彼方の星までの乗車券とか
主人公のお名前を変えたい方
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「うっわ」
「おはよぉ財前んへへぇ」
財前が何とも言えない渋い顔をする。そんなに不細工かな私。それにしても昨日は最高だった。急に友達追加したから驚かれるかと思ったら『財前と同じクラスの柳川やろ! 財前からよく話聞くで! 』と名前を覚えて貰ってた+(ぷらす)喜んで貰えたので舞い上がって両あし小指をタンスにぶつけても笑顔だった。
「ねぇ財前。今日部活見に行っていい?」
「絶ッッッッ対に来んな」
「来るなって言われても行くけどね!」
じゃあ聞くなや、と口を尖らせる財前。すると突然教室に化学の竹松が来た。朝から竹松とか大分げろだけど。
「柳川」
「はい?」
竹松の手にはテスト。ちらっと見えたけど点数は……24点。もう嫌な予感しかない。財前が口元隠してるけどお前絶対笑ってるだろ。先生から告げられた。今日の放課後私は補習らしい。
+
これは運がいいのか悪いのか。冷房のない蒸し風呂状態の化学の実験室で親友の楓 と一緒だった。頭のいい友達に教えて貰うのもいいけど一緒に補習を受ける仲間がいるのも安心するものだと思う。
「葵凪。窓からテニス部の練習見えんで」
楓がちょいちょいと窓の外を指さす
「え…うわ本当だ。財前と謙也先輩試合してるじゃん」
フェンスの外でちらほら女の子がいるような気もするが入部希望以外の人は基本見に来るのは禁止となっている。そう考えればここ、すごくいい場所なのではないか?
「やっぱり、謙也先輩かっこいいな…」
「葵凪って忍足先輩派なんやね」
「派、とは……?」
「ほら、この学校のテニス部かっこええ人ばかりやろ?中でも白石部長とか超イケメンやん」
……あんまり考えたことなかったな。確かに白石部長は部長補正とかなしでもめちゃくちゃかっこいいと思うけど。
「でも私は謙也先輩のあの笑った顔とか健康的なエロさっていうか…なんかすごく惹かれるんだよね」
「健康的とか(笑)だから光くんには惹かれへんの?」
「は?なんで急に財前が出てくんの?」
「同じテニス部だし、アイツもモテるから」
「…ふーん」
外を見ると財前が点を決めていた。フェンス外にいた女子がきゃあーって声を上げた気がする。そんなアイドルでもないのに。…いや、私だったら謙也先輩にあんな風に黄色い声上げるのかな。でもそういう意味の好きじゃなくて。そんな見方をしてしまうと距離を感じてしまう。こうして遠くから見てるだけなのに財前すら遠くなった気がして。
「道のりが長いよな……」
「は?」
+
補習のプリントも中々集中できず、17時を過ぎてやっと提出できた。
「ごめんね葵凪。今日迎え来てて一緒に帰れんの」
「いいのいいの。まだ外明るいし!また明日」
楓が化学室を出た後、テニスコートを見てみるとテニス部も片付けを始めていた。制服に着替え終わった財前が他の部員たちと話をしている。クラスにいるときと雰囲気が違うって言うか…あんな顔するんだみたいな気持ち。
夕方のせいか。1人のせいか。下駄箱までの道がすごく遠く感じて。放課後って誰もいないんだなぁと思った。
「柳川」
「…?あ、財前か。逆光で誰かと思った」
「お前、化学室から見てたやろ」
「だって…補習する教室あそこだったんだもん」
「誰もいないはずの教室からこっち見てる奴がおるの結構ホラーやで。どうせ謙也さんのこと見とったんやろ」
「…ちがうし」
嘘付いてもバレバレやで、と財前が鼻で笑ってぱたぱたと教室の方へ掛けていった。忘れ物かな。財前のこと見てたんだし。って言ってもそこから特に続くような話題もないけれど。
帰ろう。と外に出ると見たことある人が。その人は目が合うとにかって笑って手を降ってくれた。
「柳川やん!奇遇やな!」
「謙也先輩!?ど、どうしてここに」
「財前と一緒に帰る約束しててん」
な、なんて羨ましい…とか思ったけど同じ部活の先輩と一緒に帰るなんてよくあることか。私も月に数回しかない茶道部だけど先輩と帰ったことはある。
「その…ざ、財前とはいつも一緒に帰ってるんですか?」
「んー?たまたまやで! 白石たちと帰ることの方が多いなぁ」
なんとなく話していたら財前が戻ってきた。
「じゃあ、私そろそろ帰ります」
「なんや1人で帰るん?なら途中まででも一緒に帰ろうや」
「えっっ」
そんな謙也先輩からそんなこと言って貰えるなんて嬉しいけどいいのかな。財前の方をちらりと見るとええんやないの?みたいな顔をして見つめられる。
「柳川ー謙也さんが帰りにアイス買おてくれるって」
「本当ですか。ごちそうさまです」
「ちょ、後輩が2人がかりでタカるなや!! 」
