の。
『生徒会長…』
私は、この学校の生徒会長が嫌い。
「え~いいなあランカ、櫻井さんのとこ行けるなんて~」
生徒会長はいわゆる才色兼備で、なんでもそつなくこなしちゃうような人。
人望も厚く、先生や生徒(特に女子生徒)からの人気も凄い。
『あ、じゃあ代わりにもっていってよ』
「だーめ、お前会長補佐だろ」
同級生の松本潤に、ほら、と今度の生徒会議に使う資料を渡される。
『も~…潤くん仲良しなんだから潤くん行ってよ~』
「俺は用事あるからさ、桜庭もなんかあんの?」
『…ない』
「じゃあ頼むわ」
『ちぇ~』
仕方なく資料を抱えて櫻井さんのクラスへ向かう。
ひとつ学年が上の二年生のクラス。
それも、進学向けの勉強をする優秀な生徒たちが集まる特進コース。
あんまり行きたくないんだよね…
場違い感凄いし、みんな優等生って感じで…。
はあ…とため息をついて階段を上がると
「…ん?桜庭じゃん、どしたの」
『櫻井さん…』
そこには、例の櫻井翔がいた。
「ああ、資料持ってきてくれたんだ。」
『そうです、これ潤くんから』
「へえ、さすが松潤、よくできてんなあ~」
潤くんが作った資料をパラパラとめくり、
櫻井さんは資料を受け取った。
「せんきゅ」
『じゃあ私はこれで。』
「あ、なあ、待って」
さっと肩をつかまれる。
けど、どんな時も紳士なんだなって改めて感じた。
荒くなく、嫌みのない掴み方。
『なんですか?』
居心地の悪そうに櫻井さんは
「俺、なんかした?」
『…何がですか?』
「あのときのことまだ気にしてるんなら、かんちが…」
『別になんもないですよ、それじゃあ…』
櫻井さんが背後で小さくはあ、とついた息を聞きながら
私は自分のクラスへ戻る。
櫻井さんとの出会いは、私が生徒会長補佐になったときのこと。
三年生は受験や就職活動で忙しいため、二年生が生徒会長になる。
正直、生徒会なんて全然興味がなかった私は、他人事のように役員決めの集会を眺めていた。
「じゃあ、次は会長補佐を決めます。副会長ってやつね。
誰か立候補ありますか~」
進行役が挙手を求めると、一年と二年のほキレイどころの女子たちがこぞって挙手をする。
幼馴染のサクラと私は
「さっすが人気だね~!私なんか立候補すらおこがましいよ~」
『副会長なんてめんどくさいだけなのにね。』
なんてひそひそ話をしていた。
その時、挙手をしてない女子たちが同じくひそひそ話しているのが聞こえた。
「歴代の副会長って、生徒会長が好みの子を指名してるんだって。」
「そうなの?!だからこんな美人ばっかが立候補する習慣ができたんだ…」
「そんなの私たち一生立候補できないじゃん笑」
「自信もって挙手なんてできないよ~」
最低。
どこの王国だここは。
そんな時、生徒会長が口を開いた。
「えっと…そこの一年生…は、どうかな」
ふうん、年下好きなんだ。
…ん?
後ろを振り返っても一年生で挙手してる子はいない。
なぜか櫻井さんと目が合う。
『…………んん?』
「…そう、きみ。」
『いやいやいや私立候補してな』
「櫻井~立候補してない子から選ぶとか攻めてんな!」
二年生の男子たちが盛り上がり、挙手した女子たちからは文句の嵐。
『いや、まってよ、なに…』
「んじゃ、えっと~名前何?」
『…桜庭、ランカです…。』
「桜庭さーん!快挙おめでとう~!副会長決まり!」
こうして、私はなぜか、会長補佐になった。
櫻井さんを睨みつけながら。
『信じらんない…』
「すごいじゃん!立候補してないのに選ばれるなんて!名誉じゃん!」
『なにが名誉よ…』
「…」
これが、櫻井翔との出会いだった。
最悪の。