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男は朦朧とした意識の中自らの行いを怨みがましく呪った。（あの時…自分が意識を保っていたら）
離れていく意識の中で男は自らと共に旅をした者達が姿を忌々しい怪物へと変わってしまった自分へ必死に呼びかけていた声を思い出した。
あの顔を思い出すたびにこんな悪魔のもとに生まれてしまった自分を恨んだ。いっそ生まれず彼らに会うことがなければいいのに、と思う。また彼は自分が悪魔であると自覚した時に悪魔の子としての自分の人格と今の"ベリアス"という人格が統合され、自分が失っていた記憶を思い出していた。それがさらに彼の心を深く抉った。彼は6歳までの以前の記憶を失っていた。しかしそれは6歳まで自分の人格が曖昧で悪魔の子としての人格が彼を支配していたからによることであった。
その結果彼は自分がなぜ街の人全員から忌み嫌われ両親から虐待されていたのかを知った。
それは幼い頃の自分が突然暴走し、多大な被害を与えた事だった。それで死人も出たらしい。まさに泣きっ面に蜂のような状況でそれを知ってしまった彼はその事実を完全に受け止める事が出来ずに心を病ませた。
窓から差し込む生暖かい不可思議な光すらも今の彼にとっては自分を責める十分な理由になってしまう、食べ物も見るだけで吐き気がする。父の顔すら見たくない。ただただベッドに横たわる事しか出来ない自分に無力感を感じた。

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もう何もしたくない、もう何も邪魔したくない。
ーあの暖かく輝かしい場所に自分は値しないー