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人間味

朝に見える幻覚について

2020/05/16 06:21
 朝は陽が昇りたてなため、見えるものがわりと曖昧である。なので幻覚を見る。太陽が私への光の伝達をサボった結果、私はよく幻覚を見せられた。何度も何度も。
 夢幻と現実のはざまで、誰かが手招きしている。自分を呼ぶ声が聞こえる。これは事実ではなく、幻覚だ。ここであの世界に引き寄せられるとしばらくは帰ってこれない。
 短いものを連続して見る幻覚はとても理想的なものとなる。半分理性半分本能でいいとこどり。理想に惑わされ、体が限界を迎えるまで見続けることになる。限界を迎えると突如として現実に移行するはめに。
 ある日の幻覚からの覚めは時間は約束の一歩手前だった。今日も朝の幻覚に惑わされた、と。

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