「なっ！？」
そこには二人の首を切られた屍と佇む1人の布を被った男がいた。
屍は白い装束を着た顔に焼き印のあるきな臭い姿をしている。
そして俺たちはその1人の男の正体を知っている
ベリアス、俺たちのたった1人の宝物だ。アイツもまさか再会するとは思わなかったのか驚き目を見張っている。
しかし俺が言ったのは再会を喜ぶ言葉ではなかった。
「お前…人を殺めたのかよ？！なぁ？！」
「お前はそんな奴じゃなかったよな？答えてくれよ！」
「…」
汗ばみ目を泳がせている彼を目前に俺は彼のシャツを掴み引き寄せた。
「お前いつからあの悪魔なとこから出たったんだよ？何で俺たちのところに来なかったんだよ？！何で「それくらいにしておけ、これ以上は俺が許さねえぞ」
俺とアイツの間に割って入ってきたのは鬼の形相をした珍奈だった。
「コイツだって望んでやったわけじゃねぇだろ。これは俺のカタギの勘だ。」
「ほら良くみろ、コイツらチャカ持ってやがる。どうせこんなの宗教の信者共だから精々悪魔の子のこいつ殺しにきたんだろ、こんなん正当防衛だろ正当防衛。」
「すまない…だが俺はコイツの言う通り人殺しだ…何も間違ったことは言っていない。」
「いや…そういうわけで言ったわけじゃ…」
「違くない、それに俺は親父に気づかせてもらった。やっぱり俺はお前らみたいな何の罪もない奴等の中にいちゃダメなんだ…」
「違う！！それはお前の親父がいけないんであってお前は何も悪くない！それに…「黙ってくれ！！今回の騒動も俺の責任だ、お前たちはいつも通りの日常に戻ってくれ。そしてもう俺に関わらないでくれ…頼む…」
皆呆然としている中1人アイツが抜けていく。しばらく俺たちはその場から動けなかった。