炎天下に水を打て
主人公のお名前を変えたい方
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そのタオルどうしたの?とか聞かれたら答えるのが面倒臭かったので親が見ていない間にこっそり手洗いすることにした。でも手洗いとかしたことなかったからスマホで『タオル 手洗い ふわふわ』とかやって調べてみる。お風呂の桶を持ってきてぬるま湯と中性洗剤で優しく洗って…こんなに暑いわけだし一晩干せば乾くよね。
+
「海堂?うーん……見てないなぁ」
休み時間。タオルを返そうと海堂くんの教室まで行ったのだがどうやらいないようで。クラスの男の子に渡してもらおうか迷ったのだけれど次の授業が終われば昼休みなのでその時間に会いに行こうと思う。
+
昼休み。ちょうどお昼ご飯を食べ終わった頃だった。
「唯、海堂くんが呼んでるよ」
「?うん」
クラスの友達に後ろから声を掛けられた。もしかしたらタオルのことかもしれない。紙袋を持って教室から出ると海堂くんと目が合った。海堂くんはその。と少し口ごもって話す。
「さっきの休み時間、教室に来てたみてぇだから」
「タオル返そうと思ってて。はい、これ」
タオルの入ったら紙袋を手渡す。そのまま渡すのもあれかと思い朝慌てて用意したので男の子が持ってたら少し恥ずかしいかもしれないデザインだった。この前、友達と出かけた可愛い雑貨屋さんの紙袋。
「袋に入れてきてくれたのか」
「そのままなのもどうかなって思って。でも何か丁度いい袋なくって」
ごめんねーって言うと気にするな。って返してくれる。教室に戻っていく海堂くんの後ろ姿を見ているとやっぱあのパステルカラーの可愛い紙袋が似合わなくって。でもちゃんと渡せたからよかった。
教室に戻ると修子と桃ちゃんが興味津々な顔をしてこっちを見てくる。興味津々、というかにやにやしてるというか……。
「ちょっと桃城さん今の見ました?」
「まっさか鳴坂が海堂となぁ〜」
「えっ、なになに?」
「唯、海堂くんと付き合ってるの?」
「はあ!?」
さっきのやりとりを見てそう取ったか。いや、それはちょっと妄想が過ぎるんじゃないの!?修子と桃ちゃんはいやぁね〜なんてオバちゃん口調だし。
「私と海堂くんは付き合ってないよ。さっきは借りてたものを返しただけ。」
「ほほう?何を借りてたのかな?」
「………」
もう何を言っても話のネタにされるだけだ。ましてやタオルなんて言ったら事細かに聞かれそうなので適当にはぐらかす。ああ海堂くん。放課後絶対桃ちゃんに茶化されちゃうんだろうな。心の中でそっと謝っておこう。
+ +
「だから付いてくるなって言ってんだろうが!」
「なんだよマムシ!ちょっと鳴坂のこと聞きてぇだけだって!」
放課後鳴坂と桃城が話しているのを見かけて、目が合うと鳴坂がごめんと小さく両手を合わせて訴えてきたからなんだと思ったらこのバカのことだったのか。部活に行けばいつも以上に絡んでくるしランニングには付いてくるしで鬱陶しくて仕方ない。
「ったく、全然教えてくれねぇったらねーよ。後で鳴坂に聞くか」
「…あんま迷惑掛けんじゃねぇぞ」
痺れを切らした桃城は練習試合をしにコートに戻っていった。質問攻めからやっと解放されて気が楽になる。ベンチに座って水筒に入ったスポーツドリンクを一気に呷った。ふと頭に鳴坂のことが浮かんだ。怪我をしてるとか言っていたな。クラスの奴が女子水泳部は予選敗退したという話も聞いた。
…この前元気がなかったのは、予選のことがあったからなんだろうな。
「考え事か。海堂」
「乾先輩。…いや、考え事ってほどの物でもないッスよ」
「桃との話を聞いた感じだと鳴坂のことだろうな」
聞かれていたのか。いや、桃城がでかい声で話していたからか。別に大っぴらに話すことでも隠すことでもないから怪我してるって聞いたんで。とだけ話した。
「…海堂がそんな風に他人の事を気にするだなんて珍しいな。桃に勘違いされるのも納得だ。…それとも本当に勘違いじゃなかったりする?」
「…勘違いっスから。それよりも練習しませんか。大会も間近だし確認したいこと沢山あるんで。」
