祝福
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手を握ったまま軽く昔話をして歩く
ドキドキするのにこんなに温かい
緊張するのに離れがたい
矛盾しているような新しい体験だった
もうすぐ宿に着きそうだ
遠目からだからはっきりとは見えないが
宿の出入り口に影が見える
おそらくテマリとカンクロウが待っている
「……。」
『我愛羅?』
また立ち止まった彼をふと見上げる
ちゅっと頬にキスをされて
今度は私がピタリと止まる
あまり表情を変えない我愛羅の目は
すごく優しくていつまでも見つめていたかった
「好きだ。」
『…ん、私も…好きっ!』
まだドキドキは止まらない
なんならどんどんどんどんと
好きになっていってる気がする
もっと近くに感じたい、と思った時には
我愛羅にぎゅっと抱きついていた
我愛羅もなまえの急な行動驚いていたが
嬉しくてすぐに抱きしめ返していた
見つめあって微笑み合う2人を
木の葉の里の星空が見守っていた
...
「たった1日でこれじゃん?」
「はぁ〜っ」
宿の帰りからなんとなく察していたが
ようやくくっついたと思えば
もう止まらないようだった
なまえの目はハートに見えるほど
我愛羅しか見えていない
ぎゅっと腕に抱きついて離れない
そしてそれをまんざらでもない顔で受け入れている弟になんともいえないきょうだいたちだった
砂に帰るために門へ向かう
「今回は声をかけてくれてありがとう」
「超楽しかったじゃん、また来たいぜ!」
「世話になった。」
『また遊ぼうね〜!!』
別れは惜しいが皆にさよならを言って木の葉を発つ
我が故郷に帰りさっそく溜まってしまった仕事をせねばならなかった
『帰ってすぐこれだよもう〜!』
我愛羅との時間がもっと大切になった今、
仕事が邪魔に感じる
でもこれは彼の目標であり夢だったから
愚痴りながらも一生懸命取り組む
姉兄たちは上層部と直接やりとりをしているが
なまえは任務等の現場の面倒を見ているので
我愛羅と同じく書類の仕事が多かった
執務室で一緒に仕事ができるよう簡易的に
設置したなまえ専用の机があった
そんななまえをちらりと見やると席を立つ
『?』
どうしたのかと見ているとこちらに近づいてくる
と、背中側から腕を回されて抱きしめられる
肩に頭が乗りほっぺたがくっつく
うおおぉぉと頭の中で緊張から漏れる雄叫びが上がる
おそらく顔が真っ赤であろうと自分でわかるぐらい体が熱かった
椅子を机から離し横を向くように動くと、
私の正面に立ち直した我愛羅が私の手を取る
座ったままの私に屈んでキスをした
初めての感触に緊張を超えて
電撃が走るようだった
『も、もう一回…』
柔らかい感覚をもう一回、意識があるうちに
味わいたくなった
仕事中なのに、という思いがあるから
理性は残っているが体が言うことを聞かない
自分でもおねだりするとは思わずびっくりだ
黙ってキスをしてくれる我愛羅
ちゅっ、ちゅぅー、ちゅっちゅっと
離したり角度を変えたりキスを楽しむ
嬉しくて、でもなんだか切なくて恥ずかしくて
悲しいことはないのに涙があふれる
『大好き…』
一生こうしていたいと付け加えて
またキスをされる
「早くこうしておけばよかった」
仕事が手につかないほど愛に溺れていった
もちろんそのままというわけにもいかず
頬を両手で包まれて最後にちゅっとされると
仕事を再開する
以降も、大好きが止まらないなまえは
感情のままにくっついたりおねだりして甘えた
逆に感情を表に出さない我愛羅は
時間を共にし行動で愛を示した
周りからみれば正反対にように見えるが
信頼を築いている2人には関係なかった
風影様に愛する人ができたと
噂が広まったのはすぐだった
この里も安泰だと人々は喜んでいたそう
2人が祝福されるのはもうじきのこと。
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