そういえば、財前にまだアイス奢ってなかったな。今度でいっか。そんなことを考えながら今日は私と謙也先輩と財前の3人で帰った。
「おはよぉ財前んへへぇ」
財前が何とも言えない渋い顔をする。そんなに不細工かな私。それにしても昨日は最高だった。急に友達追加したから驚かれるかと思ったら『財前と同じクラスの柳川やろ! 財前からよく話聞くで! 』と名前を覚えて貰ってた+(ぷらす)喜んで貰えたので舞い上がって両あし小指をタンスにぶつけても笑顔だった。
「ねぇ財前。今日部活見に行っていい?」
「絶ッッッッ対に来んな」
「来るなって言われても行くけどね!」
じゃあ聞くなや、と口を尖らせる財前。すると突然教室に化学の竹松が来た。朝から竹松とか大分げろだけど。
「柳川」
「はい?」
竹松の手にはテスト。ちらっと見えたけど点数は……24点。もう嫌な予感しかない。財前が口元隠してるけどお前絶対笑ってるだろ。先生から告げられた。今日の放課後私は補習らしい。
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これは運がいいのか悪いのか。冷房のない蒸し風呂状態の化学の実験室で親友の
「葵凪。窓からテニス部の練習見えんで」
楓がちょいちょいと窓の外を指さす
「え…うわ本当だ。財前と謙也先輩試合してるじゃん」
フェンスの外でちらほら女の子がいるような気もするが入部希望以外の人は基本見に来るのは禁止となっている。そう考えればここ、すごくいい場所なのではないか?
「やっぱり、謙也先輩かっこいいな…」
「葵凪って忍足先輩派なんやね」
「派、とは……?」
「ほら、この学校のテニス部かっこええ人ばかりやろ?中でも白石部長とか超イケメンやん」
……あんまり考えたことなかったな。確かに白石部長は部長補正とかなしでもめちゃくちゃかっこいいと思うけど。
「でも私は謙也先輩のあの笑った顔とか健康的なエロさっていうか…なんかすごく惹かれるんだよね」
「健康的とか(笑)だから光くんには惹かれへんの?」
「は?なんで急に財前が出てくんの?」
「同じテニス部だし、アイツもモテるから」
「…ふーん」
外を見ると財前が点を決めていた。フェンス外にいた女子がきゃあーって声を上げた気がする。そんなアイドルでもないのに。…いや、私だったら謙也先輩にあんな風に黄色い声上げるのかな。でもそういう意味の好きじゃなくて。そんな見方をしてしまうと距離を感じてしまう。こうして遠くから見てるだけなのに財前すら遠くなった気がして。
「道のりが長いよな……」
「は?」
+
補習のプリントも中々集中できず、17時を過ぎてやっと提出できた。
「ごめんね葵凪。今日迎え来てて一緒に帰れんの」
「いいのいいの。まだ外明るいし!また明日」
楓が化学室を出た後、テニスコートを見てみるとテニス部も片付けを始めていた。制服に着替え終わった財前が他の部員たちと話をしている。クラスにいるときと雰囲気が違うって言うか…あんな顔するんだみたいな気持ち。
夕方のせいか。1人のせいか。下駄箱までの道がすごく遠く感じて。放課後って誰もいないんだなぁと思った。
「柳川」
「…?あ、財前か。逆光で誰かと思った」
「お前、化学室から見てたやろ」
「だって…補習する教室あそこだったんだもん」
「誰もいないはずの教室からこっち見てる奴がおるの結構ホラーやで。どうせ謙也さんのこと見とったんやろ」
「…ちがうし」
嘘付いてもバレバレやで、と財前が鼻で笑ってぱたぱたと教室の方へ掛けていった。忘れ物かな。財前のこと見てたんだし。って言ってもそこから特に続くような話題もないけれど。
帰ろう。と外に出ると見たことある人が。その人は目が合うとにかって笑って手を降ってくれた。
「柳川やん!奇遇やな!」
「謙也先輩!?ど、どうしてここに」
「財前と一緒に帰る約束しててん」
な、なんて羨ましい…とか思ったけど同じ部活の先輩と一緒に帰るなんてよくあることか。私も月に数回しかない茶道部だけど先輩と帰ったことはある。
「その…ざ、財前とはいつも一緒に帰ってるんですか?」
「んー?たまたまやで! 白石たちと帰ることの方が多いなぁ」
なんとなく話していたら財前が戻ってきた。
「じゃあ、私そろそろ帰ります」
「なんや1人で帰るん?なら途中まででも一緒に帰ろうや」
「えっっ」
そんな謙也先輩からそんなこと言って貰えるなんて嬉しいけどいいのかな。財前の方をちらりと見るとええんやないの?みたいな顔をして見つめられる。
「柳川ー謙也さんが帰りにアイス買おてくれるって」
「本当ですか。ごちそうさまです」
「ちょ、後輩が2人がかりでタカるなや!! 」
そういえば、財前にまだアイス奢ってなかったな。今度でいっか。そんなことを考えながら今日は私と謙也先輩と財前の3人で帰った。