「………そうだな」
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「海堂?うーん……見てないなぁ」
休み時間。タオルを返そうと海堂くんの教室まで行ったのだがどうやらいないようで。クラスの男の子に渡してもらおうか迷ったのだけれど次の授業が終われば昼休みなのでその時間に会いに行こうと思う。
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昼休み。ちょうどお昼ご飯を食べ終わった頃だった。
「唯、海堂くんが呼んでるよ」
「?うん」
クラスの友達に後ろから声を掛けられた。もしかしたらタオルのことかもしれない。紙袋を持って教室から出ると海堂くんと目が合った。海堂くんはその。と少し口ごもって話す。
「さっきの休み時間、教室に来てたみてぇだから」
「タオル返そうと思ってて。はい、これ」
タオルの入ったら紙袋を手渡す。そのまま渡すのもあれかと思い朝慌てて用意したので男の子が持ってたら少し恥ずかしいかもしれないデザインだった。この前、友達と出かけた可愛い雑貨屋さんの紙袋。
「袋に入れてきてくれたのか」
「そのままなのもどうかなって思って。でも何か丁度いい袋なくって」
ごめんねーって言うと気にするな。って返してくれる。教室に戻っていく海堂くんの後ろ姿を見ているとやっぱあのパステルカラーの可愛い紙袋が似合わなくって。でもちゃんと渡せたからよかった。
教室に戻ると修子と桃ちゃんが興味津々な顔をしてこっちを見てくる。興味津々、というかにやにやしてるというか……。
「ちょっと桃城さん今の見ました?」
「まっさか鳴坂が海堂となぁ〜」
「えっ、なになに?」
「唯、海堂くんと付き合ってるの?」
「はあ!?」
さっきのやりとりを見てそう取ったか。いや、それはちょっと妄想が過ぎるんじゃないの!?修子と桃ちゃんはいやぁね〜なんてオバちゃん口調だし。
「私と海堂くんは付き合ってないよ。さっきは借りてたものを返しただけ。」
「ほほう?何を借りてたのかな?」
「………」
もう何を言っても話のネタにされるだけだ。ましてやタオルなんて言ったら事細かに聞かれそうなので適当にはぐらかす。ああ海堂くん。放課後絶対桃ちゃんに茶化されちゃうんだろうな。心の中でそっと謝っておこう。
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「だから付いてくるなって言ってんだろうが!」
「なんだよマムシ!ちょっと鳴坂のこと聞きてぇだけだって!」
放課後鳴坂と桃城が話しているのを見かけて、目が合うと鳴坂がごめんと小さく両手を合わせて訴えてきたからなんだと思ったらこのバカのことだったのか。部活に行けばいつも以上に絡んでくるしランニングには付いてくるしで鬱陶しくて仕方ない。
「ったく、全然教えてくれねぇったらねーよ。後で鳴坂に聞くか」
「…あんま迷惑掛けんじゃねぇぞ」
痺れを切らした桃城は練習試合をしにコートに戻っていった。質問攻めからやっと解放されて気が楽になる。ベンチに座って水筒に入ったスポーツドリンクを一気に呷った。ふと頭に鳴坂のことが浮かんだ。怪我をしてるとか言っていたな。クラスの奴が女子水泳部は予選敗退したという話も聞いた。
…この前元気がなかったのは、予選のことがあったからなんだろうな。
「考え事か。海堂」
「乾先輩。…いや、考え事ってほどの物でもないッスよ」
「桃との話を聞いた感じだと鳴坂のことだろうな」
聞かれていたのか。いや、桃城がでかい声で話していたからか。別に大っぴらに話すことでも隠すことでもないから怪我してるって聞いたんで。とだけ話した。
「…海堂がそんな風に他人の事を気にするだなんて珍しいな。桃に勘違いされるのも納得だ。…それとも本当に勘違いじゃなかったりする?」
「…勘違いっスから。それよりも練習しませんか。大会も間近だし確認したいこと沢山あるんで。」
「………そうだな」
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