猫可愛がり
お日さまが少し南西に傾いた絶好の昼寝時間。温かくふわふわと柔らかい毛布の上。壁神は猫の赤子が母猫の乳を吸う時のように、足で毛布を揉みながら、夢の中に入ろうとしていた。
壁神が完全に眠りに落ちたその時、毛布が突然動き出す。その拍子に壁神は目が覚め飛び起きる。そして、自分が今揉んでいたものが毛布ではなく、一匹の羊であることに気づいた。
「んん〜?なぁんりゃぁ、壁神かぁ〜。」
上手く呂律が回っていない様子でその羊は言う。どうやらひどく酔っ払っているようだ。
この羊は幽神。壁神は幽神の筆しらべ「霧隠」とその体毛に気持ちよくなったのだろう。
「幽神ってば、何で急に霧隠使ったの?わたし眠たくなっちゃったよー。」
「ん〜、えぇ〜っと、なんれらっけぇ?」
幽神は朧気な記憶を辿ろうとしている…と思いたい。
「うぅ〜ん、あぁ〜、そうらったぁ〜!妖怪がぁ、琵琶をなげてきたからぁ、おそくしよぉとしたんらった!」
「なるほどねー。」
納得した壁神は幽神の顔を見る。紅潮した顔と焦点の定まっていない目は何だか愉快である。そして、頭の方に小さなたんこぶがあることに気づいた。
「あれ?幽神、頭、怪我してない?」
「え〜?けらぁ?」
幽神はまた、霧の中を彷徨うように記憶を辿る。 「なんれらっけぇ…。」
しかし、答えは出てこなかったようだ。
一方、壁神は幽神の後ろに“ナニカ”が落ちているのを見つけた。
「んー?幽神の後ろに何かあるよ?」
「えぇ〜?」
幽神が振り向くと、そこには先程妖怪が投げてきた琵琶が落ちていた。
「あぁ~、これらよ、これぇ〜。これをなれられてぇ、筆しらべしてぇ、それでぇ…。」
そこで幽神は思い出した。
「そうらったぁ〜。よけよぉとしたんらけろぉ、これがぼくのあたまにあたったんらったぁ〜。」 「あー、それで気絶して…。」
「たぶんそうらぁ〜。」
いつものんびりとしている壁神であるが、幽神のこの調子には流石に呆れてしまう。
「あれ?じゃあ妖怪はどうしたの?」
「えぇ~壁神がたおしたんりゃないのぉ〜?」 「わたしはたまたまここを通りかかって、幽神の霧隠で眠たくなっちゃったから何も知らないよ?」 「えぇ~、ていうことはぁ…。」
幽神が言いかけたその時。どこからともなく妖怪の不気味な笑い声が聞こえてくる。
二人が声のした方を見ると赤天邪鬼がぴょんぴょんと跳ねている。そして自分の尻を叩いて二人のことを煽る。
「あー、いるね…。」
「よぉし、じゃあ霧隠を〜…」
「大丈夫だよ幽神!あれぐらいならすぐ倒せるから!」
また眠たくなっては困ると、壁神は幽神を止める。
壁神は地を蹴り、その勢いと共に自身の鋭利な爪で妖怪を切り裂く。妖怪が消えると共に、その琵琶も消え失せた。
「わぁ〜い壁神ありがとぉ〜。」
「えへへ。」
幽神にふにゃふにゃ感謝され、壁神は少し照れ臭そうに笑う。
「じゃあ、わたしはこれで…」
壁神が去ろうとした時。
「あぁ~ちょっとまってぇ、壁神〜。」 幽神に呼び止められ、壁神は振り向く。
「もぉ妖怪も居ないしぃ〜、おひるねしよぉよ〜。」
幽神の誘いに壁神は嬉しそうに答える。
「うん!いいよー!」
温かくそしてふわふわと柔らかい幽神の体毛は、壁神にとっては最高の昼寝場所 なのだった。
…少し酒臭いけど。
壁神が完全に眠りに落ちたその時、毛布が突然動き出す。その拍子に壁神は目が覚め飛び起きる。そして、自分が今揉んでいたものが毛布ではなく、一匹の羊であることに気づいた。
「んん〜?なぁんりゃぁ、壁神かぁ〜。」
上手く呂律が回っていない様子でその羊は言う。どうやらひどく酔っ払っているようだ。
この羊は幽神。壁神は幽神の筆しらべ「霧隠」とその体毛に気持ちよくなったのだろう。
「幽神ってば、何で急に霧隠使ったの?わたし眠たくなっちゃったよー。」
「ん〜、えぇ〜っと、なんれらっけぇ?」
幽神は朧気な記憶を辿ろうとしている…と思いたい。
「うぅ〜ん、あぁ〜、そうらったぁ〜!妖怪がぁ、琵琶をなげてきたからぁ、おそくしよぉとしたんらった!」
「なるほどねー。」
納得した壁神は幽神の顔を見る。紅潮した顔と焦点の定まっていない目は何だか愉快である。そして、頭の方に小さなたんこぶがあることに気づいた。
「あれ?幽神、頭、怪我してない?」
「え〜?けらぁ?」
幽神はまた、霧の中を彷徨うように記憶を辿る。 「なんれらっけぇ…。」
しかし、答えは出てこなかったようだ。
一方、壁神は幽神の後ろに“ナニカ”が落ちているのを見つけた。
「んー?幽神の後ろに何かあるよ?」
「えぇ〜?」
幽神が振り向くと、そこには先程妖怪が投げてきた琵琶が落ちていた。
「あぁ~、これらよ、これぇ〜。これをなれられてぇ、筆しらべしてぇ、それでぇ…。」
そこで幽神は思い出した。
「そうらったぁ〜。よけよぉとしたんらけろぉ、これがぼくのあたまにあたったんらったぁ〜。」 「あー、それで気絶して…。」
「たぶんそうらぁ〜。」
いつものんびりとしている壁神であるが、幽神のこの調子には流石に呆れてしまう。
「あれ?じゃあ妖怪はどうしたの?」
「えぇ~壁神がたおしたんりゃないのぉ〜?」 「わたしはたまたまここを通りかかって、幽神の霧隠で眠たくなっちゃったから何も知らないよ?」 「えぇ~、ていうことはぁ…。」
幽神が言いかけたその時。どこからともなく妖怪の不気味な笑い声が聞こえてくる。
二人が声のした方を見ると赤天邪鬼がぴょんぴょんと跳ねている。そして自分の尻を叩いて二人のことを煽る。
「あー、いるね…。」
「よぉし、じゃあ霧隠を〜…」
「大丈夫だよ幽神!あれぐらいならすぐ倒せるから!」
また眠たくなっては困ると、壁神は幽神を止める。
壁神は地を蹴り、その勢いと共に自身の鋭利な爪で妖怪を切り裂く。妖怪が消えると共に、その琵琶も消え失せた。
「わぁ〜い壁神ありがとぉ〜。」
「えへへ。」
幽神にふにゃふにゃ感謝され、壁神は少し照れ臭そうに笑う。
「じゃあ、わたしはこれで…」
壁神が去ろうとした時。
「あぁ~ちょっとまってぇ、壁神〜。」 幽神に呼び止められ、壁神は振り向く。
「もぉ妖怪も居ないしぃ〜、おひるねしよぉよ〜。」
幽神の誘いに壁神は嬉しそうに答える。
「うん!いいよー!」
温かくそしてふわふわと柔らかい幽神の体毛は、壁神にとっては最高の
…少し酒臭いけど。
