1章
主人公のお名前を変えたい方
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「唯!来週はもちろん空けてるよね?」
「?どこか遊びに行く予定とかあったっけ」
私がそう言うと、柊子はカバンの中からメガホンを取り出して私に押し付けてこう言った。
「なにド忘れしてんの!遊びに行くんじゃなくって応援しに行くんでしょ!テニス部の関東大会!」
+ +
7月のとある週の日曜日、私は柊子に手を引かれてテニスコートにやって来た。
会場は青学と対戦相手の氷帝学園の生徒達で溢れかえっていて、ものすごい熱気に包まれていた。この間の水泳大会の予選を少しだけ思い出して、テニス部の人達には絶対に勝ってほしいと自分の思いを託すようにメガホンをぎゅっと握った。
「あっ!来たよ!青学と氷帝!」
柊子が指を指した先を見ると、そこには青学テニス部と氷帝学園の人たちが入場していた。
桃ちゃんも、そして海堂くんもいる。頑張れ!と思いながら見つめていたら氷帝側から「勝つのは氷帝!負けるの青学!」なんてコールが聞こえてきて、負けじと私たちも大きな声で応援をした。
「桃ちゃんすごい…!勝っちゃった……!」
菊丸先輩とのダブルスで出ていた桃ちゃんは大活躍だった。柊子と手を合わせてわあっと喜んで、次の海堂くんと乾先輩の試合を見守る。
だけど、氷帝学園の選手がサーブもカウンターもすごくてどんどん差が開いていく。海堂くんががむしゃらになってコートを左右に走り、まるで1人でテニスをしているみたいに氷帝のボールを打ち返していく。
「駄目だって…!1人じゃ勝てないよ…」
柊子がそういうと私も釣られて不安になった。お願い、勝って…!そう祈って手をぎゅっと握る。
すると、乾先輩との連携で巻き返し始めた。海堂くんのキレのあるポール回し…ブーメランスネイクも決まって会場は歓声に包まれる。
「…すごい……」
この試合を巻き返すために、がむしゃらにボールに食らいつく海堂くんが物凄くカッコよくて、眩しく見えた。
そして私は無意識にその姿に自分を重ねてしまった。
無茶をしてダメになってしまった私は、怪我をして心が折れてしまってからなにもせずにずっと落ち込み続けていた。
私も、海堂くんのように強くなれたら。
試合の結果は6-3で負けてしまったけれど、いい試合だった。海堂くんの背中に勇気付けられた。
「…唯、泣いてるの?大丈夫だよ、ここから絶対巻き返してくれるって…!」
「っ…違うの、……私も、あんな風に強くなりたいって思っただけ…」
私は涙を拭うと、テニスコートに視線を戻した。
青学が優勝する姿を見届けよう。
そして、私もまた泳ごう、強くなろうって、そう思った。
「?どこか遊びに行く予定とかあったっけ」
私がそう言うと、柊子はカバンの中からメガホンを取り出して私に押し付けてこう言った。
「なにド忘れしてんの!遊びに行くんじゃなくって応援しに行くんでしょ!テニス部の関東大会!」
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7月のとある週の日曜日、私は柊子に手を引かれてテニスコートにやって来た。
会場は青学と対戦相手の氷帝学園の生徒達で溢れかえっていて、ものすごい熱気に包まれていた。この間の水泳大会の予選を少しだけ思い出して、テニス部の人達には絶対に勝ってほしいと自分の思いを託すようにメガホンをぎゅっと握った。
「あっ!来たよ!青学と氷帝!」
柊子が指を指した先を見ると、そこには青学テニス部と氷帝学園の人たちが入場していた。
桃ちゃんも、そして海堂くんもいる。頑張れ!と思いながら見つめていたら氷帝側から「勝つのは氷帝!負けるの青学!」なんてコールが聞こえてきて、負けじと私たちも大きな声で応援をした。
「桃ちゃんすごい…!勝っちゃった……!」
菊丸先輩とのダブルスで出ていた桃ちゃんは大活躍だった。柊子と手を合わせてわあっと喜んで、次の海堂くんと乾先輩の試合を見守る。
だけど、氷帝学園の選手がサーブもカウンターもすごくてどんどん差が開いていく。海堂くんががむしゃらになってコートを左右に走り、まるで1人でテニスをしているみたいに氷帝のボールを打ち返していく。
「駄目だって…!1人じゃ勝てないよ…」
柊子がそういうと私も釣られて不安になった。お願い、勝って…!そう祈って手をぎゅっと握る。
すると、乾先輩との連携で巻き返し始めた。海堂くんのキレのあるポール回し…ブーメランスネイクも決まって会場は歓声に包まれる。
「…すごい……」
この試合を巻き返すために、がむしゃらにボールに食らいつく海堂くんが物凄くカッコよくて、眩しく見えた。
そして私は無意識にその姿に自分を重ねてしまった。
無茶をしてダメになってしまった私は、怪我をして心が折れてしまってからなにもせずにずっと落ち込み続けていた。
私も、海堂くんのように強くなれたら。
試合の結果は6-3で負けてしまったけれど、いい試合だった。海堂くんの背中に勇気付けられた。
「…唯、泣いてるの?大丈夫だよ、ここから絶対巻き返してくれるって…!」
「っ…違うの、……私も、あんな風に強くなりたいって思っただけ…」
私は涙を拭うと、テニスコートに視線を戻した。
青学が優勝する姿を見届けよう。
そして、私もまた泳ごう、強くなろうって、そう思った。