一ノ刻~地図から消えた村~
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「どうしよう…。」
そう、ぽつりと呟いた少女は、途方に暮れた。
どうしてこんな事になってしまったのか。そう考えては、自業自得かと自分を責めていた。
彼女は祖父母の家の近くにある森を散策していた。祖父母の、そして両親の言いつけ通り、危険がありそうな道ではなく、安全そうな道を選んでいた。途中で川を見つけ、岩に腰を掛けて、その川に足をつけて休んだ。
元々、この森はもっと広かったらしい。「らしい」というのは、祖父母達から聞いた話だからだ。この森はダム建設予定地に近かったらしく、一部を削られ、さらに一部はダムに沈んだ。ちなみに近所の人から話だと、ダムに沈んだ所には、一夜にして無くなった村があったとの事。まるで小説か何かのような話だ。そんな事を思い出した所で、一度家へ帰ろうと思い立った。
視界の隅に紅い何かが見えた。
「赤い蝶…。」
それへ目を向ける。赤と言うよりももっと鮮やかな紅が見えた。
それをじいっと見ていると、祖父母の話を思い出した。
「森の奥深くまで行ってはいけないよ。紅い蝶に連れて行かれてしまうから。」
関係はないだろうに、背筋が冷えた気がした。けれど、それよりも何故か紅い蝶が気になった。どうしても、何かを知りたがっていた。
気が付くと蝶を追っている自分がいた。そこで足を止めて、辺りを見回した。
先ほどまでとは違う雰囲気の森。どこか冷えたかのような印象がある森。そして、冒頭に戻る。
「…道がなくなってる。」
どうやってここまで来たのか分からない。道らしい道もなく、追いかけていたあの紅い蝶も見失っていた。
心の拠り所になり得そうだったものも失い、再び途方に暮れる。
今、見えるのは、深い深い木々と赤い鳥居。そして、その鳥居から続く道。
鳥居があるのなら神社があるのかもしれない。もしかしたら、人がいるかもしれない。そう思い、意を決して、鳥居を潜った。
「っ…。」
また、何かを感じた。
そう、ぽつりと呟いた少女は、途方に暮れた。
どうしてこんな事になってしまったのか。そう考えては、自業自得かと自分を責めていた。
彼女は祖父母の家の近くにある森を散策していた。祖父母の、そして両親の言いつけ通り、危険がありそうな道ではなく、安全そうな道を選んでいた。途中で川を見つけ、岩に腰を掛けて、その川に足をつけて休んだ。
元々、この森はもっと広かったらしい。「らしい」というのは、祖父母達から聞いた話だからだ。この森はダム建設予定地に近かったらしく、一部を削られ、さらに一部はダムに沈んだ。ちなみに近所の人から話だと、ダムに沈んだ所には、一夜にして無くなった村があったとの事。まるで小説か何かのような話だ。そんな事を思い出した所で、一度家へ帰ろうと思い立った。
視界の隅に紅い何かが見えた。
「赤い蝶…。」
それへ目を向ける。赤と言うよりももっと鮮やかな紅が見えた。
それをじいっと見ていると、祖父母の話を思い出した。
「森の奥深くまで行ってはいけないよ。紅い蝶に連れて行かれてしまうから。」
関係はないだろうに、背筋が冷えた気がした。けれど、それよりも何故か紅い蝶が気になった。どうしても、何かを知りたがっていた。
気が付くと蝶を追っている自分がいた。そこで足を止めて、辺りを見回した。
先ほどまでとは違う雰囲気の森。どこか冷えたかのような印象がある森。そして、冒頭に戻る。
「…道がなくなってる。」
どうやってここまで来たのか分からない。道らしい道もなく、追いかけていたあの紅い蝶も見失っていた。
心の拠り所になり得そうだったものも失い、再び途方に暮れる。
今、見えるのは、深い深い木々と赤い鳥居。そして、その鳥居から続く道。
鳥居があるのなら神社があるのかもしれない。もしかしたら、人がいるかもしれない。そう思い、意を決して、鳥居を潜った。
「っ…。」
また、何かを感じた。