青空広がる気持ちのいい朝。
学校に向かって歩く悠の肩を叩く者がいた。




陽介「よっ、おはよ！」




首から下げたオレンジ色のヘッドホン。少し跳ねた明るい色の髪。




悠「おはよう、陽介」




いい笑顔を向ける陽介の後ろで、誰かの影が見えた。
顔を動かしてみると、見た事の無い女の子がじっとこちらを見ている。




陽介「紹介するわ、陽見。俺の妹なんだ。」
悠「そうなのか。よろしくな。」




握手の意味を込めて手を出すと、陽見はその手を見てそっと手を伸ばす。
それを見て、悠は首を傾げる。

人さし指と中指が立っている。いわゆるピースサインだ。




陽見「………勝った。」
悠「負けた。」




呟くと、陽見はふふっと小さく笑った。
何とも言えないお茶目なその姿に、悠と陽介の頬も緩んだ。